「グリーンピースの関係者たちが見たら卒倒しそうな、そんな迫力満点の映画でした」白鯨との闘い 野球十兵衛さんの映画レビュー(感想・評価)
グリーンピースの関係者たちが見たら卒倒しそうな、そんな迫力満点の映画でした
導入部は静かで退屈なシーンが多くて「ちょっと選択ミスをしたかなぁ…」と思いました。
ところが30分を過ぎたあたりから、巨大な船を操舵して嵐の海に立ち向かったり、大迫力の捕鯨のシーンが続きます。
「イヤッホーイ!エンタメバンザーイ!╰(*´︶`*)╯」ですよ!
鯨を狩って解体するシーンなんて、グリーンピースの関係者が観たら、マジ卒倒しそう。
ある意味スプラッターかも。
海棲哺乳類が好きな人は、最初の方は鑑賞を控えた方がよさそう。
そこまで酷くはないんですけれどね。
それだけじゃないんですけれどね。鯨の群れが悠々と泳いでいるシーンなんて、とても美しくて見惚れちゃいましたからね。
海と空の描写も、とても美しいの。
てか、鯨油なんてものがあったのですね。それを得るために捕鯨をしていたのですね。←無学…
ちょいと調べてみると、かつての欧米では、鯨油を取る“だけ”のために鯨を乱獲していた歴史があったそうで。
おいおい!お肉は言うに及ばず、皮まで美味しくいただいていた日本人を見習え!ですよ。
(ちなみに私の大好物は鯨の竜田揚げです。かつての学校給食バンザーイ!ですよ。)
そんな粗末かつ、酷い扱いをしておいて、今さら賢い鯨さんがどーだのこーだの偉そうな御託並べるなし!ですよ。
ついでにもう少し調べてみました。
石油や植物性油が大量に生産されるようになって、鯨油の価値が暴落してしまったために、捕鯨存続の意味がなくなってしまったなどと、記されておりました。(いつもながらwiki先生ありがとうございます)
なんとかピースの連中、母国の手前勝手な理屈の黒歴史マジひでぇ!
あっ、またいつもの悪い癖。
とっととレビューに戻りますね。
巨大な白鯨が登場してきてからは『メガシャーク』ならぬ『メガホエール』の様相を呈してきたの。
王道ド迫力海洋パニック物の本性を露わにしてきたの。めっちゃスリリングなシーンの畳みかけで。
でもね、ちょっと「えっ?」ってなったのがね、鯨さんって、あんなに執拗で獰猛な生き物だったっけ?みたいな。←なにしろ無学ですからね…
ほんっと無慈悲なのね、巨鯨さんが。
そんな巨鯨に襲われて船を失った、航海パートの主人公たちが、飲まず食わずで漂流するボートの中で極限状態に堕ちいっちゃうわけです。
メインのお話は、こちら。
最初に船員の一人が死んだ時に「船乗りは、生き延びるためには“役立つ物”を捨てたりはしない」って!
その後は恐ろしいことに、生き延びるためとはいえ、くじ引きでカニバリズムまで行われちゃうの!
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
ハズレ引いちゃうと、今度は自分が食材になっちゃうです。
( ̄□ ̄;)!!ナント!
その直接的な描写シーンはないものの、回想のお話の中で恐々と語られてるの。
内蔵を取り除いただとか、腕や足を切り離しただとか、肉を骨からそぎ落としただとか、心臓を食べただとか。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
食べた後は傷口を縫い直して海に葬ったとか。
食べた後はスタッフが丁寧に弔いました。的な?
約三ヵ月にも及ぶ漂流で、飢えと渇きで干からびて骨と皮だけのようになってしまった描写は、特殊メイクのお仕事なのかな?それともCG?いずれにせよ鬼気迫るものがありました。
特典映像を観ると、船のセットの背景にブルーバックが設置されていたので、きっとCG処理だったのでしょうね。
いっそのこと、カニバリズムの描写を映像化したスプラッタームービーに仕上げるのもよかったかもね。
でも本作は、狂言回し的ポジションの小説家が「白鯨」を書き上げるまでに至った、文学的な物語ですからね。
特典映像で制作に携わってきた人たちのインタビューでは、私の薄っすい感想じゃないところからの視点ではなかったですよ…当然。(笑)
漂流の果てに再び現れた巨鯨を、主人公が仕留めなかったのは、自らが死線をくぐりぬけてきたからこそ、命の尊さに目覚めたから?『ブレラン』のバティみたいな?
それとも同じ海で生きる者としての畏敬の念の現れだったのかな?
いずれにせよ、白鯨との闘いはそんなに大きなパートを占めていなかったので、原作小説のタイトル『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』の方がピンとくるかなぁ。
ちなみに『白鯨』は、ラストを薄ぼんやりと覚えている程度なので、おそらく小学生低学年あたりにテレビで観たと思います。
そのラストは鬼気迫る、かつ悲壮的な終わり方だったので、大変怖い映画だったと記憶しています。
機会があれば、ぜひもう一度観てみたいです。