「青くて痛い。」ソロモンの偽証 前篇・事件 ららるさんの映画レビュー(感想・評価)
青くて痛い。
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どこかしらにデジャヴを感じる映画だった。
多かれ少なかれ彼女たちのような正義感が昔の自分にもあったのかもしれない。
子供たちにはなるべく美しいものだけを見て健やかに育ってほしいという大人の気持ちも、「平穏」を大切にしたい学校の気持ちも、真実を知ることが良い訳ではないという世の中も、どれにも理由と言い分がある。そのやり方が本当に正しいのかどうかは別として。
でも、事件の当事者の彼女たちにはそれらは全て自分たちが信頼されていないこと、ただ大人たちの都合のいいようにされていることだと思え、反論する。
「心のなかを血だらけにされた」という言葉が印象に残っている。
主人公がイジメを見て見ぬふりをしたことを咎められるシーン。
自分を真正面から非難されたとき、心を見透かされたことに傷つき、綺麗事を述べていただけだった自分に失望する。
大人になると受け流すことや自分を納得させることがうまくなるけれど、14歳の多感な時期の、死にまで考えが及ぶその挫折が痛々しくどこか懐かしく感じた。
真実を知りたい気持ち、青い正義感、自ら進んで傷つく勇気。
友人の死は、「偽善者」という言葉は、14歳の綺麗な心にどれほど深い傷をつけたのか。
さらに傷つこうともそれを乗り越えようとする彼女たちを逞しく思ったし、真実を知った後の判決はどうなるのか、後半がとても楽しみになった。
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