「原作がある映画は原作読まないと何とも言えん!!のはいつものことなの...」パズル(2014) ますんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作がある映画は原作読まないと何とも言えん!!のはいつものことなの...
原作がある映画は原作読まないと何とも言えん!!のはいつものことなので、この作品だけを見た感想。
いろんな意味で謎を帯びてるというか、不気味な雰囲気を最後までまとってて、夢の中に出てきそうな雰囲気の映画。どこか現実的じゃなくて、ファンタジーのような……ダークファンタジー??
設定が分からない所が多く、やっぱ1番気になったのは、あんなに猟奇的で見境の無いように見える野村周平がなぜ夏帆にそれほどこだわってるのか。何かエピソード出てくるかなと思ったけど最後までなかった。自殺を図った夏帆に同情しただけ……じゃないよねきっと。そこは欲しかったなあと。
山田悠介らしくグロ全開で映像にするとやっぱり最初の方はああああ見てられないってなったんだけど、徐々に夏帆の過去が明かされていって分かってからはそのグロも痛快。特に理事長が自分の娘を犯すシーンがざまあみろって感じで単に殺すよりもスッキリしたよね。
これは復讐のお話で、最初の復讐からどんどんどんどん復讐が連鎖していく。でも各々その末路はいいものではない。復讐の、目的以外にはなりふり構わない捨て身の怖さが凄まじかった。あの刑事さんとかも、刑事としても人としても完全に理性が飛んでっちゃってるもんねえ……。復讐が復讐を産む、負の連鎖。復讐は良くないです、うん。
そして最後の映像がとても良い。あのラストの為の映画かと思うくらい。夏帆がその華奢な体を振り回して踊るのがとっても綺麗で。足がふらふらなのに狂った人形みたいに踊り続ける、踊らされているのか踊っているのか踊らなければいけないのか。1番印象的なシーンだった。音楽も映像も良かった。あの音楽が耳に残っている。
ただ分からなかったのはあのカウントダウン。
何のカウントダウンだったのか……
これは夏帆の映画ですね。