「鬼才フィンチャーの才気爆発💥 一番怖いのは旦那にこんな映画を作らせるシーン・チャフィンだよ…😨」ゴーン・ガール たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
鬼才フィンチャーの才気爆発💥 一番怖いのは旦那にこんな映画を作らせるシーン・チャフィンだよ…😨
結婚記念日に失踪した妻エイミーと、彼女を殺害したという容疑を受けた夫ニック。彼らに何が起きたのか、その事件の真相に迫るサイコ・ミステリー&ブラック・コメディ。
監督は『セブン』『ベンジャミン・バトン』の、エミー賞監督デヴィッド・フィンチャー。
主人公ニックを演じるのは『グッド・ウィル・ハンティング』『アルマゲドン』の、オスカー監督としても知られるベン・アフレック。
ニックの妻エイミーを演じたのは『アウトロー』『ワールズ・エンド』のロザムンド・パイク。
第20回 放送映画批評家協会賞において、脚色賞を受賞!
やってくれたぜデヴィッド・フィンチャー!
誰も観たことがないような、とんでもないサイコ・コメディここに爆誕!
よくミステリー映画を観た時に「途中でオチが読めたわー、オレ😏✨」みたいな感想を言うつまんねぇ輩がいますが、この映画の展開を予想できるヤツは果たしているのか!?
綺麗な3幕構成に分かれているのが本作の特徴。
第1幕では妻エイミーの失踪、何か秘密を抱えた夫ニック、そしてエイミーの日記から明らかになっていく2人の秘密が描かれていく。
この段階ではまぁよくあるミステリー映画。
デヴィッド・フィンチャーらしいクールな映像と緊張感溢れる展開が続くが、正直さほど特別なものは感じない。
「あ、いつものカッコ良いopないのかよ〜⤵︎」と思ってちょっとテンション・ダウン。
正直最初の1時間はちょいと退屈する。
エイミーが日記をつけている場面がフラッシュ・バックで挿入され、その内容から徐々にニックの人間性がわかっていく。
始めは出会った時、次はプロポーズ、そして結婚2年目、3年目…。
始めはラブラブだった2人だが、年が経つにつれどんどんとすれ違いを起こし、ついにはDVにまでつながってゆく。
「なる程、ニックとエイミーの夫婦関係は終わっていたんだ。とはいえ、このままニックが犯人はありきたりすぎるし、何かどんでん返しが用意されているんでしょ🤨」
と思っていたら、開始1時間辺りで第2幕開始!
ここからのエクストリームな展開には度肝を抜かれた!
あれよあれよといううちにとんでもないことになっていくニックの状況。サイコパスの本性を明らかにするエイミー。
クズのニックとイカれたエイミーのマウントの取り合いという、どうかしているとしか思えない展開が続き、これまでのミステリー的なジャンルから一転、ブラック・コメディの様相を呈していきます。
第1幕で提示されていた情報や何気ない描写が、全てこの第2幕でひっくり返されるという周到すぎる脚本には舌を巻くしかない。
何より素晴らしいのはエイミーを演じたロザムンド・パイクの演技!
これでオスカー取れなかったってマジ!?
誰が見てもアメイジングだと思う女性を演じたかと思えば、普通のおばさんのようなラフな姿も見せてくれる。そして狂気のモンスターとしてのサイコパス演技もパーフェクト💯
本当に同じ女優さんが演じているのか疑いたくなるほどの百面相ぶりでした!
特に、記者会見を開いたニックをテレビで観ている時のエイミーの表情は格別!
自分の理想である男性像を見つめるエイミーのあのマンガのような釘付けフェイスに爆笑🤣
コメディエンヌとしてのロザムンド・パイクの才能を見せつけられた。
前作『ドラゴン・タトゥーの女』ではルーニー・マーラの魅力を引き出していたし、フィンチャー監督の女優発掘能力って凄い!
第3幕ではニックとエイミーの再会が描かれる。
ここまで気味の悪い夫婦の再会がこれまで存在したのだろうか…。
結婚は地獄だ、と揶揄されることがありますが、ここまで結婚の暗黒面を追求するとは。
「映画を観終わった観客の心に重たいものを残したい」というのがフィンチャー監督の信条らしいですが、本作では大成功してるよっ!
「ぐぇー🤮」というクライマックスにも拘らず、何故か鑑賞後の後味が爽やかなのが不思議。
残酷描写にしろ心理的に追い詰める描写にしろ、すごく思い切りが良くて爽快感すら覚えるのはフィンチャーの美点ですね。
重たいけれど爽やか、矛盾しているような2つのテイストを同時に実現しているという驚異的な手際には感服するしかない。
夫婦やカップルで観るととんでもないトラブルを起こしかねない危険な映画。
全ての旦那さんへ送る鎮魂歌。そして全ての奥さんへ送る応援歌。
ヒヤッとしたい時にも、大笑いしたい時にもオススメな傑作です!
…こんな作品を実の夫に作らせるシーン・チャフィンって一体何者…?
フィンチャー監督の家庭での立ち位置が非常に気になる一本でした。
おはようございます。
”全ての旦那さんへ送る鎮魂歌” ・・・
朝から大笑いさせていただきました。
私は、この映画は”とても怖かった”ですねえ・・(遠い目)
では、又。
余談:会社でつい、”凄く怖かったよ・・、男にとっては・・”と言ってしまったら、暫く女性陣からのメールの冒頭に、”エイミーです・・”
と書くのが”ブーム”になったのを思い出しました・・。
では、又。返信不要です。