ファーナス 訣別の朝

劇場公開日:

ファーナス 訣別の朝

解説

クリスチャン・ベールが主演、レオナルド・ディカプリオ、リドリー・スコットが製作、「クレイジー・ハート」のスコット・クーパー監督がメガホンをとったクライムドラマ。米ペンシルバニアの田舎町を舞台に、地元の犯罪組織と関わってしまった弟を助けるため、元受刑者の兄が決死の覚悟で戦いを挑む姿を描いた。溶鉱炉(ファーナス)から絶えず白い煙がのぼる鉄鋼業の町ブラドック。年老いた父親の面倒を見ながら製鉄所で働くラッセルは、貧しいながらも恋人リナと過ごす時間にささやなか幸せを見出していた。しかし、イラク戦争で心に傷を負った帰還兵の弟ロドニーが、ある事件に関わったことから、ラッセルの運命は大きく変わってしまう。

2013年製作/116分/PG12/アメリカ
原題または英題:Out of the Furnace
配給:ポニーキャニオン
劇場公開日:2014年9月27日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4

(C)2013 Furnace Films, LLC All Rights Reserved

映画レビュー

4.5対の連なり・光と影が、かけがえのない物語を紡ぎ出す

2014年11月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

大切なもの全てを奪われながらも、筋を貫く男の話。
文字にすると、身も蓋もない。しかし、これが実に至福の2時間弱。とにかく、映像が深い。そして、悲しいほどに美しい。
この映画を面白くしているのは、似て非なる、AとBの対比だ。堅実な兄と地に足がつかない弟、看る者と看られる者、鉄鋼所での仕事と刑務所での作業、収監された兄と戦地へ赴く弟、愛を乞う者と拒む者…。様々なAとBが重なり、すれ違い、入れ替わり、物語を紡いでいく。刑務所で語らう兄弟は、どちらが収監されたのかわからないほどに囚われている。愛を乞う者も拒む者は、それぞれに代え難い悲しみに沈む。また、繰り返し描かれる、車の運転席と助手席という横並びの関係も印象的だ。そして、血みどろの拳闘と清廉な鹿狩りの並行展開が、物語を第一の高みへグイグイと導いていく。
後半は、フレームの連なり、光と影の対比が忘れ難い。小さな窓から覗きこむようにカメラが展開し、遠景から物語を捉える。あたかも、安易な共感や同情を拒むように。全てを飲み込むような重い夜が、じわじわと明けていく。穏やかな光に包まれた朝に、物語は第二の高みに至る。
そして、再び闇。漆黒の中から、うつむいた彼の姿が、輪郭のみ浮かび上がる。抑えた感情があふれ出すような、静かな凄み。何も見えないはずの暗闇を、ひたすら凝視した。これほどに納得のいくラストシーンは、なかなかお目にかかれない。
今年の映画…を思うこの時期、幸運にも忘れ難い一本に出会えた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
cma

0.5ザ・変態祭り、にならなかったから、ではない。

2014年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
しんざん

2.0【貧乏白人がもっと貧乏白人と殺し合いを演じる救いの無さ】

2024年8月18日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
jin-inu

3.5溶鉱炉のような煮詰まった日常

2023年11月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画の予告編を観ていて、急に興味をそそられる作品、というのがある。まぁ、結構ある。月に1回くらい「観たい映画リスト」に横入りしてくる。
「ファーナス/訣別の朝」もそんな作品の1つ。
豪華なキャストと、重厚そうな雰囲気に惹かれて観賞。

とにかく、主演のクリスチャン・ベイルが良い。過去、何度もクリスチャン・ベイルには泣かされて来たが、今作も例外ではなかった…。
何だかねぇ、彼の泣いている姿を観ると急に彼の感情が流れ込んできちゃったような感じがする。
悲しいとか、苦しいとかを感じる前に、涙を抑えられなくて「あれっ、泣いてる!」と思ってから「ああ、すごく切ないよ、寂しくて苦しくて耐えきれないよ!」という感情が追いつく、みたいな感覚になる。
不思議だけれど、大体いつもそうだから凄い。

弟を演じているケイシー・アフレックも良かった、ように思う。ケイシーから溢れ出る「弟感」はなんなんだろうね?実生活でも弟だから、なんだろうけど見事な弟ぶり。
逆に兄貴キャラとか観てみたい気もするけど、私の中で完全に「弟!コイツは絶対弟!」っていう意識が固まっちゃってるから、違和感バリバリでダメかもしれん。

ストーリー的には、予想通り。重苦しい雰囲気漂う男臭いヒューマンドラマのサスペンス仕立てで、大変美味しゅうございました。

余談だが、製鉄所のショットの印象的な使い方や鹿狩りのシーン、出征帰りの弟が「ファイト・クラブ」のような場所で刹那的なスリルに興じるところなど、「ディア・ハンター」みたいだなと思ってた。
旦那にも「ディア・ハンター意識してるのかな?」と言われ、私も私も!と同意し、レビューを見に来たら少なくない人数の人が「ディア・ハンター」の話をしていた。

まぁ、やっぱりそう思うよね!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
つとみ

他のユーザーは「ファーナス 訣別の朝」以外にこんな作品をCheck-inしています。