「おっさん、強すぎるよ」フライト・ゲーム 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
おっさん、強すぎるよ
ネタバレあり。
上空12000mの大西洋横断中の航空機内。エアマーシャルのビルに「1億5000万ドル用意しろ。さもなくば、20分毎に乗客を殺す。」と言うメールが届く。しかし、振込先は自分名義の口座。時間は経過し、犠牲者が出る。完全な密室。自分以外の乗客乗員、全てが容疑者。原題が『Non-Stop』なのですが、文字通り、ノンストップで物語は進みます。
密室トリックに、アクション、サスペンス、様々な要素盛りだくさんの作品です。航空機での密室トリックと言えば『フライトプラン』がありますが、この作品にも、そのスタッフが参加しているそうです。どうりで、何となく雰囲気が似ていると思いました。
ずっとドキドキハラハラさせられるのですが、やっぱり突っ込みどころはあります。舞台は、イギリス籍の航空機。通常であればイギリスの管轄権が適用されると思うんですが、アメリカの法執行官は公権力を行使できるんですかね?ちょっと変な感じ化しました。それに関連して、機長が指示を受けるのも、アメリカのTSAなんですよねぇ。これはまぁ、まだアメリカの管制圏下であるからと考えることも出来なくはないですが・・・。
もっと突っ込みたいのは、パラシュート。飛行機はB787あたりだとおもうんですが、どうやってパラシュート降下するつもりだったんでしょうかね?B727なら、実際に飛行中にハイジャック犯がパラシュート降下したと言う事件が有ったので分かるんですが、どうしようとしていたんでしょうか?
物語終盤、高圧的な態度で反感を買ったビルは、NY市警警官のオースティン他に制圧されそうになります。そのシーンが、『ユナイテッド93』を彷彿とさせますが、劇中の登場人物のセリフにハッキリと“9.11”と言う言葉が出て来るので、“9.11”を意識したシーンというべきですね。それと、犯人の動機にも“9.11”は影響しています。って言うか、動機に関係するから“9.11”と言うセリフを入れたんでしょうね。
でもまぁ、余計なツッコミはやめて、無敵な強さを誇るリーアム・ニーソンの活躍を楽しむのが正しい鑑賞の仕方だと思います。