「文化を壊して、お金に変えてたの、一生懸命、国中で・・」野のなななのか shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
文化を壊して、お金に変えてたの、一生懸命、国中で・・
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映画「野のなななのか」(大林宣彦監督)から。
「北海道芦別市を舞台に描いた人間ドラマ」らしいけれど、
芦別市の名所旧跡の案内的要素もあるからか、
2時間51分(171分)は、とにかく長い。(汗)
さらに、最初から最後まで演劇の舞台のようなテンポで、
台詞が交差しあうのだから、観賞後、どっと疲れた。
しかし、メモしたくなるような台詞は多かったので、
停めては戻しメモして再生、の繰り返しだから4時間はかかった。
中でも、私が気になったのは「第14章 そして、現代。」の章。
赤毛のアンの家とか、カナディアン・ワールドと称した廃墟などを
指差しながら、芦別市の歴史を振り返るシーン。
「まちおこし・・まち壊しだったかな?」と溜息をつき、
「まちおこしってのは、日本中の流行りだったからね」と嘆き
「『炭鉱』から『観光』へ、だったわね、ここは」と思い出した。
さらに、話を続けて、こんな会話が・・。
「京都の鴨川に、パリのセーヌ川の橋を架けましょうだなんて話も」
「それは文化の破壊だね」
そして最後に、こうまとめてある。
「文化を壊して、お金に変えてたの、一生懸命、国中で・・」
いかにも、一時代前の「まちおこし」と表現していたが、
実は、現代の「地方創生」への警鐘ではないか、と感じたからだ。
日本が「観光立国」を目指しているからって、資源もないのに
「観光」を目玉にして、人口減少を解決しようとする地方に対して。
「まちおこし」って、流行りで行なうものじゃないからなぁ。
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