「おにいさん 人は簡単に死んじゃうんだよ」まほろ駅前狂騒曲 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
おにいさん 人は簡単に死んじゃうんだよ
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映画「まほろ駅前狂騒曲」(大森立嗣監督)から。
鑑賞後のメモを眺めると、意外と「死」に対するメッセージが残った。
その1つが、まだプロローグと言える部分で、松田龍平さんが演じる
「行天春彦」さんが、公園の横の道を歩いていたら、
子どもたちの蹴ったサッカーボールが頭に直撃し倒れるシーン。
ボールが当たったくらいで・・という軽い気持ちで覗き込む、
子どもたちと指導者に向かって、ムクッと起き上がってこう言う。
「おにいさん 人は簡単に死んじゃうんだよ」
なぜか、このフレーズが印象の残った。
人間の一生なんて、誰もわからない。
老衰まで生きる人の方が少なく、病気や交通事故、自然災害など、
本人の意思には関係なく、昨日まで元気だった人が亡くなることはある。
冒頭のシーンでも、打ち所が悪ければ、死ぬことだってあり得るし、
ちょっとしたハプニングやアクシデントだからと、簡単に考えてはいけない。
そんなことをメッセージとして受け取った。
さらに物語ラスト近くに、病院屋上での会話が気になった。
「これが最後の春になるかもしれないな」と呟く老女。
「あの世なんてないよ。でも俺、あんたのこと、
なるべく忘れないようにする。俺が死ぬときまで。。それじゃダメ?」
「そりゃ、いいね」
さらっと流れたシーンであるが、とても印象に残った。
「死」というものをどう捉えるか、考えさせられた作品である。
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