「作品の引力が薄い」思い出のマーニー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
作品の引力が薄い
持病の喘息と、出生にまつわるとある理由から、学校では友達の輪にも入れず、家族にも距離をおく、心を閉ざし、強力なATフィールドをもった少女・あんなが主人公。
療養のため、夏休みに根室に近い干潟のある海辺の街へ滞在することになるあんなだったが、とある夕刻(夜)、干潟の向こう岸にある洋館に、彼女は金髪の少女・マーニーの姿を見出す。
干潟に満ち引きする水のように、穏やかに繰り返す、夏に二人の少女達の小さな出来事を積み重ねていく…
のが、眠くて!(笑)
実はちょっとしたミステリーになっているお話で、すごくいい話なんだけど。
ものすごく好きな内容なんだけど。
『アリエッティ』以上に、キャラが淡々と「実はこうなんだ」とセリフを語り、成り行きのまま「こうなっちゃったんだ」という状況を受け入れていくのね。
言っちゃうと、設定の答え合わせ会話劇。
原作準拠っちゃそうなんだけど。
アニメ、映像にするなら、例えば閉ざしていた心を開くことで美しくなっていく瑞々しい少女の笑顔を描くとかさ。
何か「見せ方」演出なり作画なり脚本の工夫なりをするべきじゃなかったのかな?と。
アイドル映画みたいな平板さを感じました。
観ていて「引きつけられる力」、作品の引力が薄い。
実際好き嫌い評価軸なら、好きな作品だけど。
観客を魅了する、引っ掛ける力の不在。
背景美術が一番印象に残る。
一本の映画として観た場合は、厳しい内容だと思いました。
産地も有名、素材も間違いなく美味しい、けど味付けが薄すぎて、料理としてインパクトはうすく、盛り付けも失敗して、皿の柄しか覚えてない日本料理みたいな作品の印象。
……地上波で久々に放送していたから、昔ブログに書いた感想をペタリ。
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