「男だけのラブストーリー。」ジャッジ 裁かれる判事 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
男だけのラブストーリー。
「ジャッジ 裁かれる判事」見ました。
こちらはトニー・スターク大好きなので、迷わず鑑賞。公開館数が少ないので、しょうがなく若年女性向け商業施設の映画館で鑑賞。レイトショーでの鑑賞で周りはピン男性が多くてホッ。最後列のギャル3人組がとても騒がしかった。ギャルが気にいる映画とは思えないが。笑
ダウニーJr.の製作会社が初めて製作した映画ということで、彼がホントに作りたかった映画であるらしい。結論から言うと、最高に胸が熱くなった。スターク並みにチャラ男でデキ男による軽口の応酬と、厳格で大物気取りな父とのラブストーリー。この映画のタイトルが「ジャッジ」なので法廷メインだと思ってたけど、実際は男だらけの裸祭り状態。実際母親は顔も映らないし、ベラ・ファーミガの登場シーンも数える程度。話の根本は、次男と父と長男とディッカムの意地の張り合いであり、たまーにペットであるデイルとローレンを交えて息抜きをするというお話。「ジャッジ」的な法廷描写はかなり物足りないのは間違いない。しかし法廷に立つ三者の力強さが話の推進力として大きな役割を果たしている。
サッカーの世界で例えるならばバロンドールのようなもの。ダウニーJr.がC.ロナウドで、デゥバルはメッシ、真面目なソーントンはノイアーといった所。この最強トリオが1対1ならぬ1対1対1を繰り広げるのだから面白くないワケがない。
普段はクソ生意気な男たちが、大事な場面では多くを語らず。最後に小舟で父と次男が打ち上げ。次男こそ最高の弁護士だと高らかに絶叫した後は無言で召される。そしてそれを見た次男も無言だと。葬式の後に長男が次男に何かを言おうとするんだけど、言わないで無言のハグ。とてもクールにお前を恨んじゃいないぜ。最後に無言で乗り切る彼等の姿は、普段は仲良しじゃないけど深い所では繋がってたんだなという強烈なメッセージとして受け取ることが出来る。かなりクールで胸熱な男の生き様。判決直後に、父は長男と三男には愛の告白するけど次男はスルーします。ここを見たときはスルーかよ!と思ったけど、この二人は裁判を通して深く結ばれることが叶ったって事なんですよ。そうとしか考えられない。おめでとう。
父親って、基本的には誰にでも居る。自分と父との関係と照らし合わせながら見ると楽しめると思う。が、140分は長く、少し無駄なシーンも散見。
やっぱりダウニーJr.は最高です。ペッパー・ポッツだけでは事足りず、ベラ・ファーミガとその娘まで手を掛ける絶倫ぶり。「エスター」「マイレージ,マイライフ」以来少し太ったファーミガの綺麗さもアヒルくちもヤバい。太ってしまってバーソロミュー・くま並みの上半身になってエロさ100倍か。こちらも最高。肩のタトゥーは「カイジ 人生逆転ゲーム」へのオマージュであってほしい。
「アイアンマン」のイメージが強いからと不安に思う必要はない。スタークとは一味も二味も違ったチャラ男デキ男な馬鹿野郎っぷりを味わえる、非常に秀逸な男祭りです。
最後にもう一つ。是非とも、長男ティム・ロビンス、次男ダウニーJr.、三男ショーン・ペンで撮り直してほしいです。