劇場公開日 2014年6月28日

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「心地よい余韻」her 世界でひとつの彼女 Aoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0心地よい余韻

2014年7月31日
iPhoneアプリから投稿

幸せ

劇場を出て、映画の余韻から醒めない。いや、醒めたくないな。そう思わせてくれた映画に出会えたことが嬉しい。
セオドア演じるホアキン・フェニックスの演技が素晴らしい。その大きな瞳から見え隠れする感情のひとつひとつを愛さずにいられなくなる。そう、サマンサのように。
まず、職業がキュート。ガタイがよくて眼鏡に髭がチャームポイントで、エッチで、家に帰ればゲームばかり。そんなおじさんなのに、職業である手紙の代筆をする際のポエティックな感情表現は、あまりにも繊細。そんなキャラクター愛さずにはいられない!
彼の感情と共に、OSであるサマンサは誰よりも人間的にいきいきと、二人の感情のやり取りが丁寧に描かれる。サマンサの言葉は、誰かを愛するということについて、シンプルだけど大切なことについて語っていて、ドキッとした。真理を得てるな、と…。

間違いなく恋愛映画の傑作で、でも只の恋愛映画じゃない。ジャンルの枠にとらわれず、人間の感情を描いた映画として胸を打つもの。
脚本だけじゃなく、スパイク・ジョーンズのスタイリッシュなセンスが効いてて、どこまでも映画の世界に浸りたくなる。
大好きな映画のひとつになった。

Ao