「一握りの天才じゃない人の見失いがちな選択肢を見せてくれる『フランシス・ハ 』の話」フランシス・ハ ウシダトモユキさんの映画レビュー(感想・評価)
一握りの天才じゃない人の見失いがちな選択肢を見せてくれる『フランシス・ハ 』の話
いい映画でしたねー。
グッとくる感動とか、泣ける演出とかはないですよ。でも派手な出来事は描かれていなくても、主人公を好きになっちゃって楽しめちゃうタイプの映画だったように思えました。
ということは、主人公にノレなかった人にはなんだかつまんない映画になるでしょうし、主人公を好きになっちゃった人にはたまんない映画になったことでしょう。
オシャレっぽいモノクロ映像とかシェアハウスって要素でですね、もしかしたら日本で言う「テラスハウス」みたいな、僕みたいな田舎のおっさんの劣等感を逆撫でするような、いけすかねー映画だったらどうしようと心配だったんですけど。言うならばアレですよ、
大人になった『もらとりあむたま子』!
ひとり『桐島、部活やめるってよ』!!
天然系『じゃじゃ馬さんとビッグマウス』!!!
そんなカンジでしょうか。
ちょっと残念な人が、それなりに生き方を見つけていくお話です。
そのお話の結末が、僕にとっては最高のハッピーエンドのように思えました。奇跡で夢が叶えば、ファンタジーなお話としてノレなくなっちゃう。挫折で終わればシニカルなお話としてノレなくなっちゃう。
一握りの天才ではない多くの人達にとって、見失いがちな選択肢をさりげなく示してくれています。
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