「圧倒的なスケールで描かれる、人間の非力さと愛の強さ。」カリフォルニア・ダウン 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的なスケールで描かれる、人間の非力さと愛の強さ。
【賛否両論チェック】
賛:災害の恐ろしさが、圧倒的なスケールで描き出され、人間の無力さにただただ打ちのめされる。そんな中でも、必死で愛する者を守ろうとあがく主人公達の姿に、生きる勇気をもらえる。
否:主人公達だけが都合よく生き残っていくのは、もはやご愛嬌。混乱に乗じて車や衣類を奪ったり等、日本人の倫理観とは相容れない描写も多い。
気持ちも距離も離れてしまった家族3人が、巨大地震という未曾有の事態を前にして、必死にお互いを探しあって生き残ろうとする様子が、確かな感動を誘います。ただその反面、主人公達が生き残るために車を奪ったり、スーパーの衣類や電話機を拝借したりするシーン等もあるので、災害時の日本人の倫理観からすると、やや相容れない部分もあるかと思います。
そして、そんな家族を阻み、人々の日常を嘲笑うかのように破壊していく自然災害の恐ろしさも、圧巻のCGを駆使して見事に描かれています。人間が自然の脅威の前にいかに無力であるかを、これでもかと思い知らされます。
展開自体はかなりご都合主義で、冷静に考えると結構無理があるシーンも多いですが、大切なものを守るために奔走する人々の姿を通して、日々のありがたさや喜びを再認識出来る、そんな作品です。
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