「サイコパス」ゴーン・ガール xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
サイコパス
「サイコパス」って言葉、知っているだろうか?
1.想像力が異常に旺盛で、空想を現実よりも優先する。
2.弁舌によどみがなく、当意即妙の応答がうまい
3.人の心を操り、人気を集め、注目を浴びることに長けている。
4.自らウソをついて、いつのまにかそのウソを自分でも信じ込んでしまう。
Wikipediaによるとサイコパスの一つの類型に上記のような「空想虚言者」がいるという。
でもさ、1番は詩人や小説家、思想家の特徴でもあるような気もするし、2、3番なんか現代のリーダーに求められる資質じゃないかとも思う。そうだよ、4番を除けば、普通の人、凡人とは違うデキル人なのだ。
「完ぺきなエイミー」が主人公である。そう完ぺきにみえる女性・妻の物語だ。もう一方の主人公の男・夫のほうは平凡といえるだろう。
仕事にかこつけて浮気を重ねる、どこにでもいそうなだらしない男である。夫は、双子の妹や弁護士、あるいは、女性警察官を味方につけて必死の抵抗を計る。
サイコパス妻は、綿密な計画のもと、すべて計画どうりの行動をる。
カレンダーに付箋を貼って、計画にもれはないかをチェックする。
必要とあれば、自分の肉体を痛めつけることもいとわない。そんな時の彼女は自信満々、美しくさえあるのだ。
実際のサイコパスは女性にはきわめて少ないとされているが、男にできて、女に出来ないわけはないだろう。ST.ヴィンセントの歌にもサイコパスが出てくるしね。25人にひとりはサイコパス的嗜好をもっていると言われる。
この映画は、ヒッチコックやブライアン・デ・パルマ作品のような一級のスリラーである。優美にして毒がいっぱい、刺激的で、エロスが漂っている映画である。
デビッド・フィンチャー監督の集大成のひとつだろう。