ゴーン・ガールのレビュー・感想・評価
全600件中、381~400件目を表示
受け入れること
コーエン作品で顕著なようにドラマが悲愴さを帯びるほど滑稽さが浮かび上がってくるものだ。それは作り手が意図したものでもあるし、登場人物が必死であれば尚更おかしみが増す。
まあベンにグミをぶつけるシーンなどは完全に笑わせようとしてるし、ロザムンドが一文無しになるくだりもそう。そういうニュアンスが無いと作品は深まらないし、この作品の場合は結婚をテーマにしてシニカルでありながらも肯定しようとしているのだからあまり暗くならないようにしたのだろう。
結果として興収に繋がっているようだし、フィンチャーも職人性が高まったんだなあと思わせる出来だった。
あの血まみれのまま帰宅する違和感だらけの描写も全てはシャワーシーンのため。エイミーが血を洗い流しながら「結婚」について語るシーンは凄かった。
「Gone」から「Home」。続編も噂されているがそれならタイトルは「Home Girl」か。その方がサスペンス。
型破りの傑作
映画を見ている最中、語り口がありふれた物語と全く違い、どう着地するか全くわからない。そんな「ただの映画」を超えた特別な体験を自分がしているという事を感じさせてくれる作品が時にある。「ゴーン・ガール」も確実にその一本だ。
物語自体が「よくあるサイコ・サスペンス」という予想を超えてくるという時点で十分すばらしいのに、それだけでなくこの物語自体が「どうやって結婚を上手く続けるか」のメタファーになってるという二重性が見事。
それに加えて監督デビッド・フィンチャーの成熟した演出力が圧巻。最早過去作のようにCGを多用したギミック的な演出など全くなく、オープニングタイトルで派手に観客をアジるような事もしない。
必要な情報を美しい絵でじっくり見せ、テンポの良い編集でぐいぐい物語を引っ張っていく。つまり正攻法で「巧い」。
単なるシリアスな物語にするのでなく、ブラックコメディにした事も前半の「シリアスなサスペンスドラマ」という印象から次の展開での意外性が増し、更に物語が面白くなっている。
「ソーシャルネットワーク」のように、フィンチャーの作品では人間同士のディスコミュニケーションが描かれる事が多いが、この「他人を理解する事の不可能性」が見事に作品テーマに繋がっている。
つまり、相手の事がわからないからこそ、理解する努力を怠らず、相手を簡単に型にはめるなということ。決して結婚自体を否定している映画ではなく、夫婦の関係性に言及した「アイズワイドシャット」に似たテーマの映画だと思う。
この映画、恐らくは女性の方が見ていて復讐劇としての爽快感というか、「ざまあ見ろ」というカタルシスがあるのではないだろうか。
なぜなら映画においても現実においても、女性の方が理想の「型」を押し付けられやすい(まあ積極的にそれを演じてる人もいるけどね)立場にあるのだから。その点では前作の「ドラゴンタトゥーの女」とも共通したテーマがあると思う。
期待せずに見たら面白かった
全く前情報なく見たら、面白かった。目を覆った箇所はあったけど、ストーリーもなるほどなぁと思う流れで。カップルで観るにはオススメしないかも。この女優さん好き。テンポも良くて最後まで飽きずに見れて良かった。
恐怖
かなり見応えのある作品。二人の男女が演じていた仮面夫婦が突然崩壊し、妻の行方不明と共に明らかになっていく仮面夫婦の実態。決して蔑ろには出来ない生涯の伴侶との問題。いつからかすれ違ってしまった夫婦の崩壊が、家族や世間を巻き込んだ大事件へと発展していく。そして、衝撃の真実。後味は決して良くはないが、それぞれの思いと策略が交差し、支配、恐怖、騙す、虚構、人間の醜い部分が全て描かれており、見応えのあるサスペンスとなっている。
息が出来ない程の緊張感に脱力...
あまりにも心理的に、疑いまくらされた!!!!!
脚本ありきの映画作品の素晴らしさを見事に観せられた圧巻の作品...
そして『ソーシャル・ネットワーク』でも感じましたが、トレント・レズナーの音楽が作品全編の緊張感を常に感じさせ、一時もスクリーンから目が離せなく、おまけに呼吸するのも忘れちゃう程、苦しくさせられた...
でもそれほどストーリーに引き込まれ、隙のない作品に仕上げた監督の力を改めてスゴいと思わされた!!!!!
2015年最初に鑑賞した映画作品として、忘れ得ない傑作を観てしまったと感じている。
ニックとエイミー
仕事終わりに疲れた状態で鑑賞してしまったけど,疲れてることを忘れるくらい見入ってしまった。
ホントに2時間半があっという間に感じた。
エイミーの恐ろしい本性を覚醒させてしまったニック。
最初は最高のカップルだと思われたふたり。
とにかくこれはいろんな女性に観て欲しい。
もう一度観たい。
悲しい
作中は「だから何なんだ?何がしたい?」と苛立ちと退屈を感じたけど、終わった後エンドロールを眺めながら悲しくて泣いた。
怖いけど……愛情を求める気持ちは分かるし、完璧理想を求めてしまう気持ちも分かるし、
なにか自分の中で大切なものが壊れてしまったら怖いものへと変わってしまうのは他人事ではないのではないか。
「愛するとはどういうことか。幸せとはなにか。」と考えさせられました。
後味はあまり良いものじゃないけど満足。余韻がやばい。面白かったです
ひさしぶりのアクション以外の映画!
ホントはベイマックスを観るつもりだったんですが、急遽ゴーン・ガールに……。
でも、とてもおもしろかったし満足のいく作品でした!! 小説を読んでない人でも楽しめます!(読んでない人の方がワクワク感がより楽しめていいかも…) と言うことで、星3つ半です。
これはヒドイ。。
評価が高いので期待しましたが、過去最低レベルのお粗末映画でした。
謎解きも楽しめないし、辻褄の合わないこともあり、登場人物の誰にも感情移入出来ません。
映画ですから、多少の粗には目を瞑る方ですが、これはヒドイです。
監督のネームバリューにも騙されましたが、こんなの観るなら家で世界仰天ニュースか、アンビリバボー観てた方が100倍面白いです。
予備知識なしでみて!
とてもおもしろかった!
とにかく半信半疑でもいいから1度みにいってほしいです
私はR15というのに引っかかって、事前にどういう感じなのかを知りたくて色々とレビューを読んでしまいました。
でも読まずに先入観なしでみた方がもっとドキドキ感が楽しめただろうと少し後悔しています。笑
流血シーンがありますが、グロい描写が苦手な私でも大丈夫なレベルでした。
下品には描かれていません。
ブラックコメディー的な要素もあり、面白かったです。
あと音響さんがいい仕事してました。
これ以上言ってしまうとネタバレしちゃいそうなので…
是非劇場へお越し下さい!笑
妻のしたたかさ
名の知れた絵本作家で美しい妻が消えた。確かに夫婦関係は倦怠期だったかもしれない。最初は浮気していた夫が妻を殺したのでないかと言う展開で進む。証拠は色々あるが善良そうなベン。アフレック演じる夫。物語が進むにつれて妻のしたたかさが判ってくる。サイコで自分勝手な妻が物語を作り帰って来るのは恐ろしいが、良くできた映画でヒッチコック並みだと思います。
大人向け『アナと雪の女王』
原作は未読です。
むかし、ネットで見た、あるゲームソフトのヒロインが想像どおりではなかったためにソフトを粉々にしてメーカーに送り返した男がいたが、映画でのエイミーも同じメンタリティだ。「理想でなかったから破壊して捨てる」離婚や殺人ではなく、まさしく“破壊して捨てる!”
さらにエイミーの性格をややこしくしているのは表向きは他人から良く見られたいという強い欲求である。(おそらくは厳格な母親の影響)この二つをふまえないと終盤の展開は理解しがたいかもしれない。
理想的だったものが長い間に付き合うようになって理想がただのメッキであると気づかされることは現実でもよくあることだ「なんで、こんなものに夢中になっていたんだろうかと」
ようするに今作はサイコロジカルスリラーと銘打ってはいるが本質は倦怠期の夫婦の物語である。
また視点を変えれば「浮気した夫にしっぺ返しで狂言をしたけど、思いのほか大事になってさぁ大変、どうしよう?」というドタバタコメディによくありがちな展開なのだ。
つまり、過去のドラマで数多くつくられたテーマである。ただ、今作ではっきりしているのは今まではそういった解決という苦い味を飲むのは女性か、または男女で半々だったのに対して飲まされるのは男性だけ。しかも、いやおうもなしにゴクゴクと飲まされる。と、いったところか。
窮地に陥ったエイミーが逃げ込んだ元恋人も“理想”を抱き続いている男性である。その逃げ込んだ先でテレビでのニックの姿を観たとき表向きの立場を守ったままで「ありのまま」いられる場所をみつけだした。ニックの前ではエイミーは手袋を脱いだエルサでいられる訳だ。元恋人を殺してでも……
結局はこれはハッピーエンドなのだ。女性にとっては。男性は不満だろうけど。やはりめでたしめでたし。
未知の恐怖感との、新たな出会い
最初のテロップから、もう操作されてしまっていた。二時間強、その支配下から一歩たりとも出られなかった。
映画の客はふだん観ながらも批評しているはずだが、
私はしかしどう捉えたらいいのか分からず、あたふた、
不可解なまま、
どんどん進んで行った。展開、だなんていう観念すら忘れて、どんどんどんどんのめり込んだ。どんどんどんどん。
これぞ、芸術の、いや、映画の醍醐味。
安全ベルトのないジェットコースターに乗って、めくるめく虹色の暗闇の渦を、きりきり舞い、目を閉じることすら許されず、強制的に突っ込んでいく。
「あ、これか」と知っているものが、一切なかった。
知っているものが来たら、避けられるのだ。
知らない、どういう軌道でこちらに来るのか、分からない。避けようがない。避けてみたところで、しかし何もなく、ホッと一息ついたところ、タイミング外されて、一撃を喰らうといった、サスペンドされる悦楽。サスペンドされた私は、滅多打ちを覚悟しつつも、そんな野暮はなく、びしり、びしりと、知らない感覚の箇所を打たれ、官能の権化となった。
と、まあ、興奮した。
しかし、観て一時間後、
ただ恐怖映画の手法に則ったチープな演出があるような気もするし、
何もそこまでしなくても……、というような疑念も出てきた。
すなわち、完璧な映画ではない。
だが、それがどうした。観ている私の興奮は事実だった。
未知の感覚との遭遇をありがたく思う。
キャッチコピーがなんて皮肉
「本当に大切なものはいつも失って初めてわかる」の言葉通り。
確かに失ってから気付いた。でもそれで二度と繰り返すまいと誓って紆余曲折あって再会の熱い抱擁を交わすなんて、ありがちなラブストーリーじゃあ勿論無い。
夫婦揃って職を失ってからうまく行かなくなった二人の、最後の一つの答えの出し方が凄い。
冒頭は妻エイミーの謎多き失踪事件。これは設定としては至って普通。
そして幸せだった頃の二人の過去を絡めながら、現在は妻がどんな人物かも知らない夫に観てるこっちまで不信感を抱かせて、さながらゴールが霧の向こうに閉ざされて見えないユラユラ揺れる吊り橋を進んでいるかの様な気分がずーーーーっと、続く。これがまたえらい心臓に悪い。
全く真相が見えないまま来た所で、今まで見ていた妻の顔が段々おかしくなって。。
事件は一応解決するんだけど、ロザムンド・パイクのクールビューティーな妻の顔が、これからまた何か起こりそうな余韻を残していて、、、凄く怖い!!!
観終わった後も心臓をぎゅうぎゅう締め付ける秀逸な「殺人事件」。
胸くそ悪くなる秀逸な映画
疾走した妻を探す夫が徐々に妻殺害の容疑者になっていく過程は、胸くそ悪くてとてもよかった。終盤の妻の行動には驚いたが、粗すぎないかなとやや残念な気持ちに。でも、これもアメリカ的といえるのかも。そして最後は嫌な終わり方すぎて思わずにやけてしまった。フィンチャーやるな!その嫌な感じをうまく盛り上げてくれたトレント・レズナーの音楽もまた秀逸。
有意義な時間
うーむ、ネタバレにならない様にレビューするのは困難か⁉︎でもこの映画はレビューだとか、世論だとか見たり聞いたりせずに劇場に足を運ぶべきなのかなと思う。実際、私自身レビューを見てから行ったけど、変な先入観が入り込み「アレ」となったから。しかし、監督の作品は好きだし、とても有意義な時間を過ごす事が出来たと思う。そりゃ最初はね、ちょっとテンポ早くてついて行けず、置いて行かれてるって感覚になってたけど、中盤辺りから「追いついて来た!」とさせてくれるわけで。
結婚とは、こんなに辛いものか⁉︎いや、ただただエイミーがサイコなのだ!いや、それともニックが駄目夫なのか⁉︎もしかしたら、このご時世こんな夫婦は普通にいるのかもしれない、殺しはしないかもだけど。
劇中、数々の音楽が流れるけど必ずしも夫婦の胸中を示すものでもなく、映画を鑑賞してる私たちの気持ちを示すものでもない、夫婦の行く末をメディアによってモノの見方を操作されている観客の気持ちを示すものなのかと思う様なシーンがあったのが面白く感じたなぁ。
最後は、「ここで終わらないで‼︎」って願うところで見事にエンドクレジット。間違えてもハッピーエンドを求めて映画を観に行くわけでもないが…マジかぁと思った自分、やはり白黒付けたい典型的な日本人なのか。
結婚って恐ろしい。
結婚って恐ろしいなぁ、相手が何考えてるのか分からないって、女性を怒らせると怖いなと思った。まぁ全員が全員あそこまで恐ろしくはないだろうけど、あんなんされたらもうタジタジ。理想の男性であるために、努力を怠ってはなりませぬ。ただ、なんで元カレが殺されなきゃならなかったのかなぁ〜。殺す事ないのに〜。旦那の為にとか言ってたけど、自分が捕まらないためにやったとしか思えない!あぁ。怖い!
予想外のこわさ
はっきり言うとサイコパスの話。
つっこみどころはいっぱいだったけど、
どきどきさせられる映画でした。
内容というよりも描写の仕方だろうか。
まさかこんな映画だとは思ってもみなかった。
すごく面白い映画だったと思う。
ロザムンドパイクのお尻を楽しむ映画…
フィンチャー映画最高傑作の肩書きに偽りなし!驚き興奮しゾッとさせ、こういう体験をしに映画館に足を運んでるんだと改めて感じた作品であった。エンドロールが流れ上映が終が終わろうとしている会場で、客席のどよめきが伝わってきた。唖然としている人やため息を漏らす人。こんな観客の反応がダイレクトに伝わったのは始めての経験だった。
結婚5年目を迎える、誰もが羨む夫婦の影に潜む結婚の闇を描いたお話だが、
想像以上にサイコスリラーだった。
とにかく起きること起きることが恐ろしく、巧みに展開される。思わず場内で「…こんなことって」とつぶやきたくなる。
ありえないほど精密に作り込まれた完全犯罪に巻き込まれるわけだが、
劇中では、失踪した夫婦についてマスメディアが世間に伝えるイメージで揺さぶられたり真実がわからなくなったりなどする展開があるのだが、この作品をその劇中で起こる真実を知らない、マスコミの流す情報を信じている一般人の目線で見ると、
表向きは、素晴らしく感動的な夫婦の再開の物語、とてもハッピーなエンドとして映るということである。
ラストのカットでテレビで取材を受ける夫婦が映る。つまりはそういうことである。
この恐ろしさ!
役者のことでいえば、なんと言っても
失踪した妻エイミーを演じたロザムンド・パイクだ。知的、エロス、見え隠れする心の闇。
最高である。
ベン・アフレックのどこか頭悪そうな感じもまたいい。
とにかく!エロに血しぶきに、素晴らしいところは言い切れないほどあるが、めちゃくちゃ楽しめた。
全600件中、381~400件目を表示