「ラストは好きだが、それまでがイタ過ぎて疲れる」フランシス・ハ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストは好きだが、それまでがイタ過ぎて疲れる
妙に「フランシス・ハ」と言うタイトルが気になって(ハって何だろうってね)、ほとんどそれだけでの理由で見た作品でしたが、なるほど、ラストシーンでようやく納得、散々イタイ女の行動を見せられて、疲れたところで後味のいいあのラスト、締め方は本当に素晴らしかったと思いましたし、思わず興味を引くようなタイトルを付けた方のセンスも本当に素晴らしかったなと思いました。
人生はなかなか思い通りにはいかないですから、きっと少なからず見た人が共感できる部分のある映画だったのではないでしょうか。
ただ、主人公フランシスの行動がとにかくイタ過ぎて、見ていて疲れた(苦笑)
何故モノクロ映像の作品なんだろうかと見る前は?なところもあったのですが、もしこれがカラーだったら確かにイタ過ぎて見ていられなかったかも。
つまりはほろ苦さとモノクロ映像のマッチ具合が、絶妙だったと言えましょうか。
しかしまあ人はいつしか自分の人生に折り合いをつけて、夢はそこそこに妥協点を探しつつ大人になっていくものですが、フランシスの能天気さ、自覚症状のなさ、友人依存症でタイミングの悪い勘違い女ぶりには、あきれるばかり。
まあどこかチャーミングな部分もあるので映画として見てる分には許せますが、リアルでは出会いたくないタイプ、でも間違いなくいますよね・・・。
これは女性なら自分の中にあるフランシスな部分に共感し応援したくなる映画なんでしょうが、男目線だとやや共感度は女性より低くなるかも。
演じたグレタ・ガーウィグは極上の美人ではないものの普通よりは断然可愛い方ですから、嫌いにはなれないけど、やはり好きとも言い難く(苦笑)
よくよく考えるとラストの成長もようやく普通の人間の思考に近づけたぐらいの話ですし、まあこの手の映画は本来は好きなんですが、今回はまずまずぐらいの満足度でしたかね。
ちなみに「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のカイロ・レン役でブレーク中のアダム・ドライバーが出演していますので、ファンの方は必見ですよ(私はあまり好きじゃないですが)