「地味だがそれが良い、ジブリの隠れた名作」思い出のマーニー ハリポタ最強さんの映画レビュー(感想・評価)
地味だがそれが良い、ジブリの隠れた名作
アカデミー賞ノミネート作品ということもあり、物語の構成は完璧で、杏奈とマーニーの関係や心情が丁寧に深く描かれている。
不思議な話にも関わらず、伏線回収がしっかりしていて最後のオチでも納得してスッキリ物語が終わる。
世間の評価は低いようだが、個人的にはジブリの中でもトップクラスに大好きな作品。
オチが強いけど、ストーリー展開的にはとても平凡であるため、一見すると、「百合だかイマジナリーフレンドだかに見えてた杏奈とマーニーの話が、最後のオチでびっくりして、はい終わり、杏奈回復してハッピー」なだけに感じでしまう。
しかしこの作品のウリはそこではないと思った。
この作品は「ストーリー」ではなく、杏奈とマーニー2人の心がメインである。
特に全体を通して主人公、杏奈の心情の機微がとても丁寧に描かれている(物語が進むにつれて、杏奈のお礼が「すいません」から「ありがとうございます」へ変わったり)ので非常に感情移入し易かった。
マーニーの心情が直接表現される描写は少ないが、マーニーの正体を分かった上で振り返ると、霊マーニーが杏奈の前に現れたことや実在したマーニーの背景からこちらにも非常に感情移入できてしまう。
なぜ杏奈は湿っち屋敷に、マーニーに惹かれたのか。なぜ湿っち屋敷のマーニーは杏奈に会おうとしたのか、もしくはなぜ杏奈の頭の中の人物であるマーニーが実在した形跡があるのか。
これらの答えを、杏奈とマーニー2人の視点に立って考えてみるとより楽しめるし、感動できる。
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