NOTHING PARTS 71のレビュー・感想・評価
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生々しい沖縄へ、めんそーれ
仙頭氏と沖縄のスタッフ・キャストが共鳴して生まれた物語は、
歌って踊って楽しい癒しの島…ではなく、
仰々しい音を背景に、欲望と希望が入り交じる生々しい世界。
その昔、「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」で
沖縄に着いた寅さんは、
愛しきリリーのいる病院に向かうバスの中で爆睡してしまいます。
上空では米軍機が爆音を立てて飛び交っているのに…。
山田洋次監督は基地問題に無関心な日本国民を
寅さんの寝姿で表現したといいます。
寅さんが見なかった米軍基地は今も存在し続け、
「金目」で沖縄を売り渡す知事までいる現在。
本作の撮影は2010年、沖縄公開は2012年、本土公開は2014年。
時代が映画に追いついた感がします。
「沖縄大好きなんです」な人にこそ見てほしい。
あなたが無自覚に「消費」している沖縄とは何か、
痛いほどわかるから。
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身に覚えのある「不快」
確かに、「生身の沖縄を容赦なく抉ってぶちまけた問題作」です。
でも(こんなこと思うのは自分だけかもしれませんが)、
観るたびなぜか、「沖縄映画」という感じがしなくて。
というのも、作品中もちろん沖縄固有の事象も登場するものの、
多くの場面の背景に流れる「不快」の感情は、ないちゃーの自分にもある意味、身に覚えのあるものだったから。
心に確かに存在する「不快」を押し殺し、
「理想」と「現実」の落差に見て見ぬふりをして耐えられる最大年数って一体何年なんだろう?
あ、そんなこと言ったら沖縄は・・・。
等々、観出したらとめどもなく思いが拡がる映画です。
ぜひ一度、ご覧になることをお薦めいたします。
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シンプルな複雑さ
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