「【”心象風景の落とし穴。二転三転するストーリー展開に惑わされるな!”ジャウム・コレット=セラが関わった映画に外れなしの法則は続くスタイリッシュ且つ上質な推理小説を読んだかの如き余韻を感じられる作品。】」記憶探偵と鍵のかかった少女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”心象風景の落とし穴。二転三転するストーリー展開に惑わされるな!”ジャウム・コレット=セラが関わった映画に外れなしの法則は続くスタイリッシュ且つ上質な推理小説を読んだかの如き余韻を感じられる作品。】
■他人の記憶に侵入し事件を解決に導く“記憶探偵”ジョン・ワシントン(マーク・ストロング)は、食を拒んでいる16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)の記憶を探る依頼を受ける。
しかし、”ジョン・ワシントンが見た”彼女の記憶は想像を絶する衝撃的な出来事で埋め尽くされていた。
ジョンはアナの記憶の真偽を探ろうとするが、いつの間にか落とし穴に嵌っていた・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・まずは、“記憶探偵”ジョン・ワシントンが妻の自死(水死)により、ブランクがあった中、久しぶりに記憶探偵として手掛けた事件と言うのが、<ポイントその1>である。
・そして、ベラ・ファーミガの年の離れた妹であるタイッサ・ファーミガ演じるアナの”無垢なる美貌”と”つぶらな瞳”が<ポイントその2>である。
彼女の表情からは、悪意が感じられないが、“或る強い意志”を感じ取れるかどうかが、勝負である。
名探偵、ファイロヴァンス並みの推理力も必要である。何しろ、最序盤から伏線はバリバリに張ってあるのだから・・。
・“記憶探偵”ジョン・ワシントンが、アナの手を取り記憶を探って行くシーンもこの物語に面白みと鑑賞側をミスリードさせる謎を与えている。
【真なる記憶探偵は誰であったか!】
・アナは、母親と義理の父に豪邸に軟禁されている。彼女がそんな状態の中、”何を求めていたのか?”が、<ポイントその3>である。
・そして、アナはキチンと“記憶探偵”ジョン・ワシントンに、傷ついた心を癒す新しい出会いと、人生まで与えて上げるのである。
<アナは、序盤に母親から説明があるが、非常に聡明である。且つ、人間的にも残虐性はない。では、アナは如何に“或る強い意志”を持って【自由】を得ようとしたか。
今作はイロイロな解釈が出来ると思うが、私は一級のサスペンスミステリーであると思う。上質な推理小説を読んだ如き、余韻を感じられる作品でもある。>