ゴーン・ガールのレビュー・感想・評価
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ストーリー、役づくりともに見応えのある作品
サイコな妻による自作自演の失踪と殺人という設定が素晴らしい。さらにその失踪の謎が分かってからが面白い2段構えの構成になっている。二転三転する展開に落とし込まれていく感覚の演出。
ロザムンド・パイクがサイコな妻を見事に演じている。
よくできている話。ラストを知りたいと最後まで目を離させない。
最後まで一気にダレることが無く、見ることができた。サスペンスものとして全体がまとまっており、ラストのショットと夫の煩悶が魔性の女の不気味さとこれからの苦悩を予感させ、とても良くできている(見直すと、完全に忘れていたが、物語開始で同じショットを見せている)。
良くできているが、ラストは私が求めている夫のハッピーエンドと妻への制裁のエンドでは無かったため、心につっかかりが残るものであった。しかしそれは監督の色である。ドラゴンタトゥーの女のラストはリスベットにとって報われないラストだったし、ゾディアックではラストは無く犯人が定まらない現実に帰るだけだった。だから、私が求めているラストでは無かったのは監督の表現の帰結がそういう性格をしているからというだけではある。
ゴーン・ガールというタイトルはミスリードを誘っている。タイトルの件だが、ゴーン・ガールは事実ではある(一人の女が行方不明になった)が、その行方不明は偽装されたものであるという意味でミスリードであるということだ。それを踏まえたわけでは無いが、ネタバレ含んだ実際にあるべきタイトルは「サイコパス・ガール」であろう。
途中から妻エイミーの奇妙さが過去の回想を小出しにめくることで見せていく、それと同時に夫ニックの絶体絶命な状況からなんとか起死回生をとあがくリアルを見せていく、その2つの時間軸が絡み合うことで互いにもう片側の軸の展開を見せてほしいと思わせることに成功しており、素晴らしい作りだ。
言い残したこととしては、この作品を見終わって、日本のヤンデレ文化からインスパイアを受けたのかな?と疑問に思った(根拠は無い。調査もしてない)。
後味の悪いホラー映画だ(後味の良いホラー映画はあまりないが)
怖い映画です。妻がストーカーを殺してから、血だらけになって自宅に帰るシーンはホラー映画そのもの。怖い女と言うと、「危険な情事」を思い出すが、こちらはもっと怖いかも。「危険な情事」は女が死んで一件落着となったが、こちらは怖い女と生活し続けるのだから。
妻が帰宅したことにより、夫が殺人してないことが証明されたわけだが、逆に、妻の狂言、偽装と言うことになったわけで、夫を殺人者にしようとした妻の罪が問われないのは甚だ疑問である。デビッド・フィンチャー監督作品としては、「セブン」の次ぐらいに後味の悪い映画だった。
面白かった
って、レビュー書いたはずなのだが。消えた?
とりあえず、高評価。
そして、レビューを書くために再視聴。(笑)
やっぱり面白いんだよね。
面白いという表現しか出来ない自分が悲しいけど。
最初から最後まで一気に観たくなる。
しかし、あんなにラブラブだった夫婦。
5年くらいでこんなに壊れてしまうものなのか。
というか、どっちが先なんだろうか、と。
旦那の浮気が原因?サイコな奥さんが原因?
エイミーの被害者?は他にもいたようなので、そもそもエイミーに原因があったようにも思うけど。ベンが好きというのを差し引いても(笑)
近所のお母さん達をバカ呼ばわりしながら利用するエイミーにも心底嫌悪感。
あの周到な準備をするエイミー。見ていて怖くなるし、とっちめたくなるが、しれっと(血まみれだけど)帰ってきたエイミーを責めもせず何事もなかったかのように迎える旦那。
エイミーの異常さはわかったはずなのに、それでも離れられないのはなぜなんだろうね。
やはりフィンチャーさん、さすがだわ。
旦那が殺したと決めつけた警察。あのデジーについても、あれだけ周到にやられたら、正当防衛となってしまうだろうし。
怖い怖いサイコパス、女ってやつは。(笑)
あと1時間以上あるけど‥
男を自分の望むように仕立て上げ、支配下に置きたいサイコパス女。
教養も無いのに、高目の女にうっかり手を出しちゃた女の扱いだけは上手いケツアゴ下衆男。
デヴィッド・フィンチャーって事でハードル上がってたのか、最終的に、「で?」って感じ。
もっと恐ろしい女いるもんね、多分。
構成的にエイミーが血塗れで戻って来て、最後の夫婦のインタビュー、からの、
ネタバラしの方が、ミステリー風だった気がするな。
ニック側が「エイミーを探せ」って状況で、観てるコチラは訳分からんまま、血塗れで戻ってくるんですよ。
その方が、「何なに?どういう状況⁉︎」って興味湧きますよね⁉︎
実際、途中でエイミーパートになった時、
「あれ?、もうネタバラし?あと1時間以上あるけど」
と思ってしまったんですよね。
エイミーが軌道修正して、ニックを蜘蛛の糸で絡めとるラストは衝撃的でも無いしなー。
そんな感じ。
ドキドキも、ニヤニヤもあり単なる怖い話ではないのだ
タイトルがカッコよく、前から気になっていた。予備知識なくみたのだが、意外な展開続きで、え?え?そうなの?という少しずつ真実が見えてくるにつれ驚きとドキドキがあり、ベンアフレックやロザムンドパイクや刑事さん弁護士さんやらの演技、表情、振る舞いがいちいち素晴らしく、恐怖とコメディ、ブラックユーモアの間を行ったり来たりな感じがニヤニヤで楽しめた。ロザムンドパイクは、private warのジャーナリストだったのか。彼女のサイコパス的な表情、タダでは拝めないような(実際微笑みかけられ気になり気に入り気に入られた後の地獄)笑顔がこの映画を成功作品にしていると思う。
双子の兄妹の関係性も気になるところ。
家族の期待、絆と思って引きづられ自立できない関係性、、ロザムンドパイク役のすごい女子はサイコパスかもしれないが毒親とまでは言わないが親から自立できない子ども大人で自分の存在感を証明するために他人からの強い承認が必要だったり利用していたのだと思うし、双子の関係も互いを自己投影する、まあ、ゆがんだ親子関係と似たようなものか、と。
ホワイトリバーで被害者となる女子高校生の父親が、なぜ遊びに行くのを止めなかったか?と問われ、もう17歳だと答えるそこに後悔がなかったシーンが衝撃的で忘れられないのだが、居留地で貧しく暮らす家族、親子は自立して生きていくしかないのだから17歳の少女は一人前の一人の人間としての承認を得ており自分もそれを自覚して生きていくしかない。裕福な都会の、教養も学歴もお金もあるなに不自由ない方々はそれゆえに無用の過剰の承認がなければ満足も前進もできないのか。
日本と比して家族の在り方が異なりアメリカではわりと一般的な親子関係の中での自立独立性があると思うが、この映画では、ベン・アフレックの愛人学生20歳超とか、ロザムンドパイクとか、親のしゃしゃり出てる感じがなんとなく、計算高く欺瞞で、メディアや弁護士警察の世論、心象誘導などと絡めなかなか面白いと思いました。
結婚記念日に妻の失踪を知り、行方を探すストーリー。 単純にそういう...
結婚記念日に妻の失踪を知り、行方を探すストーリー。
単純にそういう内容だと思ってみたら想像よりも遥かにボリュームあった。
どんどん展開が変わっていくので見応えがあったが最後のオチは全然想像がつかなくて面白かった!
元彼が1番かわいそう、、と思ったのと臨機応変に?計画変更できるエミリー凄すぎる、、
最後のオチはゾッとしたし縛られる旦那も不憫でかわいそう、、
アメイジングな脳みそ
オチはどうなるのかと思っていたら、このモンスターと暮らすという生き地獄、、ゾッとしました。
しかも、子供という人質付きに、、
いつも強気な主人公の妹の涙がこの先の絶望を物語っていました。
アメイジングエイミーと共に育ちアメイジングエイミーコンプレックスに陥った彼女が可哀想に思えました。
本来の彼女を見失ってしまった、まさにゴーン・ガールなんですかね。
命をかけて名声と復讐を同時に成し遂げようとする用意周到なサイコパスっぷり、、
弁護士まで仕込まれてたら、主人公終わってましたね、、
主人公もなかなかのクズでしたね〜
この自作自演の事件をきっかけに(とばっちりで死人出ちゃいましたが)この夫婦がようやく本音で話せるようになったのが実はハッピーみたいな不気味な感じもまたゾクッとしました。
子供はサイコ感なく育ってほしいと願うばかりです。
妹は幸せになってほしいなと思いました。
2時間半、見入ってしまいました。
展開が読めてしまったので星少なめですが作品は面白かったです!
しかし、妻目線で観ると全く違う映画になるから凄い。
鬼才フィンチャーの才気爆発💥 一番怖いのは旦那にこんな映画を作らせるシーン・チャフィンだよ…😨
結婚記念日に失踪した妻エイミーと、彼女を殺害したという容疑を受けた夫ニック。彼らに何が起きたのか、その事件の真相に迫るサイコ・ミステリー&ブラック・コメディ。
監督は『セブン』『ベンジャミン・バトン』の、エミー賞監督デヴィッド・フィンチャー。
主人公ニックを演じるのは『グッド・ウィル・ハンティング』『アルマゲドン』の、オスカー監督としても知られるベン・アフレック。
ニックの妻エイミーを演じたのは『アウトロー』『ワールズ・エンド』のロザムンド・パイク。
第20回 放送映画批評家協会賞において、脚色賞を受賞!
やってくれたぜデヴィッド・フィンチャー!
誰も観たことがないような、とんでもないサイコ・コメディここに爆誕!
よくミステリー映画を観た時に「途中でオチが読めたわー、オレ😏✨」みたいな感想を言うつまんねぇ輩がいますが、この映画の展開を予想できるヤツは果たしているのか!?
綺麗な3幕構成に分かれているのが本作の特徴。
第1幕では妻エイミーの失踪、何か秘密を抱えた夫ニック、そしてエイミーの日記から明らかになっていく2人の秘密が描かれていく。
この段階ではまぁよくあるミステリー映画。
デヴィッド・フィンチャーらしいクールな映像と緊張感溢れる展開が続くが、正直さほど特別なものは感じない。
「あ、いつものカッコ良いopないのかよ〜⤵︎」と思ってちょっとテンション・ダウン。
正直最初の1時間はちょいと退屈する。
エイミーが日記をつけている場面がフラッシュ・バックで挿入され、その内容から徐々にニックの人間性がわかっていく。
始めは出会った時、次はプロポーズ、そして結婚2年目、3年目…。
始めはラブラブだった2人だが、年が経つにつれどんどんとすれ違いを起こし、ついにはDVにまでつながってゆく。
「なる程、ニックとエイミーの夫婦関係は終わっていたんだ。とはいえ、このままニックが犯人はありきたりすぎるし、何かどんでん返しが用意されているんでしょ🤨」
と思っていたら、開始1時間辺りで第2幕開始!
ここからのエクストリームな展開には度肝を抜かれた!
あれよあれよといううちにとんでもないことになっていくニックの状況。サイコパスの本性を明らかにするエイミー。
クズのニックとイカれたエイミーのマウントの取り合いという、どうかしているとしか思えない展開が続き、これまでのミステリー的なジャンルから一転、ブラック・コメディの様相を呈していきます。
第1幕で提示されていた情報や何気ない描写が、全てこの第2幕でひっくり返されるという周到すぎる脚本には舌を巻くしかない。
何より素晴らしいのはエイミーを演じたロザムンド・パイクの演技!
これでオスカー取れなかったってマジ!?
誰が見てもアメイジングだと思う女性を演じたかと思えば、普通のおばさんのようなラフな姿も見せてくれる。そして狂気のモンスターとしてのサイコパス演技もパーフェクト💯
本当に同じ女優さんが演じているのか疑いたくなるほどの百面相ぶりでした!
特に、記者会見を開いたニックをテレビで観ている時のエイミーの表情は格別!
自分の理想である男性像を見つめるエイミーのあのマンガのような釘付けフェイスに爆笑🤣
コメディエンヌとしてのロザムンド・パイクの才能を見せつけられた。
前作『ドラゴン・タトゥーの女』ではルーニー・マーラの魅力を引き出していたし、フィンチャー監督の女優発掘能力って凄い!
第3幕ではニックとエイミーの再会が描かれる。
ここまで気味の悪い夫婦の再会がこれまで存在したのだろうか…。
結婚は地獄だ、と揶揄されることがありますが、ここまで結婚の暗黒面を追求するとは。
「映画を観終わった観客の心に重たいものを残したい」というのがフィンチャー監督の信条らしいですが、本作では大成功してるよっ!
「ぐぇー🤮」というクライマックスにも拘らず、何故か鑑賞後の後味が爽やかなのが不思議。
残酷描写にしろ心理的に追い詰める描写にしろ、すごく思い切りが良くて爽快感すら覚えるのはフィンチャーの美点ですね。
重たいけれど爽やか、矛盾しているような2つのテイストを同時に実現しているという驚異的な手際には感服するしかない。
夫婦やカップルで観るととんでもないトラブルを起こしかねない危険な映画。
全ての旦那さんへ送る鎮魂歌。そして全ての奥さんへ送る応援歌。
ヒヤッとしたい時にも、大笑いしたい時にもオススメな傑作です!
…こんな作品を実の夫に作らせるシーン・チャフィンって一体何者…?
フィンチャー監督の家庭での立ち位置が非常に気になる一本でした。
人はみんなゲスなのか
「セブン」以来、フィンチャーの作品に魅了され、出来るだけ彼の映画は観てきたつもり。暗い雰囲気の中、理不尽やら不条理やらの話で救いのない作品が多いイメージだった。本作も公開当時、前評判が高く、ずっと観たかった映画で、ようやくCSで観ることができた。
感想を先に言うと(わたしの期待値が高かったのか)期待外れだった。
他人の人生は所詮ワイドショー。人の不幸は蜜の味。人のえげつない深層心理をここまで具現化されてしまうと、途中途中観るんじゃなかったと思わせる、それがフィンチャーの映画だとわたしは理解しているのだけれども。
それにしてもエイミーの心情を理解しようとすればするほど、なんでそこまでするの、って思ってしまう。で、それだからって女って怖い、なんて思いませんよ。
自己愛強すぎて悲劇のヒロイン病だったとしても、逃げ続けて何がしたかったんだろう。ニックを悪者にして世間の同情を買いたかったの?途中でお金奪われなかったらどうしてたんだろう。逃走中、状況が変わっていくわけだから、当初の予定、目的も当然変わっていくわけだよね。まさか本当に自殺してニックを犯罪者に仕立てようとしてたんかな。
自分が何かを見逃しているのか、正しく理解、解釈していないのか、エイミーの考えは解せないことが多かったです。
原作もあるそうで、読んでいれば当然理解度も違ってくるのでしょうが、もう一度観たいかと訊かれたら、もう結構です、と答えます。
もっとやるせないくらい不条理かつ理不尽なテーマを期待していたのですが、これじゃなんだかワイドショーの拡大版2時間再現ドラマを見た気分だよ。
まあそれがフィンチャー監督の狙いなんだとしたら、してやられたって感じで益々ファンになりますね。
そんなに熱狂するほど?
エンターテイメント作品としては楽しめるし、最後まで飽きさせず鑑賞できる。
しかしとくべつ目新しい要素もない、既視感のあるストーリーだ。
妻が失踪し、夫に疑いの目がかけられる。私も前半はずっと夫をあやしいと思って鑑賞していた。
しかし結局は、妻の自作自演だった。それだけ。
妻は美しくて、善良そうで、その実、悪い女だった。
美しい金髪女性が実は冷酷な女だったというのもステレオタイプすぎないか。
しかもこの映画では、中盤ですべてが種明かしされてしまうので、そこで鑑賞者の犯人捜しへの興味はなくなる。後半は何が起きていたかなぞっていくだけだ。
確かに、尺の長さを感じさせない展開で映画もよくできているが、見終わって作品としての余韻とか衝撃とかメッセージのようなものが何も残らなかった。
ホラー
エイミーがサイコ過ぎて、ついていけない。
ダメダメな主人公なんだけどなんか応援してる。
ベン・アフレックに母性本能がくすぐられる💦💦💦
エイミーは被害者なんだけど、自業自得に感じる。
復讐考える前に色々やるべき事あるよね😅
本当に怖いのは、誰?
これは、凄い文学作品というのでしょうか。源氏物語、と重ねてしまった。人間、親子、そして男と女のサガが描かれております...
ベン・アフレック演じる夫が、光源氏とは持ち味違いますが、ややモテ男。で、勝手、無自覚に。そして思い切りマザコン。精神的に幼く、大人になりきれていない。辛いと妻、母、妹、教え子など、ことごとく女性に頼ります、最後は無責任、他責、そしてどれもに罪悪感がありません。普通の男、のふりしてこういう男性が諸悪の根源(言い過ぎ?ごめんなさい)だったりします。そして、あくまで無自覚だから、直らない。こういうのが一番罪深い...残念ながら深く思考できないので、自分はちっとも悪くないと思っている。冷たく怖ーい、不機嫌な妻が、全部悪い。若い教え子と深い仲になったのも、妻のせい。甘えさせてくれよー、と心の声が聞こえます。世の中、多分こういう人、たくさんいますね。そんで最後は、あーあ自分は恐妻から逃げそびれた、でも、ま、しょうがないか。子供生まれるし。オレ、そういうの責任とる男だし、ふふん。そういう普通の人です。
そして世間の目。やっぱり軽薄です。映画は思い切りそれを風刺してます。
妻は小さい頃から、作家をしてる母親の「人形」としてよくできた娘、アメイジング・ガールとして生きることを世間からも押し付けられてきました。そんでもって本が売れなくなると、娘名義にしてた投信とかを返してねとか言っちゃう親。まあ元は親のオカネなので、娘である妻は断れない。でも、この夫は、所詮そういう辛さとか少しも理解できないのです。上っ面で楽しく生きているから。あまり難しいこと考えない。無くなる妻のオカネのことが真先に気になる。でも、妻がそうしたいなら、まいっか。ごく普通の人です。
悪意はない、でも。誰も彼女のことを、心から心配したり愛してる人、いない。
この妻は普通ではない。アメイジングな女性、という役割を背負わされ生きてきてるし、実際感性も鋭い。クールだし、格下夫の浅さもわかっている。夫は妻の持ってる美貌と名声と富に逆玉して美味しい思いをしてます。何より、アメイジングな女性ですから、それをゲットした男として何か格上昇みたいな勘違いも、してる?それさえ無自覚...なんせ深く考えないから。
ライターとしては二人とも鳴かず飛ばず、そして夫は自分の母親が病気になると、さっさとニューヨーク捨てて地元に帰る。妻に一言も相談せずに。決めちゃう。結局、稼ぐ道がないから、妻がなけなしの余った預金でバーを買い、夫とその義妹が店をやっています。恩着せがましくいったりもしない。そういう品格の無いことはしません。でもこの夫と妹、彼女に感謝の「か」の字も無い。それどころか陰でディスる。みんな、このアメイジングな彼女を、使えるだけ使い、利用しまくっています。
ある意味当然とも言えるのですが、遂には、人を信じない、モンスターのような「もう完全いっちゃったジョシ」の一丁上がり。
当然彼女は復讐も兼ねて死ぬことも考えましたが、きっと最後、アホらしくなりましたね。なんで私が死ななきゃいけない?あんなアホ達のために?って。私だって利用しまくって、人の心なんか踏みにじって、生き抜いてやる。あなた達とおんなじ。何が悪いの?そんな妻の心の声、私には聞こえました。
この妻が、源氏物語に登場する女達を知っていたら。いっそ出家したらよかったね、心の中で。夫からの精神的自立。親からも。でも、そのためには経済的自立も不可欠で。時代が変わったからといって、生まれや社会的地位、仕事、恋愛、結婚などに人は翻弄され、苦しさの極地に至りますね。それは女だけじゃなく、男も。依存する、何かに。
鈍い人はそういうことを感じず、あまり深く考えませんから、この映画の夫ですが、こういう人のほうが、ほんと怖い。テキトーに流されつつ、場当たり的にうまく逃げて自己保身は欠かさず、本音は出さず、嫌われない程度の自分を演じている。結果、世の中は不信と不感と無責任だらけに...怖い、怖い、怖い。でも現世そのものです。うーん、考えさせられました。
完璧なエイミー
今まで付き合ってきた男は自分が支配しないといられない性格のエイミー。親がシリーズものとして書いてきた"完璧なエイミー゛として地元でも人気がある知的な女性だった。中盤からは逃亡中のエイミーもほぼ同時に描かれていて、彼女の悪女ぶりを発揮。いろんな仕掛けによってニックが巧妙に妻殺害犯であるかのように導かれていくのだ!
偶然泊まっていた貸コテージの隣人によって金を取られ、仕方がないので高校時代に付き合っていた男の元へとかけこんだのだ。しかし、彼もストーカーのように扱われるほど変質者のような性格。一緒にテレビを見ていると、人気トーク番組でニックが謝っている姿に心が揺れ動いて、元カレは正当防衛に見せかけ惨殺して、夫の元へと命からがら逃げてきた妻を演じる。そして何もなかったのように平然と仮面夫婦のように暮らすラストが怖い・・・
いかにもフィンチャー監督の映画
デビット・フィンチャー監督作品は「ファイトクラブ」「セブン」を観ていて、今作が3本目です。
過去2作も「何か暗いものが残る終わり方」だったように、今作もまた、嫌なエンディングを迎えます。決してバッドエンドではないけど、ハッピーエンドとは到底言えない。非常に説明の難しいエンディングです。ネタバレになるので多くは語れません。
結婚記念日に忽然と失踪した妻(エイミー)を探す男(ニック)。警察に通報して捜査が始まると、失踪どころか殺人事件の可能性が出て来たり、ニックが殺人犯として疑われたり、マスコミに過剰な報道をされたりしてどんどんニックが追い詰められていきます。消えた妻はどこへ行ったのか。事件の真相は……?
というのが本作の『前半の』ストーリーです。実は映画の中盤くらいで事件の真相がほぼ明かされてしまいます。一本の映画を作れるだけのストーリーを前半に凝縮し、後半では真相を知った後のニックの行動、失踪していたエイミーは何をしていたのかというストーリーが進みます。後半が本作のメインと言えると私は感じました。
前半と後半で全く違う雰囲気のストーリーが進み、まるで2本の映画を合わせたような濃密なストーリーとなっています。
上映時間2時間半あるので、観る前は「長いなぁ」と感じていましたが、これだけボリュームのあるストーリーを盛り込んでるのであれば長いのも納得です。
長いけど観れます
エイミーの、潜伏中とその他の時の変貌ぶりが凄い。
あのままおばさんでいて、ストーカー男をうまく操れば良かったのに、殺してでもダンの元に戻りたくなっちゃったら実行するのがエイミー。
少し前までは自殺するつもりだったのにね、、
あのまま幸せ夫婦を演じて退屈なミズーリ州でウザい隣人と仲良しのフリして生活できるとは思えないけど。
弁護士の、彼女を怒らすなよ、って言葉が今後のダンの一生を暗示してるよね。
「何を考えてる、どう感じている?」
「結婚すれば自由が少なくなる」と言われますがそれを少し大袈裟に描いたブラックコメディなのかなと思いました。
僕らも例外ではなく。この妻はかなりのクセものですけど笑。
また、世間の人々は最初は夫に嫌悪を抱き、中盤では夫に同情し、終盤はめでたしめでたしみたいな感じでしたが、これは状況によってコロッと性格を変えるメディアと人間の怖さを表していると思います。観賞していた僕もその1人でしたし。
医務室で妻が警察からのインタビューを終えた後に微笑むんですが、ホラーでしかないですね笑。刑事さんと妹さんは同じ女性として、すぐ見抜いていたんでしょうか。
最恐の女
美人な奥さんが突然失踪するというミステリー。
夫婦仲が悪かったのだろうというのはすぐにわかるけど、本当に犯人は夫のニック??すると今度は視点が妻のエイミーに切り替わり、とんでもない真実が明らかに。ハーバード出る程の秀才がサイコパスとは恐ろしすぎます。特に元彼の殺し方が酷すぎる。計画的な作戦に加え、不測の事態が起きても自分を可哀想な被害者に仕立て上げる頭脳と行動力には脱力です。絶対に関わりたくないな。
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