グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価
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クスッと笑えて、最後は深い余韻が残る
学生だったころにテレビでたまたまみた『グレーテルのかまど』、ちょっと変わったお菓子をつくる番組で『グランド・ブダペスト・ホテル』の劇中に出てくるお菓子を扱った回があった。
奇抜な紫の服を着たチグハグな男二人が右往左往する映画のワンシーンがなぜかずーっと印象に残っていて、数年を経てついに観ることができた。
老人の独白から始まるとあるコンシェルジュとロビーボーイの物語。殺人事件に巻き込まれた二人のドタバタ劇が軽快かつコミカルに展開されていく。恐ろしい状況でもクスッと笑えるシーンが多く、突っ込みたくなるほど間抜けに真面目で…とにかく変わってて…。
事件は無事解決し二人は強い絆がうまれ友となり、ロビーボーイは愛する人と結ばれて最後はハッピーエンド。
けれど…。
かつての栄華が過ぎ去ったグランド・ブダペスト・ホテルで自分の過去を語る老人はかつてのロビーボーイその人だった。独白の中で見た若く純真なかつての面影は跡形もなく消え、まったく変わった老いた深い孤独をたずさえていた理由が明かされる。
最後はただただ切なくなりました。
後悔や未練その悲しみに終わりはない。
納得できることもなく…
消したくなることもある、けどその記憶の中に確かに良かった瞬間がある。
悲しみを忘れるということは、その人を愛した気持ちまで忘れるということ。
戦争の足音が聞こえてくる中で幻を維持してくれた心根の優しい友。共に天涯孤独貧しい同士でやっと手にした愛する恋人。
痛みを伴う記憶を愛する象徴がグランド・ブダペスト・ホテル
かつて繁栄を極めた、今はすでに廃墟と変わらぬ姿になってしまったそのホテルがとても特別で愛おしく感じた
深い余韻が残る映画
この先ずっと思い出すと思う
テンポが合わずついていけない😭
ワハハと笑うコメディではなく
フフ、フフフフ…とお上品に笑う感じの全編オシャンな空気漂うコメディ風味ミステリー映画。 ポップコーンにコカ・コーラではなく、高級なチーズにワインなど片手に観る感じなのかな。
映画はある作家の回顧録の形で進む。作家は若い頃によく滞在した、かつての高級ホテル、グランド・ブタペストホテルでの滞在中に出会ったホテルオーナーのムスタファ氏に、ホテルを購入したいきさつを聞くことになる。ホテルのレストランで夕飯をともにしながら、ムスタファ氏がかつてロビーボーイとして働き始めたころの話から聞き始める。
ここからは、ゼロことムスタファ氏と、ゼロが師事したコンシェルジュのグスタフHとのエピソードが回顧録の中の回顧録として始まる。グスタフ目当てに宿泊しに来る常連の女性客の一人、マダムDの不可解な死とその遺産相続のやり取りをきっかけに、グスタフのホテルマンとしての日常が大きく変わっていく。
グスタフの流転の人生…のはずなんだけど、どこか飄々とあらゆる環境を受け入れて周囲の人間の好意を受けていくグスタフと、そのグスタフと固い師弟の絆で結ばれたゼロとの冒険を、殺人やら何やらもう結構なことをやっているはずなのに軽やかに淡々と描いていく。
絵面がいちいちアーティスティックなので、多少汚いところの場面でもなんだかオシャレに見えてしまうし、どんな格好をしていてもグスタフはひたすら伊達オトコ。ゼロのとぼけた感じも手伝って、コメディとしても面白い、けどガハハと笑う映画ではない感じね。
それから、一見無駄な超豪華キャストも必見。え、ジュード・ロウこんだけ?あれビル・マーレイだよな?ジェフ・ゴールドブラムとエイドリアン・ブロディとウィレム・デフォーは、三人ともいつもの役どころでまったくの平常運転やな!などなど、キャスティングもいかにも曲者だらけな感じ。それぞれしっかりハマり役。
なんか、大作観たなー!とか、これは感動巨編やなー、的な映画の合間に、美術館でさーっと美術品を眺めるがごとく楽しみたい、目の保養になる映画。
年寄りには成れなかった……
独特の世界観
この監督の映画を観るのは初めてである。ヒッチコックのミステリー映画をバズ・ラーマンがリメイクしたような感じの作品。
サスペンス・コメディというジャンルの映画は少ないと思うが、その中では出来の良い作品である。ただ最後はなんともあっけない締めくくり方だ。流れから言ってハッピーエンドにするべきでしょう。
コミカルかつアートな寓話
フォッグとパスパルトゥー
『80日間世界一周』だ。
フォッグとパスパルトゥーを連想する。
導入部の相関関係が分からなかったので、もう一度見た。名前から察するに、ハンガリー帝国の話だと思うが、ポリティカルな部分を考えずに見た方が良い。沢山の方々指摘しているように、画面のサイズが切り替わる所がみそだと思った。それで、ドッド方式ワイドスクリーンで上映された『80日間世界一周』を思い出した。
ひとつひとつのシーンが絵画のごとく
第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作。
第72回ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ)受賞作。
Disney+で鑑賞(吹替)。
ウェス・アンダーソン監督の映画を初めて観ました。こだわり抜かれたアングルや鮮やかな美術がおしゃれ。ひとつひとつのシーンが絵画みたいに計算し尽くされていて無駄も隙も一切無い。懐かしさまで喚起させる画づくりに魅せられました。
グスタフ氏とゼロの、ユーモアがたっぷりあって、友情に満ち、示唆に富んだところもあるやり取りが良い。キャストも豪華で、それぞれ個性的なキャラクターを熱演していて魅せられました。ミステリー仕立ての物語も大変面白かったです。
(キューブリック+三谷幸喜)÷2
アステロイドシティの予告編を見てフェスアンダーソンが気になりはじめました。今まで通らない映画の部類だったけど過去作の予告編をYouTubeで観て、一番観てみたかったのがこのグランド・ブダペスト・ホテル。どこのサブスクにもないのでアマプラで購入して鑑賞しました。
結果は大満足。とても楽しめました。このサイトの評価を見た限りあまり期待できなかった分、ハードルをしっかり超えてきてくれました。もしかしたら吹き替え版で観たのが良かったのかもしれない。この手のシュールコメディ洋画は字幕だと言い回しとかが細かく感じ取りにくくて笑いどころとか分かりにくいけど吹き替えならそんな問題なしで楽しめました。
カメラワーク、画角ほぼキューブリックやん。とずっと思いながら、そしてコメディ的要素は三谷幸喜とやり方がすごい似てたり、
本当は星4.0くらいなんだけどちゃんと楽しめたのに他が評価低いから「そんなことない!君は良くやってるよ!」
的感情で星0.5おまけです。
PS ヴォルデモートが主人公の映画
ウェスアンダーソン作品最初に観るならこの一本
監督作品の中で最も観る人を選ばない一本だと思います。
この作品は監督自身によって二つの制限が設定されています。
一つは画面サイズです。作品内の時代ごとにアスペクト比が違っていて、
物語の大半が正方形に近い画面になっています。これによってこの監督独特の美意識がどの作品よりもわかりやすいと感じました。
二つ目は「簡潔に物語る」を徹底していることです。
シュテファンツヴァイクという作家の言葉の影響と何かで見ましたが、初見時はテンポの早さに圧倒されました。
ムーンライズキングダムあたりもその傾向はあったように思いますが、より推し進められたような感じです。
簡潔に物語ることで、「なぜその人物がそのように行動するか」が非常にわかりやすく、かつテンポが早いことで次の展開から目が離せません。
以上二つの制限によって、エンターテイメントとして楽しみやすい上に、監督の個性もどの作品よりも伝わりやすいという、非常に素晴らしいバランスの作品です。
豪華
この映画はどこを見るかで評価が違う
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