白鯨との闘い : 特集
名著「白鯨」の裏に隠され続けてきた秘密とは?
アカデミー賞監督ロン・ハワードが描く衝撃の実話。男たちの究極の決断とは?
「ビューティフル・マインド」のオスカー監督ロン・ハワードが、「アベンジャーズ」のクリス・ヘムズワース、「007 スペクター」のベン・ウィショーらを起用して描くスペクタクル・ドラマ大作「白鯨との闘い」が2016年1月16日より全国公開。名著「白鯨」の基になった捕鯨船沈没事故の「衝撃の真実」とは?
■世界的小説「白鯨」はフィクションではなく、【実話】だった!
白鯨と死闘、そして生き延びるための「究極の決断」とは?
義足の船長と、彼の足を奪った白く巨大なクジラとの壮絶な戦いを描いた「白鯨」。アメリカ文学史上最高傑作のひとつと称され、長らく愛されてきた名著は実はフィクションではなく、実際に起きた捕鯨船エセックス号沈没事件を基に生み出された「実話」だった。本作「白鯨との闘い」は、後に「白鯨」を著すことになる若き作家ハーマン・メルビル(ベン・ウィショー)が、エセックス号事件の生き残りのひとり(ブレンダン・グリーソン)から事件の聞き取りを行うというスタイルをとり、そのとき海の上で起こった壮絶かつ過酷な現実を、すさまじいスペクタクルと臨場感で描き出す作品なのだ。
1819年、一等航海士オーウェン(クリス・ヘムズワース)と21人の仲間たちは、捕鯨船エセックス号で太平洋を目指すが、経験不足の船長の判断ミスや大嵐に遭遇したことがたたり、多くのトラブルに見舞われてしまう。何日もの不漁が続いた後、運よくクジラの大群を発見するが、そこには群れを守るように悠然と泳ぐ、驚くほど巨大な白いマッコウクジラがいた。“白鯨”を捕獲するべくオーウェンたちは激闘を繰り広げるが、その圧倒的なパワーにあえなく撃沈。陸地から遠く離れた広大な海原に投げ出されてしまう……。
捕鯨シーンのスペクタクルは出色だが、本作の真髄はこの後の展開だ。わずかな食料と飲料水だけを頼りに、3艘(そう)のボートに分乗した乗組員たちの面々の、まさに地獄絵図ともいうべき漂流生活が描き出される。身重の妻と、まだ見ぬ子どもに「必ず帰る」と誓っていたオーウェンを筆頭に、さまざまな立場や年齢、人種の乗組員たちが、それぞれの事情を胸に生き抜こうともがくのだ。「アポロ13」「ビューティフル・マインド」「ラッシュ プライドと友情」ほか、極限状況下での人間ドラマを描かせれば右に出る者はいない名匠ロン・ハワード監督だけに、乗組員たちの行く末から目が離せない。
そして、死を目前にした彼らが、生き抜くためにどんな決断をしたのか。その男たちの生きざま、衝撃的な真実に、見る者は驚き、大きく心を打たれるに違いないのだ。
■超巨大! 無敵! 無慈悲! この臨場感は尋常じゃない!
自然界最強生物=白鯨 VS 22人の海の男たち!!
衝撃的な人間ドラマを描きながらも、壮大なスケールによる超大作としてのエンターテインメント性も確立されているのが本作の注目ポイント。ハリウッド最先端のVFXと3D技術によって、アクション映画やパニック超大作と見まがうばかりのスリルあふれるアクション・シーンが表現されているのだ。
本編の序盤では、巨大な帆船であるエセックス号を飲み込むほどの大波がうねる嵐のシーンが登場。雨、風、嵐、そして目の前に折れたマストや帆、タルなどが飛び込んでくるなど、まさに自分も船に乗っているかのような臨場感だ。そして捕鯨シーンも目を見張らせる。小型のボートにチームで乗り込み、海面から透けて見えるクジラの巨体を追いかけ、突き刺したモリに引っ張られて海上を進むさまは、海面すれすれの視点もあって、スピードあふれるライド感が満載だ。さらに海深くグングンと潜っていくクジラ視点のカットも交えられ、多くの角度から立体的に捕鯨を「体感」できる構成となっている。
そして、メイン・イベントである、白鯨とのバトル。30メートルを超える巨体は、エセックス号の全長をはるかに超えるスケール。海面下で悠然と泳ぐ姿を俯瞰(ふかん)で捉えたかと思えば、モリを突き立てようとする猟師の視点からも白鯨を追う。「巨大で恐ろしいものが、こちらを目指して襲ってくる」という圧倒的な臨場感が半端ではない。22人の海の男たちが、自然界の最強生物にいかに戦いを挑むかにも注目だ。
■名匠ロン・ハワード監督、C・ヘムズワース、B・ウィショーら実力派俳優集結
映画ファン必見のスタッフ&キャスト陣、人間の真実の姿を描いた渾身の超大作!
過酷な実話を描くというテーマ性と、最新VFXがそろっているというだけでは傑作は生まれない。それらをいかに料理し、表現するかに長けた一流のスタッフ&キャストが結集しているからこそ、そのクオリティは保証される。
本作が人間の本質を描くヒューマン・ドラマとしても、圧倒的なスペクタクルを体験できるエンターテインメント作としても輝いているのは、「ビューティフル・マインド」「フロスト×ニクソン」でアカデミー賞の高い評価を受けつつ、「アポロ13」「ダ・ヴィンチ・コード」等の大ヒット作も生み出し続けているロン・ハワード監督作だからこそ。作家性とエンターテインメント性、それぞれで高く評価される監督はいるが、その両方を兼ね備えた監督は数えるほど。それだけに、映画ファンにとっての安心の人物といえるのだ。
そして実力派キャストも結集。主演は、ハワード監督とすでに「ラッシュ プライドと友情」でタッグを経験済みのクリス・ヘムズワース。3度流れたという本作の映画化を強力にプッシュしたのもヘムズワースであり、彼がハワード監督へ企画を持ち込んだことが原動力になったという。さらに共演には、「007」シリーズのQ役でブレイクしたベン・ウィショー、「リンカーン 秘密の書」のベンジャミン・ウォーカー、「ダークナイト」シリーズのキリアン・マーフィら若手実力派が集結。今回が初航海という幼い船員トーマスを演じるトム・ホランドは、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」にも登場する新リブート版「スパイダーマン」の主役に抜てきされた逸材だ。
スタッフ&キャストともに、映画ファン納得の面々を見れば、高い期待を抱かずにはいられないはずだ。