思い出のマーニーのレビュー・感想・評価
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どうしてこの世にいるのか
杏奈に限らず、どうしてどうやってこの世に生まれてきたのかは自分では分からず、誰かに見守られ、語られることによってしか確かめられない。思春期の存在の揺らぎを描いたという点で、普遍性のある物語だと思う。
地味だがそれが良い、ジブリの隠れた名作
アカデミー賞ノミネート作品ということもあり、物語の構成は完璧で、杏奈とマーニーの関係や心情が丁寧に深く描かれている。
不思議な話にも関わらず、伏線回収がしっかりしていて最後のオチでも納得してスッキリ物語が終わる。
世間の評価は低いようだが、個人的にはジブリの中でもトップクラスに大好きな作品。
オチが強いけど、ストーリー展開的にはとても平凡であるため、一見すると、「百合だかイマジナリーフレンドだかに見えてた杏奈とマーニーの話が、最後のオチでびっくりして、はい終わり、杏奈回復してハッピー」なだけに感じでしまう。
しかしこの作品のウリはそこではないと思った。
この作品は「ストーリー」ではなく、杏奈とマーニー2人の心がメインである。
特に全体を通して主人公、杏奈の心情の機微がとても丁寧に描かれている(物語が進むにつれて、杏奈のお礼が「すいません」から「ありがとうございます」へ変わったり)ので非常に感情移入し易かった。
マーニーの心情が直接表現される描写は少ないが、マーニーの正体を分かった上で振り返ると、霊マーニーが杏奈の前に現れたことや実在したマーニーの背景からこちらにも非常に感情移入できてしまう。
なぜ杏奈は湿っち屋敷に、マーニーに惹かれたのか。なぜ湿っち屋敷のマーニーは杏奈に会おうとしたのか、もしくはなぜ杏奈の頭の中の人物であるマーニーが実在した形跡があるのか。
これらの答えを、杏奈とマーニー2人の視点に立って考えてみるとより楽しめるし、感動できる。
共感と違和感
しばらく前に視聴し共感が心に残っていたので再視聴。ストーリー的には切なく悲しくもハッピーエンド。男であっても涙する人は多いかもしれない。
しかし、前回感じていた違和感は今回も払しょくできず。やはり舞台設定に無理があるのかもしれない。
北海道道東のあのあたりかと想像できるが、豪奢な屋敷、リッチな白人夫と放蕩妻の夫婦、豪華なパーティーなど、あのあたりで果たしてあり得るだろうか?という違和感がどうしても拭えない。(道民の方で気を悪くされたらごめんなさい)
仮に関東や関西の高級別荘地ならそれほど違和感はなかったかもしれない(←これも自身の狭視野的な固定観念に過ぎないのだろう)。実は最初は関東が舞台と思っていた。
想像するに監督以下制作陣の「都会感覚」が勝ちすぎてしまったのだろう。
と苦言を述べたが、それらを差し引いてもプラスの印象はまだ残る。
個人的に気に入っているのが終盤登場するメガネっ娘! 彼女の存在こそ主人公にとってのファントムストーリーを断ち切る重要なキーパーソン。そして視聴者にとっても救いの女神(妖精か?)。おかげで爽やかに見終えることが出来た。
1912--
名作です
繊細な心の機微を美しいアニメーション映像で仕上げた、名作だと思う。
養子という生立ちもあって、コミュニケーション障害を抱え、表面では良い子だけど自分の本当の気持ちを明かすことができず、自己否定の感情に苛まれている(加えてストレス性の喘息も持っている)女の子。そんな主人公が、ひと夏の奇跡的な体験を通じて、自分の孤独な内的世界から一歩踏み出し前へと進んでいく、そういう話。子供に理解の難しいところは、一緒に見た大人が解説してあげる必要があるかも。
「私は私が嫌い。」「太っちょ豚!」といった印象に残る名言(?)がてんこもり。
またアリエッティもそうだけど、米林監督のアニメーションは作画がとても綺麗で、外国の児童文学の世界を上手く日本のアニメーションに落とし込んでいている(本作は北海道が舞台になっている)。ぜひ新作を作ってほしい。
信じる者は救われる‼️❓
テレビの録画。
観てたら、自然に泣けてきた。
ファンタジーにではなく、ヒロインの置かれた環境に対して。
現実が地獄なら、霊的にでも、祖先に、藁にも縋る、その気持ちはわかる、救いは心の中にある。
だから、原作が読み継がれてきたんだろう、リアルな苦しみは、自分に当てはめて感じられるので、複雑な感情を持て余し気味にはなります。
マーニーの声が有村架純と知り、深いな、彼女は、感嘆しました。
なぜか、声優がみんな、その人そのものに感じました。
人間の悪魔の部分と天使の部分を垣間見て、人間の非情さと温かさを感じました。
ある意味、小さな、バイオレットエバーガーデン。
良い映画でした、是非。
盛りだくさんのジブリ要素
金曜ロードショーで放映されていたものを拝見。
「あれっ?これはトトロで観たシーンでは?。千と千尋で観たシーンでは?」と過去のジブリでいつか観たシーンの寄せ集めな感じ。(食事のシーン、湿地のシーン、女の子が驚くシーン等)
それでも分かりやすいストーリーと、ジブリらしさ満載のファンには心に残る一作でした。
思い出は奥底から
自分の事が大嫌いの時が若い頃にありました
高校を出て仕事をし始め、酒を覚えて体たらくな日々を暮らしていた頃です
未来のことも考えず、毎日のように酔っ払い飲みに行くことが1番楽しかった頃、酔って家に帰り姿見の前に座り込みじっと自分を見つめていた時に
「お前、誰だ? お前、毎日ないやってんだよ」
と自分の姿に話しかけていた頃がいちばん楽しい頃だったけどいちばん自分が嫌いだった頃だったな
将来の不安から目を逸らして酒に逃げて酔えば楽しくてどんどん飲んでいた頃だったな
杏奈のようにその思いから救われるような劇的な事はなかったけど、今は自分を好きになりかけています
彼女の「思い出」がこの物語そのものなのでしょうね
周りにいる人たちの優しさに気がつくことができるまでのストーリー
この先、何度もこの地を訪れるのでしょうね
かなり前にこの作品を見ているはずなのにその時はあまり心に響かなかったけど、今なら分かります
もっと若い頃にわかっていたら…
でも、遅くない、今だっていいではないか
気がつけただけで、それだけで幸せな気持ちになれました
そんな事をおの頃とは違う飲み方をしながら見ていました(やっぱ飲んでんじゃん)
「ふとっちょブタ」には笑った。 特に大きな事件もなく、淡々としたス...
「ふとっちょブタ」には笑った。
特に大きな事件もなく、淡々としたストーリーではある。
マーニーとは何者なのか、マーニーが住んでいる家はなぜ昼間は空き家なのに夜になると人がいるのかという謎が徐々に明らかになる過程は引きこまれた。
私は私が嫌い
喘息持ちの12歳の一人っ子杏奈は、空気のきれいな叔父夫婦のところで過ごす事になった。古びた屋敷を見つけのぞきに行ってみたが誰もいなかった。外人の別荘として使われていた様だった。
病気がちはかわいそうながら性格いがんでるのかな。私は私が嫌いと言う。勝手にボートを繰り出し夢に出て来たマーニーと出会って話をした。単に空想の話なんだろうな。こんな勝手な子が家に来たら困るだろうね。精神を病んだ子の話なのかな。そう言っちゃ身も蓋もないかと思ったけど、最後にどんでん返しだったね。
意味分からなくてつまらないのは種明かしが遅すぎる ちょくちょくマー...
意味分からなくてつまらないのは種明かしが遅すぎる
ちょくちょくマーニーが曽祖母である事を匂わせるシーン挟めば理解できて面白いのに
ずっとマーニーなんやねんこれどういう話やねんて雑念がすごい集中して観てられない
ハウルからポニョを除いてずっと意味不明
そして今年は「君たちはどう生きるか」
メッセージ性がどんどん強くなってきてしまいにはこれだ
大衆の求めるジブリはどこへやら
ジブリの中ではストーリーが一番良くできてる❗️
ジブリは好きだけどこの作品はこれまで興味がなかった。
ようやく観たけど、ストーリー構成はジブリの中でも一番旨く出来て良かったように思う。
ジブリの中では地味な作品だが名作ですな。
わざとらしい
これでもかというくらい登場人物たちの仕草や会話がわざとらしい。語尾が「~だわ」調なところとか、そこら中のわざとらしさ不自然さが気になってしまって映画そのものに集中できない。出てくるキャラクターたちの印象は例外なく薄く、もちろん思い出にも残らない。ラストもラスト、窓辺からマーニーのシーンだけは良いと思う。でもそのシーン1つのためだけに2時間はあまりに長すぎる。
ジブリの怪
解せぬ。。
申し訳ないけど、ここに出てくる登場人物はRPGの村人みたい。内側に何らかの動機とか怒りとか悲しみを持ってるように見えないんだよ。
作画はすごーく豪華だけど(見た目は地味だけど)、アングルとかが妙に冷淡。なんでこんな客観的な視点なの。ぜんぜん心を掴まれない。むしろ積極的に距離を取ってくるタイプの画面(最近の演出家には多い)。
ラスト間際になっても「彼女」ともう会えなくてさみしいとか、二度と戻らない時間が切ないとか、そういう本来この作品が呼び起こすはずの感情がビタイチ起こらない…
ただ「お話」を消化するためのご都合でみんな行動してるって感じ。
ボートの舳先に立つくだりだって、位置づけ的にはすごくキラキラしたいい場面のはずなのに、すごーく平熱。
かといって薄気味悪い不穏さがあるとかでもないし…
パーティは「シャイニング」とか、サイロは「めまい」みたいとか、そういうシチュエーションの類似性はあるのに、それらにあった現実が揺らぐような幻惑感はまるでなし…いいけども。
ネタ的にラストのオチで回収するタイプの構造になっているからって、そこに至る過程が退屈でもいいってことにはならない。むしろそこが本題でしょう。
こんなことになるなら、そのネタもっと早くに匂わしてもよかったんじゃない?
そもそも家族との関係に悩んでるはずなのに、家族の存在感がまるでない。あんないい家族と、どうしてなの?みたいな違和感もない、つまり引きがない。
サービス精神がまるでないんだよな。
ホラーとかサスペンスの味付けも可能な設定だと思うけど、そういうジャンルものにも興味なさそう。かといってキャラクターたちの描写も表面的で、展開に奉仕するための操り人形みたい。それでゲームの村人みたいに見えるというわけ。
冒頭から、心を閉ざして絵の中に逃げ込んでいる(まあわかる)→親戚の家に預けられて不本意(に見えないけどたぶんそう)→親戚の人と普通に会話(ん?)→初めて見た洋館の近くに行くためにわざわざ靴脱いで水に入る(元気じゃん…?)、とどんどん主人公のキャラクターを見失ってしまう。
周囲に心は閉ざしてるがあの特別な館には魅入られてしまったというなら、それまでの描写をもっとはっきり周囲に興味がないように強調しておかないと観てるこっちには伝わらない。
そういうタメがなくて、ずーっと同じ温度、テンションでストーリーだけがボートのように滑っていく。
開始30分、いろんな場面があって、いろんなことも起こってるはずなのに、主人公のことがまるでわからない。
そして重要なキャラクターである「おばちゃん」と主人公の場面がなさすきで、ほとんど空気なのも痛い。
透明感ありすぎる作風…?日ごろ味つけの濃いジャンクフードばかり食べてるせいか、上品すぎてほとんど水みたい。せめてポカリ程度の味は欲しいし、肝心なことはセリフじゃなく絵で見せてほしいな。
申し訳ないけど、いくら監督としてのキャリアが浅いとはいえ、これだけのお膳立てを与えられてる以上、一定の批判は免れないと思う。でも結局は「ゲド戦記」と同じくプロデューサーの問題なんだろうな。
ちなみに脚本家の1人もゲド戦記と同じ人。うーん。。
さらに申し訳ないけどこれなら口出ししたくてうずうずしてた宮崎駿の「スパイが跋扈してた戦前(?)の軽井沢が舞台」というアイデアをいただいた方がまだよかったんじゃないかと思う。
若い監督にはハードル高いでしょうし、純度の高い女子ムービーには無用な雑味だったんでしょうけど。。
あといつの間にか監督を乗っ取られるリスクもあるし(前科あり)。
今でも不思議なのは、鈴木プロデューサーはなんで監督として確実に適性のある高坂希太郎(「若おかみは小学生!」)とか山下明彦(「透明人間」)とかに監督させなかったんだろうっていうこと。まじで謎。むしろ怪。
作品の引力が薄い
持病の喘息と、出生にまつわるとある理由から、学校では友達の輪にも入れず、家族にも距離をおく、心を閉ざし、強力なATフィールドをもった少女・あんなが主人公。
療養のため、夏休みに根室に近い干潟のある海辺の街へ滞在することになるあんなだったが、とある夕刻(夜)、干潟の向こう岸にある洋館に、彼女は金髪の少女・マーニーの姿を見出す。
干潟に満ち引きする水のように、穏やかに繰り返す、夏に二人の少女達の小さな出来事を積み重ねていく…
のが、眠くて!(笑)
実はちょっとしたミステリーになっているお話で、すごくいい話なんだけど。
ものすごく好きな内容なんだけど。
『アリエッティ』以上に、キャラが淡々と「実はこうなんだ」とセリフを語り、成り行きのまま「こうなっちゃったんだ」という状況を受け入れていくのね。
言っちゃうと、設定の答え合わせ会話劇。
原作準拠っちゃそうなんだけど。
アニメ、映像にするなら、例えば閉ざしていた心を開くことで美しくなっていく瑞々しい少女の笑顔を描くとかさ。
何か「見せ方」演出なり作画なり脚本の工夫なりをするべきじゃなかったのかな?と。
アイドル映画みたいな平板さを感じました。
観ていて「引きつけられる力」、作品の引力が薄い。
実際好き嫌い評価軸なら、好きな作品だけど。
観客を魅了する、引っ掛ける力の不在。
背景美術が一番印象に残る。
一本の映画として観た場合は、厳しい内容だと思いました。
産地も有名、素材も間違いなく美味しい、けど味付けが薄すぎて、料理としてインパクトはうすく、盛り付けも失敗して、皿の柄しか覚えてない日本料理みたいな作品の印象。
……地上波で久々に放送していたから、昔ブログに書いた感想をペタリ。
自身の境遇から心を開けない少女がマーニーとの出会いで心の成長の物語...
自身の境遇から心を開けない少女がマーニーとの出会いで心の成長の物語。
同じ境遇でないにしろ、こういった複雑な心を持った子って今の時代けっこういるのでは思ってしまう、そういう意味ではリアルっぽい感じだった。
ジブリな感じとはちょっと違う気はするけど、これはこれで米林監督らしい映像で綺麗だった。
現実と幻想の狭間
小中学生の頃は、ひと夏で大きく成長してしまうことがありますが、今作はまさにそんな誰もが体験するような思い出を描いていて、すでに成人して久しい大人にとっては、どこか懐かしさを感じる作品でした。夢と現実が頭の中で混じり合ってしまうようなことが子供の頃はありますが、そんなファンタジックな雰囲気も楽しめつつ、終盤の意外な展開がなかなかの見所でした。
近藤喜文の雫がそこにいた
夢の中の抽象さと、少女の心の傷をしっかりと具体的に描き、それらを両立させたまま物語は進む。その心のコントラストが素晴らしいと感じる。
宮崎作品のハツラツとした女の子ではなく、影があり、また奥ゆかしさがある。近藤喜文がかつて描いた雫がそこにいた。
物語が進むのではなく、1人の少女の心の変化を追っていく。宮崎・高畑の息がかかっていない本作。今までのジブリとは違うかもしれない。ただ、1人の少女の心の内面をしっかりと描けた素晴らしい作品だと感じる。
何よりも見終わった後に、杏奈の事をとても大事に思い、親身になっている自分自身に気付かされる。これは宮崎作品のキャラクターには感じなかった心情だった。
米林監督は魔法やファンタジーよりも、人間の心を描く作風の方が合っているとさえ感じた。
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