「そこに歌がのこった。」ジャージー・ボーイズ ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
そこに歌がのこった。
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どうみても傑作なので。評価が低い人がいるのが信じられない。アメリカでの評価も低いし……アメリカ人って脳筋揃いなのか?と思っていたら、2回目観て気がついた。「もしかしたら伝記映画として、これを観ている?」のかと。
これは確かに実在の人物を描いているが、伝記映画じゃない。もっと単純で「歌で引き寄せられた人々が歌以外で破局になり、それからどうなった?」を描いたもの。だからだ。単純がゆえに美しくて素晴らしく、見方をかえれば恐ろしくて残酷、だ。
ラストシーン、再開した老人のフォー・シーズンが観客に向かって心底どうでもいい独白をしたのちサッと振り返ると若き日のフォー・シーズンで歌いだす。それをみれば意図はあきらかだ。
家族との関係も冷たくなるだろう。多額の借金で苦労もするだろう。愛しい娘の死もうけるだろう。山のようなタオルに怒りもこみ上げるだろう。決して良い人生を送ったとはいえない。それでも。
それでも永遠に歌はのこる。
たったそれだけを描いただけだから。
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