「日本文化炸裂。」西遊記 はじまりのはじまり ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
日本文化炸裂。
西遊記といえばマチャアキと夏目雅子とゴダイゴの世代。
あんなに面白かったドラマも(だから覚えてるんだろうな)
元を辿れば妖怪話だったんだけど、ゼンゼン怖くなかった^^;
今作は妖怪ネタもグロもちゃんと描かれて大人向け?ながら
ナンセンスなギャグはもう下らないのなんの。こりゃ~ドリフだ、
なんて思ったら、そういやドリフも「飛べ!孫悟空」なんていう
人形劇をやってたっけ(あー懐かしい)もう西遊記王国の日本。
監督C・シンチーの並々ならぬ日本文化造詣の深さに驚く。
どこで流れるの?と心待ちにしてしまったGメン'75。あー(爆)
ナレーションの入り方もバッチグーだ♪よく観察しているなぁ。
もう西遊記っていったらゴダイゴしか浮かばなかったんだけど、
これからはGメンと並行して思い出しそう。柔道一直線、もか?
思いきりよくオリジナルを取り入れ、三蔵法師が妖怪ハンター
だった頃(創作ですね)のお話をエピソード0に入れてきた監督。
髪の毛フッサフサだし、何か頼りなくて弱っちいハンター玄奘。
常にストーカー?のように自分を守ってくれる段(スー・チー)の
愛を受け容れ…たくても受け容れられず、まだ修行中という
身分が的を得ている。彼が三蔵法師となるまでの修練と行方、
妖怪三種(他にもたくさん)が、なんでまた彼の御供をすることに
なったのか…が楽しく(やや残酷に)描かれていく。今や日本も
妖怪ブームで凄いことになってますが、やはり孫悟空は王級。
それがあのハゲじじい…ってのもご愛嬌(でも狡猾だからねぇ)
まだギャグ入れるの?ってほどにナンセンス感がハンパなく、
空虚王子と三婆たちの会話なんていつまでやるの?と思う位で、
孫悟空と段のエクササイズ的なダンスも、まったく予告の通り^^;
まさか段が?と思うラストの展開は(その後を思えば確かに)巧い
が、それでアレが悟空の頭に…と思うと何気に切なくなってくる。
私情を抑えたGメンに相応しくハードボイルド感も失っていない。
(ハードボイルドGメン'75。熱い心を強い意志で包んだ三蔵たち)