劇場公開日 2014年2月28日

  • 予告編を見る

「痴呆でしょう」ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5痴呆でしょう

2019年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:70点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )

 冒頭、爺さんが当選したという怪しげな100万ドルをもらいに、どう考えても歩いて行ける距離ではない場所に歩いていく。もうただの痴呆の爺さんでしかないし、こんな爺さんなんか主人公の兄の言うようにさっさと介護施設にでもいれてしまえ、この耄碌爺の姿を最後まで見せつけられ続けたらきついなと思った。21世紀の作品なのに白黒なのも嫌だった。
 爺さんだけでなくその妻もきつい。言いたいことを好き勝手に言い相手の立場も感情も気にしない。爺さんの兄弟もおかしいし、その息子たちもおかしいし、昔の故郷の人もおかしい人が多い。そして知らなかった過去が次々に明らかになる。だがその辺りから少しずつ面白くなった。家族の関係もはっきりとしてきた。爺の妻の下品で他人を慮らない性格は嫌だが、爺の人生に与えた影響の大きさからも存在感があった。
 また物語としても、昔の圧縮機はどうなるのか・100万ドルはどうなるのかと期待させられた。100万ドルは嘘だと思わせておいて実はもしかしてどうにかなるのではないのか、あるいは100万ドルではないにしても何らかの代わりの物が手に入るのかという予測のつかなさに興味をそそられた。

 爺はアルツハイマーではないと作品中で言うが、まだ雪の残るモンタナから歩いてネブラスカまで行こうとし続けるところからして十分頭がおかしい。どこまでが元々の性格なのかわからないが、彼の設定に関しては疑問がある。

コメントする
Cape God