「夏帆の魅力が超濃縮、最高でした。」パズル(2014) Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
夏帆の魅力が超濃縮、最高でした。
山田悠介 原作。
思い浮かぶのは『奇抜な設定。若い男女が生を、死を、弄ぶ』。
どの作品も判で押したが如く同じような話というイメージ。
当然これだけでは観る気は微塵も湧かないのですが。
主演が夏帆。
監督が「先生を流産させる会」の内藤瑛亮。
これは観ざるを得ない、という事で行ってきました。
…最高でした。
話全体は然程面白くないのですが。
話の構成、異なる時間軸の組み合わせが良かった。
また描いている時間軸を示す殴り書きの文字。
エンドロール、スタッフロールも含めて画面に示される手書き文字が印象的でした。
何より主演の夏帆。
序盤の影を持ち現実を受け入れられない面持ちから、中盤以降の狂気の顔。
所々で息を呑む表情、仕草。
非常に良かったです。
夏帆という女優の魅力は何か。
個人的には一種の諦観が滲んだ表情、その陰にあると思います。
若干のヤサグレ感も含んだ雰囲気。
笑顔だけど何処か陰がある、悲嘆に暮れているけれど何処か諦めに似た空虚な感がある。
この掴み処の無い感じが好きです。
全編通して夏帆は本当に最高だったのですが。
特選としては以下の3場面。
・大和田獏 演じる理事長にワイド!スクランブルをかけられた際の一瞬の間
・「アッタカイ」の『おっ!?』という表情
・エンドロール
特にエンドロール。
音楽も相まって心奪われる印象的な映像でした。
22歳の夏帆が制服を着る若干の無理感も含めて最高。
この夏帆は他では観れない、そういう意味では非常に意義ある作品でした。
兎にも角にも夏帆の魅力が超濃縮、ミッチミチに詰まった本作。
大してエグくもないのでソレ系で期待される方は肩透かしを喰らうと思います。
夏帆にノレる方、是非オススメです。
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