「人生は毎日がタイムトラベル」アバウト・タイム 愛おしい時間について ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は毎日がタイムトラベル
所謂「タイムトラベル」モノ、というだけで、余り予備知識を入れずに鑑賞に臨みました。映画ファンの間で割と評判が良かったものですから。ならチェックしてみましょうかと。
で、ずっと観ながら、この軽妙さと交互に来る人生訓的な僅かながらの重さというか、ライトなコメディでありながら何処かペーソスさも持ち合わせているような、この作風がですね、どっかで観た覚えあるなあ、とずっと思っていて。鑑賞後に調べてみたら、なんとなんと!この映画のメガホン取ったリチャード・カーティスという監督さん、『ラブ・アクチュアリー』撮った人だったんですね!あと『ブリジット・ジョーンズの日記』『ノッティングヒルの恋人』『戦火の馬』の脚本も手掛けているという!全っ部、自分のフェイバリットですよ!いやマジかと。通りで!通りでこのデジャヴ感だった訳ですね(それで監督名を覚えてないのは何事かって話ですが)!
いやあ、なるほどね。この監督だから楽しめた!ということでもないんですけど、品質の保証はされてた訳ですよ。本当素晴らしかったです。
まあ確かに「タイムトラベル」モノなんですよね。その観点で見ればSFなんでしょう。でもね、そこはそれほど重要なファクターではなくて。また『ラブ・アクチュアリー』や『ブリジット・ジョーンズの日記』の様なコメディラインで以ってそこまで激しく攻めてもいない。じゃあ、タイムトラベラーの主人公が真実の愛を手に入れるまでをドラマチックに描いた感動のラブファンタジー!かというと、それもまた少し違っていて。
伝えたいテーマってのが実に真っ直ぐなんですよ。「日常の何気ない生活を大切に、楽しく生きよう」って、まるで道徳の教科書に載っていそうな、健やかさや清らかさまで感じてしまうというか、本当に普遍的なんですよね。
人間というのは「生まれて、家族と過ごし、誰かと恋をして、愛し合って、結婚して、自分の家庭を持ち、暮らし、そして死んでいく」的な感じ。大まかに言えばですけど。
誰しも当たり前に生きているし、死んでいくんだよ、て、至極真っ当なお話で。純粋な人生賛歌になっていて。
冒頭で自分、予備知識入れずに鑑賞に臨んだ、て言いましたけど、これからご覧になる方も、その鑑賞方法で観に行かれるのをオススメいたします。ちょっと感動しますよ。