「裏返し、いや更にそれの裏返しな愛情。」リスボンに誘われて さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
裏返し、いや更にそれの裏返しな愛情。
人間の使命感なんてもんは結局のところ、醜い嫉妬心の前で小事になるんです。
嫉妬って、悪意を伴った羨望だって誰かいってましたけど。裏返し、いや更にそれの裏返しな愛情を抱えて生きる人達って、大変ですね。ストレートな私は、理解はできますが、感情移入できない作品でした。でもサスペンス仕立て&愛憎&純愛&悲劇&レボリューション&自分探しな着地点。面白かったです。
橋の上で、自殺しようとしてた女性を助けた高校教師ライムント(ジェレミー・アイアンズ)。でも女性は、コートを残して姿を消します。
そのコートにはポルトガル語の本と、汽車の夜間キップ。ライムントはその本「アマデウ・デ・プラド著"言葉の金細工師"」に感銘を受ける。今まで自分が考えて来たことが書かれている!と、作者を探す旅に出ます。本に挟んであった、キップを使ってですよ!学校は無断欠勤です。
私も坂口安吾の「青鬼の褌を洗う女」を読んだ時、私じゃん!と思ったので、ライムントを否定しません。が、授業をほったらかして消えた女を追うメンタリティは、理解できませんでした。
ライムントは作者を探す内に、サラザールによる独裁へ立ち向かうアマデウのレジスタンス活動、美しい恋人ステファニア(メラニー・ロラン)との愛、そして二人を取り巻く愛憎を知る。
そしてライムントは人生と対峙する。
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