「重厚な演劇を観ているみたいだ。」家族の肖像(1974) いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚な演劇を観ているみたいだ。
ビィスコンティーは、フェリーニと並んで私が一番好きな映画監督である。この作品を公開時に鑑賞しているから、40年以上経過している。
私も老人と言われる年齢となったが、印象は40年前と余りに変わっていない。変わったと思うところは、家族の肖像の絵画は、皆よそ行きの顔をしていることだ。写真などない時代だから、絵画として残すしかなかった。当然、表向きの顔で、現実はこの映画のように、ドロドロの生活を送っていたはずだ。もちろん、教授も解っていたはずだか、それでも家族を求めざるを得ない人間の業を描いた作品だ。
中日新聞夕刊のコラムで知ったが、モデルはイタリアの文学者と知って驚いた。勿論、ビィスコンティ自身も投影されていると思うが。澁澤龍彦にも影響を与えているそうだ。
ドミニク・サンダやカルディナァレが出てくる。もうちょっと若いCCだと良かった。
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