劇場公開日 2014年6月6日

グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価

全271件中、181~200件目を表示

4.5キッチュで切ないホテルの想い出

2015年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

かれこれ半年前に観てものすごく気に入ってたのだが、
バタバタしてるうちにレビューを書き損ねていた作品。
アカデミー賞4部門受賞!のニュースで思い出した次第。
もはや細かいシーンは思い出せないが、作品の印象に
ついては鑑賞直後よりも冷静な見方ができますよね~
というもっともらしい言い訳をしてみる。
.
.
まずもって、映像もテンポもまさしくウェス・アンダーソン節。

豪華キャストのゼータクな使い方。オフビートな笑い。
ポップアートのようにカラフルでイカれた配色。
(この点は従来作より強烈な色合いが多い気もする)
どんなに動的なシーンでも微動だにしない、ちょっと
キューブリック作品を彷彿とさせる生真面目な構図。

だが、美術の豪華さや語り口の凝り具合は、これまでの
アンダーソン監督作品で最大規模と言えるかも。
第二次世界大戦前のハンガリーが舞台ということで
異国情緒たっぷりの衣装の数々は見た目に楽しいし、
画角の違う映像にミニチュアにアニメに大きな舞台装置にと、
映像から小道具大道具に至るまで遊びに遊びまくっている。
最後には大がかりな銃撃戦まで用意されているが、
あんなヘンテコな銃撃戦を、僕は今まで観た事がない(笑)。

“キッチュ”という言葉をレビューに使おうと思って
改めて調べてみたが、正確な意味は『けばけばしさ、
古臭さ、安っぽさを積極的に利用し評価する美意識』
(毎度のWikipedia調べ)という意味のドイツ語だそうな。
これくらい本作にしっくりくる言葉もないと思う。

おもちゃ箱の中身を一度そこらじゅうにぶちまけて、
それらすべてを緻密な計算のもとに陳列し直し、せかせかと
エスコートされながらマシンガントークで紹介されるような、
そんなせわしなくも可笑しな雰囲気に満ちた作品。
(“おもちゃ箱” という表現を茶化すレビューもあるが、
 ボキャブラ貧民の僕はやっぱおもちゃ箱で。)
.
.
そしてこの、どこか切ない読後感。

僕の大好きな『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』は
崩壊した名門一家それぞれの孤独が胸を締め付けた。
前作『ムーンライズ・キングダム』も、今や取り戻せない
無垢な心に対するノスタルジーに溢れていた。

アンダーソン監督作品を観て僕がいつも感じるのは……
かつては確かに輝ける瞬間があったはずなのに、
今では誰からも記憶されず、ただ消えゆくばかりの存在、
そんな存在に対する憐れみや慈しみのようなもの。

主人公である支配人グスタフの最期に、思いがけず涙が溢れた。
プライドの高いプロフェッショナルなのに
どうにも間が抜けていて、心根の優しいあの男。
いつの間にか僕は彼にすっかり魅了されていて、
そんな彼があんな悲しい形で舞台から
退場してしまうことが、僕は心の底から悲しかった。
そして、その想い出と共にひっそりと生き続ける人の孤独もまた。
.
.
『グランド・ブタペスト・ホテル』がアカデミー賞の4部門
(美術・衣装デザイン・メイクアップ&ヘアスタイリング・作曲)
を受賞したのは素直に嬉しいが、
作品賞・監督賞にまでノミネートされた事はサプライズだった。
だって、他のノミネート作品と比べても群を抜いてコミカルだし。
この物語が本当は悲惨な戦争を下敷きにした物語である
という点や、アメリカでの大ヒットが利いたのかしら。

ともあれおめでとう! 監督およびスタッフの皆様。
めちゃくちゃ楽しませていただきました。

<2014.07.18鑑賞>

コメントする 1件)
共感した! 4件)
浮遊きびなご

4.0面白かった

2015年2月25日
iPhoneアプリから投稿

映画の情報を見ずに鑑賞しました。

本映画のタイトルであるホテルで起きた、ドタバタ事件を個性的な登場人物が彩っています。

笑いありハラハラドキドキあり、そして感動ありの名作だと感じました。

物語の展開がテンポ秀逸で引き込まれたうえに、映像、雰囲気、音楽がお洒落で最後まで飽きずに鑑賞できました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
tomoyukkkki

3.5贅沢の極み

2015年2月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

事実は小説よりも奇なり――。

そんな George Gordon Byron の言葉が脳裏を過る。
(そもそも、勿論 本作は“虚構”であるのだが…。)

史実と幻想、熟練手練演者達の配役、芸術性、そして捲し立てる台詞が織り成す舞台演劇の様な演出が見事に犇めき合い、心地好く、dopamine が、体 内 を 、 駆 け 巡 る゜゜・。゜゜*`。。゜

監督 Wes Anderson は さぞかし楽しかったに違いない(想像)
そしてその喜びを味わえる私達も至上の贅沢やぁねぇ~♪♪

日本国内の古来建造物の筆舌に尽くし難い美しさも素晴らしいが、Gorltz の御洒落な街並みも是また美味で御座いました◎

コメントする (0件)
共感した! 1件)
"Auggie" Wren

3.5可愛い小説

2015年2月10日
iPhoneアプリから投稿

笑える

楽しい

興奮

世界観と映像がとても可愛くて本を読んでるような感覚の映画だった
豪華な俳優陣とハイテンポですぐ横槍が入るチャーミングなストーリーはムーンライズキングダムの面影が残ってる笑

コメントする (0件)
共感した! 1件)
aco

4.5エキゾチックな古き良きヨーロッパ

2015年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

この映画、去年飛行機の中でまず英語版を観て案の定さっぱり分からず。。日本語版早くっ!(≧∇≦)でも絵と音楽がエキゾチックなのがとっても印象的だった。

そして今回晴れて日本語版を鑑賞!やっとイミが分かった!(^_^)v なかなか面白かったし、これこそ映画でしょ!という感じ。日本語字幕がおすすめかな。。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
DOA

3.0面白かった

2015年2月1日
iPhoneアプリから投稿

笑える

悲しい

表現が適切かどうかは分からないが、海外版三谷幸喜作品みたいなイメージ。

コミカルな登場人物と展開。しかし所々でやや過激な表現や映像があったりと、少しドキッとする。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
人尽天

4.5ウェス・アンダーソン節健在.ここ数作では一番好き

2015年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

ここ数年のウェス・アンダーソン作品では一番好き,かな.ポップな絵とドタバタ演出で気持ちよさげな見た目だけど実は残虐というのも相変わらず.

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ykono

3.5おもしろい世界観

2015年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

ダージリン急行も見たことなかったし、この監督作品は初めて。
新しい世界観で楽しかった。
若き日の作家がジュードロウというあたりがなんだか良かった。
話の展開や音楽、画がとてもいい風味だった。
おもしろい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
しま

3.5ウェス・アンダーソンらしい「箱庭世界」

2015年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

3つの時間軸の違いをアスペクト比で表現(1930年代がスタンダード・サイズ=1.37:1、1960年代がワイドスクリーン=2.35:1、1985年がアメリカン・ビスタ=1.85:1)した事を含めて、ウェス・アンダーソン監督らしい色彩鮮やかな「箱庭世界」が満載。
全体的に面白かったのだが、台詞が多くて疲れたせいか、どうにも入り込めないまま終わってしまった感じ。この辺は、こちらの体調による所もあっただろう。いずれ再見してから、再度評価したいと思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
CRAFT BOX

4.0最後まであきることなく楽しい

2015年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

ものがたり語りをかわいいお菓子や建物・風景をバックにすすむ。淡々として演じすぎない演技の登場人物にかえって引き込まれる。映像全体の色合いセンスが素敵。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
yukoseenote

4.0箱庭的世界へ

2015年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

絶妙なテンポ。大人のジブリ実写版、のような味わい。
悪役の感じなど、ピリッとスパイスも効いている。
同監督作品の中でもベスト。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
chata

4.0グランド・ブダペスト・ホテル

2014年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

アンダーソン・ワールドはミュージカルではないが、音楽は軽快。
舞台ではないが、シェーナ・グラフィカルでカラフルだ。
そして、今回は架空の国ズブロッカ(酒ではない国の名)が舞台となるドラメディ(コミカルドラマのこと)。
「グランド・ブダペスト・ホテル」はハンガリーの首都ではない。
ドイツアルプスのまっただ中に建つ超高級リゾートホテル。
そのホテルを仕切る執事とベルボーイが殺人犯に仕立てられ、国中を逃げ回るロードムービー。
いや、例によって場所よりも乗物が面白い、プレイスよりヴィークルだ。
ドラメディであるからコミカルではあるが、今回は一段とシリアスでもある。
そのシリアスさはネタバレしたくないので説明できないが、超高級と名の付くものは、いつでもどこでもアンエクスプロアード。

注:この記事のカタカナ語の多用はボクのせいではない、アンダーソン・ワールドだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
kthyk

4.5心地よい

2014年12月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

初めてこの監督の作品を見たが海外版三谷幸喜とでも言おうか。 アート感を増した。
そのようである。好みではないが心地よかった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
てっちゃん

3.5時代に殺された、かつての輝き

2014年12月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

メッセージがジワジワと伝わってくる作品でした。かつて輝いていたものが、時代の変化によって失われることの儚さ、虚しさ…これって現代でも言えることですよね。「あなたは今あるものを大切にしていますか?」と問われているような気持ちになりました。
所々ミニチュア(?)を使って撮影していたり、シーンによって画面の比率が変わったりしていて面白かったです。
それぞれのキャラクターに個性があり、とても楽しめました。さすが名優揃いの大作です!

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ハットコック

5.0豪華キャストの面白紙芝居

2014年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

いやぁさすがですわ。
テンポもよくて、構図もよくて、シナリオもよくて、紙芝居みたいな映画。

ウェス監督のたまに見せるあっけない展開とかも堪らないです。ギャグなのか、人生そんなもの感なのか判断つかないけど。

変なこだわりが強いので、大作好きには悪寒がするのもわかります。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
オコタナイト

3.5喝!

2014年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

寝られる

アンコール上映していたので、わざわざ講義サボって観に行ってみました。

期待しすぎたのかな?
あんまり面白くなかった。

思うに、ウェス・アンダーソンがでしゃばりすぎでした
せっかくの豪華な俳優を活かさず、ただただウェスブランド丸出しのカメラワークや可愛さで突き進んでいた。

えー、この程度の使い方なら 別にこの人じゃなくても。。といった感じで
俳優に実力を発揮する隙間を与えなかった今回のウェス監督
これは喝!ですね

コメントする (0件)
共感した! 1件)
映画Kan

2.0期待が大き過ぎた

2014年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

単純

想像と全く違いました。
スゴく豪華で美しいホテルでの
ラグジュアリー感に品格に満ちた
楽しい映画を想像していました。

実際は、楽しい笑いも少々ありましたが、
全体的に少し古くて薄汚れた雰囲気が
あり、残念でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
aiai3san

3.0美しい

2014年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

スピード感ばかりが目について内容は少し薄いなと思ったけど、笑えるポイントはたくさんあるし、緻密なセットやカメラワークが素人目に見てもおもしろかった!
映画をこんな視点で観たの初めてかも。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Natsumi

4.5美しい!

2014年11月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

今までの作品よりも、一層ウェスアンダーソンのスタイルに磨きがかかっていて、メガネを拭く時間が惜しいほど素晴らしかったです。

どの場面を切り取っても絵画のような美しさ…
内容はいわゆる「ジェットコースター」で、これでもかというほど無駄が削ぎ落とされ、ポンポンポンッとテンポ良く進んで行きます。
物語は、今までの作品のスタイルとは少し違い、非常にシンプルでありながらメッセージ性の強い印象でした。軽いタッチながら深い余韻があり、考えさせられます。

画よりも筋を大きく重視する方だと、好みが別れる…かもしれません。
しかし、とにかく全てが洗練されて本当に美しい映画です。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
MeRay

4.5ウェス・アンダーソン支配人のグランド・ブダペスト・ホテルで極上のおもてなし

2014年11月13日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

初期の「天才マックスの世界」「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」などはまだ通な人気でしかなかったが、前作「ムーンライズ・キングダム」で一気にファン層を増やしたウェス・アンダーソン。
鬼才が再び贈る、作家性と娯楽性が絶妙にブレンドした極上作!

舞台は架空の国、旧ズブロフカ共和国。
1985年。作家がある物語のきっかけとなった出会いを語り出す。
1968年。かつては栄華を誇っていた“グランド・ブダペスト・ホテル”に宿泊していた若き日の作家はオーナーのゼロと出会う。ゼロは作家に伝説の初代コンシェルジュについて語り聞かせる。
1932年。まだ新人ベルボーイだったゼロは凄腕コンシェルジュのグスタヴに気に入られ、右腕となる。ある時、ホテルの上客マダムDが何者かに殺され、その嫌疑がグスタヴにかかる…!

ウェス・アンダーソンのビジュアルセンスが大爆発!
まずは真の主人公と言っても過言ではない“グランド・ブダペスト・ホテル”の豪華絢爛さ。お洒落で細部までにこだわった内装はじっくり見物したいほど。(次のアカデミー美術賞は確実!)
やたらとドキュメンタリー風のブレる映像が多い昨今、ほぼ固定カメラで、対象物を画面中央に配した左右対称の独特の画作りがこれまた印象的。どのシーンを切り取っても画になる。
コミカルな殺人ミステリーを軸に、個性的な登場人物が織り成すアンサンブル劇、ノスタルジックな雰囲気、グスタヴとゼロの絆、果ては脱獄サスペンス、スキーアクション&銃撃戦まで!(笑) テンポよく進むストーリーが軽快。(脚本賞も確実!)
アレクサンドル・デスプラのリズミカルな音楽も耳に心地良い。

個性的な登場人物に扮するは、個性的な超豪華キャストたち!
とてもじゃないけど全員の名を挙げる事は無理だが、よくぞここまで集めたもんだ!
中でも印象に残ったのが…
パーフェクトで少々ブラックなコンシェルジュのレイフ・ファインズがパーフェクト!
探偵?殺し屋?のウィレム・デフォーと囚人ハーヴェイ・カイテルは僅かながらさすが場をさらう。
メイド服のレア・セドゥーに萌え、ティルダ・スウィントンは「スノーピアサー」に引き続きびっくり特殊メイク。
そして、新人ベルボーイのトニー・レヴォロリが大健闘。

ストーリーを楽しみ、個性的な登場人物を楽しみ、ビジュアルセンスを楽しみ…。
ウェス・アンダーソン・ワールドはもう病みつき!

コメントする (0件)
共感した! 12件)
近大