「この少年に救いを」ファイ 悪魔に育てられた少年 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
この少年に救いを
誘拐犯に母の愛憎の感情を抱いた女性を描いた秀作邦画があったが、こちらは5人の誘拐犯に育てられた少年の話。
誘拐犯たちは凶悪犯チームなのだが、誘拐された頃の幼い記憶を覚えてない17歳になった少年ファイにとっては5人の“父”。兄貴分や友達や親戚のおじさんみたいな父も居れば、怖い厳格な大黒柱も。
学校生活では同級生の女の子が気になったり、傍目には“普通”の少年。
しかし、いつまでもそんなほのぼのとはしてないし、ましてや感動モノになったりしないのが、やはり韓国サスペンス。
大黒柱の命令で父親たちの“仕事”に加わる事になり、いきなり銃を持たされ、相手を撃て、と。
犯罪者としてのスキルを叩き込まれる。
そして、ある邸宅に押し入って知った、自分の出生の秘密。
病院で嗚咽するシーンは本当に見ていて辛くなる。
薄幸の少年どころじゃない、地獄で生かされた少年。
悪魔に育てられた少年は悪魔として生きるしかないのか。
“怪物”を倒し、歩んだ道は、そう思わずにはいられない。
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