「懐かしい風景」ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 yamayuriさんの映画レビュー(感想・評価)
懐かしい風景
クリックして本文を読む
アメリカの内陸地方は本当に何もなく退屈。しかもくじに当たったなんて知ったら、少しボケたウディーでなくてもその気になってしまう。この映画はモノクロというより銀と灰色の感じが、その年寄りのウディーと街の殺風景さを象徴している。ボケもあるが純粋なウディーはひたすら信じてリンカーン市へ向かう。それに付き合う次男の優しさ。子供って出来の悪い子程、最後は孝行するとは周りでもよく聞く話です。そして大金の話を知った親戚や元の友人達のたかる姿は人間の一番嫌な所がむき出しでゾーッとしましたが、ウディーだけでなく、そういう人々も悲しい。あのお母さんも口が悪く下品だけど、頑強に子供達を守る姿がチラリと見えてほっとしました。全ての人々から見えたのは、貧困さ故、皆がこんな生き方していると・・。たった1%の金持ち以外は皆貧しいアメリカ国民。なんか切実、だけど、そんな中でも家族は助け合い寄り添う。心温まる映画ではありますが、元仕事仲間のずるさ(次男が殴ってスッキリ!)とか、最後にたどりついた偽のくじ売り場の女性事務員が「アルツハイマー?」とか「高齢者にありがちよ」と当たり前な顔して言ってた場面見て愕然と落ち込んだのは私だけだろうか?あまりに現実すぎて後味悪かったでした。救われたのは次男の車とトラックを交換できて、ウディーが運転できたこと。80年代のあの頃を思い出しウルウルしてしまったのでした。
コメントする