「この上ない幸福感」ジャージー・ボーイズ ARC監督/脚本 篠原隼士さんの映画レビュー(感想・評価)
この上ない幸福感
やったぞ!映画館が満席の嵐!
チケットカウンターの少年が嬉しそうに「埋まってしまいました。」いいよ、いいよ、そういうことなら4時間待ちます。自分の編集さておいて待ちます。
待ったかいがありました。
主演は?ジョン・ロイド・ヤング!って映画初出演!?他のボブ、ニック、トミーも!?
まあ、言われてみればそうか!そうよね。本当に力があれば「初」なんてどーでもいい!歌声がいい!シェリーを聞いたとき、うわー!!!なんじゃこりゃー!という衝撃が襲い掛かります。力があるということは次第に人格をも変化させる。金と女。永遠のテーマ。どーして男はこーなるのか。だけどそこを下衆にしない。これが男!劇中に何度も出てくる「友人」を信じて音楽にのめり込んで、女と寝て、金儲け。まあ人間くさくて絶対に「友人」を貫き通すこの義理と人情に溢れた作品はやはりあなたなのね!イーストウッド!あなたの登場はなくてもやっぱり滲みでてる。香りがプンプンする。いいよ!あの車のシーン。いいよ!あの街並み。酒とタバコ。エンジェルの衣装。ボブの童貞卒業!素晴らしいよ!あんな世界の中で生まれたメロディと歌声をしっかり聞かせてくれて、あくまでこれは物語なのです。ということを明確にする本人のナレーション。知らなった「君の瞳に恋してる」があのタイミングで生まれるのか。這いつくばった歌詞とメロディ。再びあつまるフォーシーズンズ。そこでの再開には「友情」と「音楽」と「男」。クリストファー・ウォーケンのお陰で落ち着きと男のカッコ良さは十分。完璧なラストに思わず拍手!ともかく今年ナンバーワンの幸福感を味わえる。