「映像はド迫力でも話がリアルじゃない分、逆に見れたところも」カリフォルニア・ダウン スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
映像はド迫力でも話がリアルじゃない分、逆に見れたところも
もし東日本大震災を経験していなかったら、ありえねぇ~と半ば笑いながら見ていた気もしますが、震災をリアルに経験しちゃうと、さすがにここまではと思いつつも、何だかんだで蘇ってくる部分もあったりして、とりあえず他人事には思えなかったですね。
マグニチュード9以上が内陸で起こったらと言われても、震災前はどうなるかなんて想像もつきませんでしたが、東日本&熊本地震を踏まえて考えると、ある程度は想像が出来るので、これに近い状態に陥っても何ら不思議ではないなと・・・。
でも、劇中のビルの耐震性はいくらなんでも悪すぎだとは思いましたけど!
しかしさすがはハリウッド、ロスやサンフランシスコが最新のVFX映像技術でこんなドエライことになってしまうとは、ド迫力の映像にはとにかく驚かされましたが、物語はいかにもアメリカ的と言うかハリウッド的な突っ込みどころ満載のザ・ご都合主義ストーリーだったので、逆に思いのほか大惨事の映像もそれほど拒絶反応が起こることもなく、意外と冷静にエメリッヒ監督のディザスタームービーを見るような感覚で楽しめちゃったところはありましたね。
今の日本でこの話にしたら不謹慎極まりないですが、まあアメリカですから、ヒーロー物を見る感覚で楽しめる作風に仕上がっていたのは、私的には逆にOKでしたよ。
とは言え、さすがにドウェイン・ジョンソン父ちゃんの自分の家族だけ助かればいい精神は、どこか引っかかるかな。
冒頭でレスキュー隊の隊長として凄腕であることが分かるシーンが盛り込まれていたことから、きっとドウェイン・ジョンソンが孤軍奮闘してたくさんの人を救い感動させる映画なんだなと思いましたから、何度も心の中でおいおいと突っ込んでしまいましたよ。
日本では自分の家族よりも任務優先的美学があったりしますが、アメリカはそうじゃないってことなんでしょうかね・・・。
まあ離婚協議中の奥さんやムチムチ体のダダリオ娘も含めてドウェイン一家は家族愛に満ち溢れていると言うことで、とりあえず納得するしかないのでしょう。
何だかんだで家族を救う為に超人ぶり(強運ぶり)を発揮するドウェイン・ジョンソンに胸熱くなりましたしね。
ヨアン・グリフィズ演じる奥さんの今の彼氏のクズっぷりも分かり易くて良かったです!
まだ震災のトラウマは消えてないですが、まあこの映画は突っ込みどころを突っ込みつつ、これはこれとしてまずまず楽しめました。