「親父には共感できないが仕方ないか」ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 いもりりさんの映画レビュー(感想・評価)
親父には共感できないが仕方ないか
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宝くじ当選者に人が群がるという話はいかにもありそうだが、
この映画の場合、主人公が本当に当選したかはかなり疑わしい状況で、
しかも主人公に群がる親族友人には、その分け前に預かるための正当な理由もない。
そういう半端な状況にもかかわらず、人間関係が破壊されても構わないような
強気な態度で無心をする親族や友人が多い。状況的にありえないだろう、と。
リアリティが感じられなかった。
父子の触れ合いもいまいち共感できなかった。
子の父を想う気持ちは素敵だが、父には共感できない。
詐欺の証拠が揃っているのに、そこを直視せずに本当と信じ込もうとしたことや、
子に大きな迷惑をかけるとわかりながら旅に付き合わせたこと、
乗れもしない高額な車やらを裕福でもない息子に買わせたことなど、
父のやったことは、子に相当な負担をかけることばかりである。
息子が、悠々自適に暮らす金持ちならいいだろう。
だけど、この映画の主人公のような庶民にとっては
数週間に渡る休暇の取得や数百万円の買い物は、本当に痛い。死活問題である。
この父は、息子がそういう苦しい状況になるということまで考えただろうか。
親子関係は千差万別だが個人的には、この父には共感できないの一言に尽きる。
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