ゴーン・ガールのレビュー・感想・評価
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男はつらいよ アフレック心の旅路
「ゴーンガール」鑑賞しました。原作未見。
まずカット数の多さにビックリ。ポンポンとシーンが変わる様は、ミステリー要素を加速させる大きな役割を果たしている。
あとはアフレックの”ヤらせ笑顔”の破壊力。その破壊力たるや滑稽の域。全体的にアフレックの演技は素晴らしいが、大根じゃないアフレックを見たのは初めてだったので少し驚いた。広場みたいな所で会見をし終えて小走りでパトカーに乗り込むシーン。その走り姿なんかも気持ち悪いし、これが監督の演技演出であるなら最高。素の走り方なら引きます。
全体的に役者の容姿がいいです。顔。
妻が斬首後に逃げ出し、病室みたいなトコで記者に囲まれ質疑応答の場面。妻VS女警官の騙し合いというか、躱し合い。痺れた。斬首されたロリコンみたいな金持ちもキモくてよかった。バトルシップのテイラーキッチュの兄貴みたいなヤツね。良かった〜。
映画の尺は長めだが、種明かしが意外と早めに訪れる。それがこの映画の肝で、そっから繰り広げられる妻VS夫のバトル。妻の頭を壁にドカン。壁ドカ。そして勝負が決した時の絶望。最初はこの”ゲーム”を理解出来ずに過ごした序盤、妻からの勝負を受ける形で進む中盤。最後の最後まで妻のジャブを受け続け、TKOといった所か。種明かしから負けるまでを延々と見せる、そこまで見せるかフィンチャーと絶叫してしまった今冬。サプライズ。
素晴らしいですよ、全部。
娯楽作ではないからもう一度見たいとはあまり思わないが、1800円でこの体験は安い買い物であるのは間違いない。
気分は悪いがなんかものすごい
冷静に、抜かりなく、臨機応変に、人間の心の動きを巧みに利用し、合法的に復讐しながら自らの信者を得る…。
頭切れる人が狂気をむき出しにすると、こうも怖くなるものか。
そしてマスコミの報道ひとつで右へ左へいとも簡単に流されてしまう群衆心理。これも怖いです。
あまたの人間を騙しまくったロザムンド・パイクはもちろん、言い逃れしきれないミスを犯したパッとしない夫を、パッとしない風の演技で演じきったベン・アフレックをはじめ、下品さ炸裂のTV番組のホスト、凄惨な殺され方した哀れなドギーハウザーといい、役者陣がよかったです。
あとNINの音楽も。
鑑賞後はだいぶ気分が悪いけど、なんかすごい作品。観てよかった。
女の性と狂気と現実
エイミーは魅力的で良き妻、良き娘であろうと努力をしてきたが、旦那であるニックは、そこにあぐらをかいて、彼女が築き上げてきた全てをぶち壊し、結果的に妻の怨みを買い、徹底的に復讐されるという、ある意味、女性には爽快なストーリー。
過激さを短時間で視聴者に伝えるためか、エイミーはサイコであるかのような描写がなされるが、
ごく普通の女性心理、もしくは人間心理の中にある、切迫した狂気を視覚化しているだけのように感じられる。
結婚や愛とは、私とは、何か?
について、リアルな現実世界にいながら、第三者目線から改めて考えさせられる映画。
視聴された方、皆様に問いたい。
最終的にエイミーが守りたかったのは、
一体『何』なのでしょう?
恐るべし女・・・
仲のいい夫婦に突然 訪れる悲劇!
妻が失踪!そして夫が犯人にされ・・・
なんて言う ストーリーだと思って観にいったら
なんと とんでもない女の話
それも 仲がいいどころか壊れかけている いえ
すでに壊れてしまった夫婦の話・・・
恐ろしや 恐ろしや
あそこまで する 女をみると かえって 天晴とも
思ってしまう
それと 世の中の出来事なんてどこまでが本とで嘘かなんて
この映画を観るとわからなくなってしまいます
受け入れること
コーエン作品で顕著なようにドラマが悲愴さを帯びるほど滑稽さが浮かび上がってくるものだ。それは作り手が意図したものでもあるし、登場人物が必死であれば尚更おかしみが増す。
まあベンにグミをぶつけるシーンなどは完全に笑わせようとしてるし、ロザムンドが一文無しになるくだりもそう。そういうニュアンスが無いと作品は深まらないし、この作品の場合は結婚をテーマにしてシニカルでありながらも肯定しようとしているのだからあまり暗くならないようにしたのだろう。
結果として興収に繋がっているようだし、フィンチャーも職人性が高まったんだなあと思わせる出来だった。
あの血まみれのまま帰宅する違和感だらけの描写も全てはシャワーシーンのため。エイミーが血を洗い流しながら「結婚」について語るシーンは凄かった。
「Gone」から「Home」。続編も噂されているがそれならタイトルは「Home Girl」か。その方がサスペンス。
型破りの傑作
映画を見ている最中、語り口がありふれた物語と全く違い、どう着地するか全くわからない。そんな「ただの映画」を超えた特別な体験を自分がしているという事を感じさせてくれる作品が時にある。「ゴーン・ガール」も確実にその一本だ。
物語自体が「よくあるサイコ・サスペンス」という予想を超えてくるという時点で十分すばらしいのに、それだけでなくこの物語自体が「どうやって結婚を上手く続けるか」のメタファーになってるという二重性が見事。
それに加えて監督デビッド・フィンチャーの成熟した演出力が圧巻。最早過去作のようにCGを多用したギミック的な演出など全くなく、オープニングタイトルで派手に観客をアジるような事もしない。
必要な情報を美しい絵でじっくり見せ、テンポの良い編集でぐいぐい物語を引っ張っていく。つまり正攻法で「巧い」。
単なるシリアスな物語にするのでなく、ブラックコメディにした事も前半の「シリアスなサスペンスドラマ」という印象から次の展開での意外性が増し、更に物語が面白くなっている。
「ソーシャルネットワーク」のように、フィンチャーの作品では人間同士のディスコミュニケーションが描かれる事が多いが、この「他人を理解する事の不可能性」が見事に作品テーマに繋がっている。
つまり、相手の事がわからないからこそ、理解する努力を怠らず、相手を簡単に型にはめるなということ。決して結婚自体を否定している映画ではなく、夫婦の関係性に言及した「アイズワイドシャット」に似たテーマの映画だと思う。
この映画、恐らくは女性の方が見ていて復讐劇としての爽快感というか、「ざまあ見ろ」というカタルシスがあるのではないだろうか。
なぜなら映画においても現実においても、女性の方が理想の「型」を押し付けられやすい(まあ積極的にそれを演じてる人もいるけどね)立場にあるのだから。その点では前作の「ドラゴンタトゥーの女」とも共通したテーマがあると思う。
期待せずに見たら面白かった
全く前情報なく見たら、面白かった。目を覆った箇所はあったけど、ストーリーもなるほどなぁと思う流れで。カップルで観るにはオススメしないかも。この女優さん好き。テンポも良くて最後まで飽きずに見れて良かった。
恐怖
かなり見応えのある作品。二人の男女が演じていた仮面夫婦が突然崩壊し、妻の行方不明と共に明らかになっていく仮面夫婦の実態。決して蔑ろには出来ない生涯の伴侶との問題。いつからかすれ違ってしまった夫婦の崩壊が、家族や世間を巻き込んだ大事件へと発展していく。そして、衝撃の真実。後味は決して良くはないが、それぞれの思いと策略が交差し、支配、恐怖、騙す、虚構、人間の醜い部分が全て描かれており、見応えのあるサスペンスとなっている。
息が出来ない程の緊張感に脱力...
あまりにも心理的に、疑いまくらされた!!!!!
脚本ありきの映画作品の素晴らしさを見事に観せられた圧巻の作品...
そして『ソーシャル・ネットワーク』でも感じましたが、トレント・レズナーの音楽が作品全編の緊張感を常に感じさせ、一時もスクリーンから目が離せなく、おまけに呼吸するのも忘れちゃう程、苦しくさせられた...
でもそれほどストーリーに引き込まれ、隙のない作品に仕上げた監督の力を改めてスゴいと思わされた!!!!!
2015年最初に鑑賞した映画作品として、忘れ得ない傑作を観てしまったと感じている。
ニックとエイミー
仕事終わりに疲れた状態で鑑賞してしまったけど,疲れてることを忘れるくらい見入ってしまった。
ホントに2時間半があっという間に感じた。
エイミーの恐ろしい本性を覚醒させてしまったニック。
最初は最高のカップルだと思われたふたり。
とにかくこれはいろんな女性に観て欲しい。
もう一度観たい。
ひさしぶりのアクション以外の映画!
ホントはベイマックスを観るつもりだったんですが、急遽ゴーン・ガールに……。
でも、とてもおもしろかったし満足のいく作品でした!! 小説を読んでない人でも楽しめます!(読んでない人の方がワクワク感がより楽しめていいかも…) と言うことで、星3つ半です。
これはヒドイ。。
評価が高いので期待しましたが、過去最低レベルのお粗末映画でした。
謎解きも楽しめないし、辻褄の合わないこともあり、登場人物の誰にも感情移入出来ません。
映画ですから、多少の粗には目を瞑る方ですが、これはヒドイです。
監督のネームバリューにも騙されましたが、こんなの観るなら家で世界仰天ニュースか、アンビリバボー観てた方が100倍面白いです。
予備知識なしでみて!
とてもおもしろかった!
とにかく半信半疑でもいいから1度みにいってほしいです
私はR15というのに引っかかって、事前にどういう感じなのかを知りたくて色々とレビューを読んでしまいました。
でも読まずに先入観なしでみた方がもっとドキドキ感が楽しめただろうと少し後悔しています。笑
流血シーンがありますが、グロい描写が苦手な私でも大丈夫なレベルでした。
下品には描かれていません。
ブラックコメディー的な要素もあり、面白かったです。
あと音響さんがいい仕事してました。
これ以上言ってしまうとネタバレしちゃいそうなので…
是非劇場へお越し下さい!笑
妻のしたたかさ
名の知れた絵本作家で美しい妻が消えた。確かに夫婦関係は倦怠期だったかもしれない。最初は浮気していた夫が妻を殺したのでないかと言う展開で進む。証拠は色々あるが善良そうなベン。アフレック演じる夫。物語が進むにつれて妻のしたたかさが判ってくる。サイコで自分勝手な妻が物語を作り帰って来るのは恐ろしいが、良くできた映画でヒッチコック並みだと思います。
大人向け『アナと雪の女王』
原作は未読です。
むかし、ネットで見た、あるゲームソフトのヒロインが想像どおりではなかったためにソフトを粉々にしてメーカーに送り返した男がいたが、映画でのエイミーも同じメンタリティだ。「理想でなかったから破壊して捨てる」離婚や殺人ではなく、まさしく“破壊して捨てる!”
さらにエイミーの性格をややこしくしているのは表向きは他人から良く見られたいという強い欲求である。(おそらくは厳格な母親の影響)この二つをふまえないと終盤の展開は理解しがたいかもしれない。
理想的だったものが長い間に付き合うようになって理想がただのメッキであると気づかされることは現実でもよくあることだ「なんで、こんなものに夢中になっていたんだろうかと」
ようするに今作はサイコロジカルスリラーと銘打ってはいるが本質は倦怠期の夫婦の物語である。
また視点を変えれば「浮気した夫にしっぺ返しで狂言をしたけど、思いのほか大事になってさぁ大変、どうしよう?」というドタバタコメディによくありがちな展開なのだ。
つまり、過去のドラマで数多くつくられたテーマである。ただ、今作ではっきりしているのは今まではそういった解決という苦い味を飲むのは女性か、または男女で半々だったのに対して飲まされるのは男性だけ。しかも、いやおうもなしにゴクゴクと飲まされる。と、いったところか。
窮地に陥ったエイミーが逃げ込んだ元恋人も“理想”を抱き続いている男性である。その逃げ込んだ先でテレビでのニックの姿を観たとき表向きの立場を守ったままで「ありのまま」いられる場所をみつけだした。ニックの前ではエイミーは手袋を脱いだエルサでいられる訳だ。元恋人を殺してでも……
結局はこれはハッピーエンドなのだ。女性にとっては。男性は不満だろうけど。やはりめでたしめでたし。
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