アゲイン 28年目の甲子園のレビュー・感想・評価
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40歳以上の男性は必観です。
『アゲイン 28年目の甲子園』を鑑賞。
「とんぼ」の重松清原作の同名小説の映画化。
浜田省吾の10年ぶりの新曲「夢のつづき」が主題歌となっている事でも話題となっている。
28年前甲子園を目指す高校球児であった晴彦(中井貴一)の元に女子大生の美枝(波瑠)が訪ねてきた。
美枝は高校時代のチームメイト典夫(太賀)の娘であり、典夫は一昨年の震災で亡くなったという。
ボランティアでマスターズ甲子園の事務局に務めている美枝は晴彦にもう一度甲子園を目指すべくマスターズリーグへの参加を勧める。
しかし、美枝の父親である典夫は高校時代暴力事件を起こし、それが原因で晴彦たちは甲子園出場を断念した過去があった。
まず本作が万人にお薦めできる良作となっている事をお伝えしておく。
中でも40歳以上の男性には是非ご覧いただきたい作品となっている。
映画の基本テーマは誰もが共感できるものとなっており、野球に興味がない方でも必ず心に響くものがあるはずだ。
若かりし頃に思い描いた夢。
結果的に諦めた夢。
逃げ出したくなるような辛い出来事や思い出。
現在もずっと逃げ続けている事象など。
そんな誰しも必ず一つや二つは心当たりのある事に対し野球を通じて表現する今作は、危険な勝負を避け逃げる事を覚えた大人たちに一石を投じる作品となっている。
「負ける時はちゃんと負けて、そして前に進む」
劇中、何度も語られるこの言葉にこそこの作品の全てが込められている。
俳優陣の熱演、映像や脚本においても非常にクオリティの高い良作であり、先に公開され同じ野球を通じて描いた「バンクーバーの朝日」とは雲泥の差である。
魅せるところはきちんと魅せ、伝えたいテーマは確実に伝える。
映画はこうでなくてはいけないという見本であり、正に「一球入魂」を感じる作品であった。
良かった!
20年目の1月17日
完成披露試写会で中井貴一さんが書き表した「繋」がるの文字。
3.11の災害で父を亡くし、神戸の女子大に通うヒロインの「美枝」。みんなでふたたび目指す舞台は阪神甲子園球場。
公開が今年まで延びた理由と初日公開日の1月17日に、この作品を制作した陣営と重松清、大森寿美男監督のすべての思いが込められていると汲んであげたい。
困難を乗り越え立ち上がる歴史を繰り返してきた(アゲイン)日本と、そこに住まう激しくも優しい日本人のドラマ。
時と人が「繋がる」叙情あふれる人間ドラマの傑作だ。
これも親子試写会で中井貴一さんがいみじくも語っていらしたが、むずかしいところはひとつも無いすべての人が楽しめるエンターテイメント映画。観れば分かる。
久々に清々しい涙が流せる素晴らしい映画である。
公開日の韻を含め、「東映やるな」という気がした。
親子の繋がり、仲間と友情、野球の醍醐味、一杯詰まって泣けた(*´`*)
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