白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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【ロン・ハワード監督が描くリアリティ過ぎる真実の「白鯨」に戦慄する】
1819年、捕鯨船エセックス号は太平洋を目指し、米ナンタケット島を出港する。
エセックス号には21人の乗員がいたが・・。
[エセックス号メイン乗員と関係者]
・ジョージ・ポラード船長(ベンジャミン・ウォーカー)・・名士船乗りの家系に生まれ。今航海ではオーウェンを意識し過ぎ、時折無謀な指示を出すが、根は好人物。
・オーウェン・チェイス一等航海士(クリス・ヘムズワード)・・捕鯨会社からの船長の約束を反故にされ、名家出身のポラード船長と屡々対立。が、白鯨襲撃後はサバイバルの指揮を執る。
・マシュー・ジョイ(キリアン・マーフィ)・・幼いころからチェイスの友人。
・ヘンリー・コフィン(フランク・ディレイン)・・ポラードの親戚でエセックス号の新たな航海士として抜擢。(何かと、チェイスを敵対視するが、空回りする様が観ていて辛い・・。)
・トーマス・二カーソン(トム・ホランド)・・エセックス号のキャビン・ボーイで数少ない生還者。ある出来事を経験したため、十数年に亘り、事実を語らず。
→年老いて、トム・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)と名乗り、酒浸りの日々を送る。
・ハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)・・小説家。
<メルヴィル著「白鯨」の真実の裏の驚くべきサバイバルの真実を圧倒的なリアリティ感溢れる俳優達の演技で描き出した作品。>
<2016年1月16日 劇場にて鑑賞>
陰気で暗いが美しい映画
ブレンたん・グリーソン祭り〜
邦題が残念過ぎる
ノンフィクション原作が面白さを邪魔している?
19世紀、鯨から取れる油が世界中で重宝される時代。
鯨油で一攫千金を狙う船乗り達と30m級の「白鯨」との闘い。
ノンフィクションの小説が原作らしい。
船vs巨大生物バトルに関しては別映画「パイレーツオブカリビアン」にて船vs巨大タコにて生物の圧巻さは既に観ているのだが、あちらは仮想。
実際にシロナガスクジラという30m級のクジラは存在する訳であり、こちらの船vs白鯨はより現実味のあるバトルを堪能出来ました。
後半は白鯨と漂流のサバイバルゲーム。死ぬか生きるか。
公開時あまりヒットしなかったのは、中だるみしてしまった後半の部分のせいかな?とも思う。
(ここがノンフィクション原作部分と思われる。)
悪くは無いんだけど、私としては隠された真実なんていらんから、「白鯨」ネタだけで良かった気がしました。
ひたすら巨大船vs白鯨の闘いが観たかった。
再戦してもいいから、因縁の対決の様に。
ラウンド2を。
まるで『生きてこそ』!
捕鯨船は船長をジョージ・ポラード(ウォーカー)、一等航海士をオーウェン・チェイス(ヘムズワース)と決め、アメリカのナンタケット島を出港する。船長になれると思っていたオーウェンは、経験の浅い名家のジョージにその座を奪われて、苛立ちを隠せず、二日目には衝突してしまう。航海はトラブル続きで鯨は一向に捕らえることが出来ず、焦りばかりが募っていく。ようやく一頭を捕らえた彼らは寄港地で耳よりの情報を手に入れ、赤道近くの太平洋へと向かう。
鯨に銛をぶち込むのは備え付けのボートに乗り移ってからだ。ちょっとビックリ。そんなボートが3艘備え付けてあったエセックス号。やがて鯨の大群に遭遇するが、一頭の巨大な白鯨が怒り、体当たりで船を破壊する。沈没したエセックス号。彼らはボートに乗って遭難してしまったのだ。漂流した彼らを襲ったのは極端な飢え。一人が死に、その人肉を食べ始めた。他のボートではくじ引きで銃殺までして人肉を食っていたようだ。孤島を見つけ一旦その島へと上陸するが、その途中にも白鯨に襲われる。何人もの犠牲者を出しながらも残された少数が本土へとたどり着くのであった・・・
『白鯨』をモチーフとした物語。極限状態での人肉を食べる行為を恥じたニカーソンが誰にも言えずトラウマを抱えていたという話で、ぐっとくるものがあった。鯨の映像もTV鑑賞ながら迫力があった。
鯨の逆襲的な
臨場感ある船乗りの話し
「白鯨」の元ネタの話し メルビィルが何十年も口を閉ざしていた たっ...
フランケンハイマーのよう・・・
飢餓との闘い??
緻密な描写が素晴らしい
アメリカ文学を代表するメルヴィルの小説「白鯨」は,今から 165 年も前に書かれたもので,私は高校の英語のテキストとして読んだのが最初であった。エイハブ船長や,一等航海士スターバック,黒人のモリ撃ち名人クイークェグ,ネイティブ・アメリカン(インディアン)のタシテゴなど個性的な乗組員が登場し,白鯨に片足を食いちぎられたエイハブ船長が復讐を果たすべく白鯨を追いつめる物語であるが,実はエイハブ船長と白鯨(モビー・ディック)との死闘が書かれているのは終盤の非常に限られた部分だけで,小説のほとんどは捕鯨と捕鯨船の描写に費やされている。
アメリカ人が捕鯨を盛んに行っていたのはクジラの皮下脂肪から取れる鯨油が目的で,肉や骨はほとんど利用せずにその場で捨てていた。ヒゲクジラのヒゲまで一切捨てることなく全身を利用していた日本の捕鯨とは目的が全く異なっている。鯨油は街灯の燃料や工業用の潤滑油等に利用されていたが,やがて石油の採掘が始まると,アメリカの捕鯨はあっという間に衰退した。鎖国をしていた幕末の日本にペリーが大統領親書を持って現れて開国を求めたのは,まさにこの小説の時代であり,捕鯨船の補給基地が欲しかったためである。捕鯨が衰退すると、黒船は全く来なくなったのであるから、この当時からアメリカは全く自分本位な国だった訳である。その体質は現在も変わっておらず、テメーらの都合で捕鯨をやめたからといって他国にもやめろと強制しているのは周知の通りである。
小説の原作者メルヴィルは,自身が捕鯨船の船員だったという経歴の持ち主で,このため,非常に詳細に当時の捕鯨や捕鯨船の様子が書けた訳だが,本作品の原作は,「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」という別の小説で,白鯨に遭遇して船を沈められた船員の最後の生き残りにメルヴィルが話を聞くという設定になっている。エイハブ船長もクイークェグもタシテゴも出て来ないこの話の方が,本家の「白鯨」より遥かに衝撃的な内容であり,映画はグロテスクな描写を巧みに避けながら,その衝撃的な話をこれでもかと見せつけるような内容で、「白鯨」を全く知らない人が見ても楽しめる内容になっている。
メルヴィルの「白鯨」でも詳細に描かれていた当時の捕鯨の様子は,この原作でも同様に詳細に描かれており,非常に興味深く見ることができた。勿論白鯨も出て来るのだが,ほぼ一方的に人間側がやられっ放しなので,「白鯨との闘い」という邦題や,やたら勇ましさを強調した TV CM にはかなり疑問を感じる。非常にリアリティのある話で,各人物も一本調子の描写でないところに好感が持てた。特に完全に悪役かと思った人物の豹変ぶりには目を見張らせられる思いがした。
原語で聞きたかったので 2D 版を見たが,映像は非常に見事で,帆船や海中のシーンの美しさと迫力は筆舌に尽くし難かった。物語の後日談をナレーションだけで済ませてしまったところだけが残念であったが,脚本はよく頑張っていたと思う。俳優陣も豪華で,メルヴィル役が「007 スカイフォール」以降でQ役を演じていた人だと気付くまで暫くかかった。他にも,船長や一頭航海士,その他のクルーにも実力者を揃えていた。メルヴィルが話を聞く相手の俳優が,ブラームスの肖像に良く似ていたのが面白かった。
音楽は見覚えのない人であったが,Hans Zimmer を彷彿とさせるような素晴らしく耳に残る曲を書いていた。特に金管楽器の使い方が見事だと思った。「ダ・ヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」の監督を務めたロン・ハワードらしく,画面の隅にまで細かな注意の行き届いた映画である。非常に面白かった。字幕はまたも林完治であった。「Star Wars フォースの覚醒」でも気になったのだが,字幕を入れるべき台詞をいくつか飛ばすのが気になった。
(映像5+脚本4+役者5+音楽5+演出5)×4= 96 点。
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