「映画館で見て本当に良かった」ジャージー・ボーイズ えらさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で見て本当に良かった
まず音楽映画なので劇場で見た方が良いのは火を見るよりも明らかですよね。ましてイーストウッドですよ!あの巨匠ももう84歳でいつポックリ逝くかわかりませんし、少なからず映画好きなら行っとくべき。そういうの抜きにしても、少なくとも「見なきゃよかった」とはならないと思います。絶対的におすすめできます。取り敢えず☆は4.5ですが2回目見たら5になってると思います。
自慢じゃないですが僕はまだ成人もしてない若僧です。今まで感動して涙を流すということを知らずに生きてきて、「年取って涙腺が緩くなったらそのうち泣けるようになるだろう」ぐらいに思ってました。この映画もぶっちゃけ予告編で全て見透かしたような気になってて、そこまで期待はしていなかった。しかしまさかラストシーンで人生初の落涙、しかもボロ泣きしてしまうとはー。とにかくラスト付近、主人公フランキーのとあるセリフ、そして振り返ると…の演出にブワッときて、その後の曲でトドメを刺されエンディングでボロボロ泣いてしまった。正確に言うとエンディングでイーストウッドの名前を見た瞬間に、です。イーストウッドにマウントポジションをとられボコボコにされたようなイメージ。そりゃダーティハリーにボコボコにされたら泣くだろ。スコルピオでも泣くよ。観終わったあとは暫く立ち上がれなかったです。
フォーシーズンズは名前しか知らなかったもので、この曲この人たちのだったのか…といいのが何回かありました。とにかく彼らには(特にシェリーがヒットして以降)歌っている時以外は辛く苦々しい思い出が多かった。だからこそラストは、あの一言はどうしようもなく感動的だった。かといってそれまでの120分が見てて辛いかと言われればそんなことはない。イーストウッドがそういう出来事に対して必要以上に暗い演出をしていない(パンフレットの文章によると悪い出来事そのものでなくその前と後を描いているからだという)し、何より彼らの素晴らしい歌が全編を彩っているから見ててキツい瞬間など一瞬もなかった。曲ができるきっかけや過程は見ていて楽しい。ボブ・ゴーディオが加入する時のセッションのシーンが好き。
音楽映画ファンは特に絶対必見!!