「お洒落でちょっと小粋なスパイ映画でした」コードネーム U.N.C.L.E. スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
お洒落でちょっと小粋なスパイ映画でした
スパイ映画は特別好きと言うジャンルでもないのですが、この映画はノリが軽くてテンポも良く、とても見易い作りだったのが好印象で、単純に見ていて楽しかったスパイ映画でしたね。
イメージ的にはもっと大作感溢れるスパイ映画だと思っていたのですが、意外にもアクションは程々で思いのほか中物感たっぷり、そこでかなり好みは分かれそうですが、個人的にはこのぐらいの方がスパイ映画は見易くて良し(壮大過ぎると私の頭では若干ついて行けないところもあるので・・・)、元ネタのことはよく知りませんがリメイクでも設定を現代に置き換えずに60年代のままにしたのがレトロ感たっぷりで妙に味があって良かったですね、それでいてガイ・リッチーらしいスタイリッシュさも兼ね備えていた辺りが何気に印象深かったです。
まあスパイ映画が乱立する昨今、特別目新しいネタがあった訳でもなかったし派手さにも欠けたので、傑作の類に仲間入りするタイプのスパイ映画では無かった印象ですが、安定の面白さと言うのでしょうか、思わずシリーズ化を希望したくなってしまうような魅力は感じられた作品だったかなと思いましたよ。
そしてやっぱりスパイ映画は東西冷戦時代が一番面白かったりしますね。
そんな時代背景の中、敵対するCIAとKGBが手を組んで、核拡散を企む悪に立ち向かっていくと言うストーリー構成が、一風変わったバディ・ムービーとしても楽しめる構図になっていて、これがなかなか面白かった。
やっぱりバディ・ムービーは、いがみ合う2人が仕方なく手を組むパターンがベタでも一番面白いです。
結局新鮮味は無くても、スパイ映画としてもバディ・ムービーとしてもベタながら一番面白い題材を持ってきていたので、妙に安心感があると言うか、昔から馴染みのある題材だっただけに、何となくもっと見ていたくなる感覚に陥ったんでしょうかね。
それプラス、ガイ・リッチーのスピーディー且つお洒落な演出もセンス抜群で最高でした、時代を映したファッションや小道具、そして音楽と、どれも深く印象に残りましたね。
ヒロシのテーマソングは日本人だけ違うツボって感じでしたけど。
また小ネタと言うか、クスっと笑える数々の演出も個人的にはかなりツボでした。
CIAのソロを演じたヘンリー・カビル、KGBのイリヤを演じたアーミー・ハマーの2人も、これはホント当たり役でしたね。
見た目的にはどっちもマッチョだし、アーミー・ハマーのロシア人はどうなのかなと若干疑問なところもありはしましたが、とにかく仲は悪いけどお互いが一番の理解者的な、妙な信頼感があったりで、まあとにかく見ていて楽しい2人でした、冷静に考えるとスパイ失格な性格だとは思うのですが・・・。
ヘンリー・カビルはスーパーマンよりこっちの方が似合うなぁ。
それとヒュー・グラントは老けても相変わらず声が良かったですね、次回があるならもっと彼の活躍も見たいです、そしてヒロインのアリシア・ビカンダーはとにかく美しくて目の保養になりました、ツンデレキャラがなかなか魅力的でしたよ。
続編が作られればまた見てみたいです。