劇場公開日 2015年11月14日

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「新たなスパイ機関設立に拍手!」コードネーム U.N.C.L.E. ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0新たなスパイ機関設立に拍手!

2015年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

スパイ映画乱立の昨今、そうか!この手触りで来たか!と思わず膝を打ちたくなるくらい感心しました。
(近年の)『007』シリーズとも『ミッション:インポッシブル』シリーズとも『キングスマン』とも毛並が違う。アクション映画でありながらアクションを全面に出してはいないというか。
ガイ・リッチー監督のトリッキーな映像構成と荒唐無稽な展開で以って、その中を派手で粋なスパイ二人(ヘンリー・カヴィル&アーミー・ハマー)がぐわーっと動き回る。そこに注力し、そこで観客を見事に惹き付けるという。

まあね、うん。ドッカンドッカンな華美なアクションを期待している方には肩透かしかもしれませんけど。ただ、他のスパイアクションと全く同じことやってても仕方がないってのはあるじゃないですか。
一方的なアクションには頼らず、適宜、必要なポイントでのみ必要なだけ繰り出されるんですよ、この映画。その腕前はもうガイ・リッチーだから出来たよなぁ、と。まるで彼の長編処女作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の、あの小気味よいテンポ感を思い出したほどで。

要所要所で画面分割を多様してスクリーンに確かな躍動感を作り上げてるし、劇中にポンポン流れていく様々な楽曲もストーリーを盛り上げるのに一役買ってるし。
で、何より!舞台をオリジナルドラマの『ナポレオン・ソロ』と同じ1960年代に設定したのが泣けるじゃないですか(いや、自分オリジナルに明るくはないですが)。ここが最近のスパイ映画とは大きく違ってますよね。現代には置き換えないぜ!オリジナル成分で勝負だぜ!という選択が、この映画の特色を色濃く強めてる。特色を、色濃く。

そして、これ、もう絶対に続編やりますよね?ね?ですよね?新たなスパイ映画シリーズの幕開け、新たな諜報機関の設立、歓迎いたしますぞっっっ!!!

ロロ・トマシ