サード・パーソンのレビュー・感想・評価
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そういうことだったのか。
ニューヨーク、パリ、ローマを舞台に、3組の男女が織りなすドラマが、
時とともに重なり、一つのストーリーへと繋がっていく。
という映画だったと思っていましたが、結末が近づくにつれて、
そうではないことがわかっていく、という映画でした。
見る人によって、解釈が変わる映画だと思うのですが、
おそらく3つのストーリーではなく、3つの小説を執筆していくという
小説家の1つの話。
3つのストーリーが重なっていくのは、
この作家が、実体験をもとに書く、あるいは実体験をもとにしか
書けないスタイルの作家だからだと思われます。
「私を、見て」という子どもの願いを
聞き入れず、愛人との電話に気を取られ、
子どもを溺死させてしまった作家が、
その過去を引きずりながら3つのストーリーを執筆する物語。
3つのストーリーの登場人物は、すべて
子ども絡みの苦悩を抱えています。
ここまでが、一度見た、感想。
二度三度見ると、違うことを言ってるかもしれませんね。
深いですよ、この映画は。
単純な群像劇ではなかった映画
キャストもいいし
映画の雰囲気もいいし
それぞれのストーリーもそれなりだし
イイ映画な雰囲気に酔いしれてたら・・・
妄想オチにちょっとがっかり(苦笑)
でもまあ、それも含めて
程よく味わえる映画なんじゃないかと思う。
女優3人がそれぞれ魅力的なのもイイ!!!
愛人アンナ(オリヴィア・ワイルド)・・・
某Wさんを思い出した(萌)
ポールハギスの才能
3組の男女のそれぞれの関係を連続して描いて、それぞれの結末に向かっていき、次第に絡み合う物語。そして行き着くところ、虚構と現実の境目を覗くラストシーンへ。一度じゃ判然としないフィクションとノンフィクション。これは面白い。
ここまでのプロットを携えるポールハギスの才能はえげつない魅力。
おそらくリアルはリーアムニーソンと妻と愛人か。もしかしたら、愛人も今は既に?と思わせられた。見終わってからのが脳を使う。だからもう一度見たくなる。
小説上の物語も、一つ一つ魅力があると思う。その中でバッチリと現実に戻す絶妙な展開。絶賛しかして無いな笑
いやー面白かった。
正解はポールハギスにしか分からないんでは無いか。もしかしたら正解が無いのか。んー。やばいです。
これは相当に手ごわい。(※おおいにネタをバラしてます)
はれ?これで終わるの?
何で消えてくの?
結局誰と誰が知り合いなの?
それが、見終えたときの正直な感想だった。
ただそこに退屈さや失望はなかった。むしろ、読み終えた本をあわててめくり返してどこが伏線だったのか確認したくなるような、そんな衝動が、いまある。
残念ながらそれは、もう一度映画を観るしか方法はなく、そのじらされ感こそが、この映画の魅力なんだろうと思える。
公式HPをのぞいて、少し晴れた。
いっぱいヒントが隠されている。予告の中の台詞がすでに答えになっているし、「白いバラの部屋」は実は違う部屋だったことハッとした。「三つの都市の3組の男女」は存在してなくて、むしろ、「スランプに陥った作家と愛人の現在と過去が混在した小説の世界」なのだ。
架空の人物だからこそ、消えていくのだ。
冒頭、タクシーに乗り込むシーンで、なんとかホテルに言ってくれと頼むと言い直される場面があるが、それは、似た名詞について注意せよとのフラグに思える。たぶん、見落としたものはもっとあるはずだ。
「子供に固執する親」が何人も出てくるが、まだどれがどれか、理解し切れていない。たとえばひとつ挙げると、アンナ(オリビア・ワイルド)がまさか父親とそういう関係だったとは衝撃で、それゆえに人の愛し方が歪んでいるのかと腑に落ちる。
そんなアンナが抱えていた秘密を、最新刊の小説(つまり、「彼」を主人公にした日記だ)でばらされたとき、「裏切られた!」と物語るあの眼は絶品だ。
そして、「信頼」の白いドレスを着たアンナが去って行く。他の二人と残像と交差しながら。
何度も「watch me」と囁く声の主は、公園の噴水の縁に腰掛けた少年で、作家とその少年との関係のトラウマが、このストーリの鍵なのだろう。育児を怠り水死したであろう息子か? もしくは、自分自身の過去か?・・・
いやあ、観たあとで、いろんな想像がめぐるめぐる。
パズルを組み立てるというよりも、数式を解く、といったほうが今の感情に近いかもしれない。
作家はつらいよ。
いかにもP・ハギスらしい脚本、多重構造の人間ドラマが
幾つかのパートで描かれた後、ひとつに集約される、という
お得意のパターンで描いているんだな?とまずは思った。
一見、誰も関係ない各々であるようでいて、何やら胡散臭い。
其々の地で(パリ、ローマ、ニューヨーク)話は展開していき、
どこか共通項があったりもする(=子供)という、複雑な話を
また長ーく長ーくこれでもかと説いていくのがこの人の特徴。
最終局面でアレ?と思うあの展開と、その後の映像で今作の
謎がぜーんぶ繋がっていく。あーそういうことか、やっぱり。
…いや~。作家って、ホントに大変な職業なんですねぇ。
特に小説に興味がなくても、何らかのきっかけで読むことは
あると思う。その中に登場する人物を、一体どんな奴だろう?
と想像しながらも、「これは私に似ている」と思うことがある。
作家もそれを狙って読み手を惹き込んでいくのだろうが、
誰にでも暴かれたくない秘密や、消してしまいたい過去など、
他人には知られていないはずのことが一つや二つあるはず。
そこを赤裸々に描くということは、何らかの経験や聞きづて、
必ずいるとは限らないけど、知人・友人・家族のモデルケース
を例にとり、妄想仮想入り混じった人物像を作りあげている。
自分自身ならいざ知らず(いちばん多い)、
よくあるのは身近な家族を例にしてしまうケースで、読んだ
家族がブチ切れて訴訟や絶縁にまで発展することもあるそうだ。
でもホラ、これはフィクションですから…と言ったって、
あまりに酷いリアルだと身辺を怒らせてしまうんだろうと思う。
それを考えてみると、決して難しい話ではないことが分かり、
赦せぬ後悔や過去の遍歴に囚われつつ、最新作を書かなければ
ならない大作家先生の生みの苦しみ(これはおそらくハギス自身)
が冒頭から延々と続いていたんだということが理解できてくる。
なにもここまで~引っ掻き廻さなくてもねぇ^^;と思うのが、
常に複雑に交差させるのが大好きな脚本家ハギスらしい仕上がり。
好き嫌いは分かれそうだけど、
とりあえず最後までどうなるのか分からない展開に、子供の声が
脳裏から離れなくなるところなど(幸せであり)怖くも感じられた。
(アクションしないリーアム親父。でも家族は大切にしないとね)
最後の最後になる程
何だこの構成は!?
訳わからん、チンケなオムニバスでもないだろうにと思いながら、且つ欲求不満が溜まる展開で進んでいきますが、最後の最後でなる程そういう意味!?
って感じの映画です。
ヨーロッパ映画はやはり自分にはあまり合わないなと改めて実感しました。
私には難し過ぎて・・・
え?意味が良く分からなかった。
あのお金渡したアメリカ人の話は事実?
小説家の昔の話?
それともフィクション?
結局あの小説家の考えてる事は一体なんなの?
ミラクニスの部屋の薔薇をメチャクチャにしてるシーンを見ると、冷静じゃない時は、もしかして子供に対して…とか思ったりもしました。
何を言わんとしてるのか、私には難し過ぎてよく分かりませんでした。
うまいタイトル
サード・パーソン…三人称。うまいタイトル。
というかタイトル自体が中身のネタバレになっている事に観終わって気付く。
この映画の「トリッキーな構造」の手がかりは、かなり早い段階で示されていて、そういう意味ではフェアだなと思った。
リーアムの濁った目がイイ。虚に潜ませた心情が悲しい。
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追記:
この映画、自分が許せない男(小説家)の壮大な言い訳なんだなあと思った。
自分を罰したい、でも許したい男の揺れ。
「 I (私)」の犯した罪(息子の死)に向き合えない。「He」「She」の話としてなら向き合える(自分の思いを、彼・彼女の話としてデフォルメして書き換える)。
そういうところが、ずるいというか、空しいというか、悲しいというか…。
主人公の空しさと、映画全体の「空」な感じがマッチしてるなーと、個人的には思った。
追記2:
私みたく「悲しいなあ」と思う人もいれば、いやいや希望を感じさせる終わり方だったよ(知人談)な人もいれば、技巧に走りすぎて白けるという人もいて、感想が千差万別・分かれるところも、映画の面白さだなあと思った。
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