「今のこの時代こその…」コードネーム U.N.C.L.E. bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
今のこの時代こその…
1960年代に、アメリカのドラマとして、人気を博した『ナポレオン・ソロ』が、映画版として復活。オシャレなスパイ映画と仕上がっている。
主役のソロ役に、『スーパーマン』でトップ・スターの仲間入りをした、ヘンリー・カヴィルを迎え、東西冷戦時代のソ連とアメリカのスパイ・アクションが展開される。
物語は、世界大戦後のナチスの残党がマフィアと手を組み、核弾頭を手に入れる計画を察知したアメリカのCIAとソ連のKGBが手を組んで、互いにスパイを送り込み、その計画を阻止しよいとするもの。
最初は、互いに相容れない2人だったが、いくつもの窮地を乗り越えていく中で、次第に受け入れて、友情が芽生えていくという、ベタな展開。その2人の間に、核の科学者の美しい娘が絡んでいくのだが、彼女が最後に意外なキーマンとなっていく。
ソ連とアメリカのスパイが手を組むという設定は、シャワちゃんの『レッド・ブルー』を思い出した。当時の東西の状勢を背景に、その生活様式の違いを、笑いにも変えている辺りは、同様なシチュエーション。
現在の世界情勢だからこそ、本作スパイの様な、東西の和解、協力と言ったことも、必要なのだろうが、まぁ、そこは映画。なかなか,映画のようには行かないのだろう。
1960年代の時代背景に、街中の佇まい、道を走る車、当時のファッション等も忠実に再現されている辺りは見事。また、ローマやベルリンを中心にした、ヨーロッパの名所も巡る中に、『ローマの休日』へのオマージュとも思えるシーンも盛り込まれているのも、監督の遊び心がうかがわれた。