「愛おしい映画について。」アバウト・タイム 愛おしい時間について ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
愛おしい映画について。
タイトルどおり、とても愛おしい気持ちになれる作品。
監督が監督だけに、冒頭からずっとこの主人公の青年が、
H・グラントに思えて仕方なかった(もちろん顔じゃなくて)
コメディセンスもなかなかだと思ったら、B・グリーソンの
息子さんだったとはねぇ!俳優の遺伝子って素晴らしい。
父親役は私的に大好きなシェケナベイベー男、B・ナイ。
相手役のR・マクアダムスも最近ではいちばんの当たり役と
思えるほど愛らしい。なんかもう最強のキャストじゃない。
いわゆるタイムトラベルものといっても、ささやかなレベル。
主人公は身辺の時間移動ができるだけで、世界情勢などは
何も変わらない(そりゃ変っちゃ困るんだけど)
彼が頑張るその矛先は、自身の恋愛と家族・友人の幸せ。
そんなせせこましい世界で(ゴメン)右往左往する青年が、何と
涙ぐましくコミカルなことか!ささやかだからこそ彼に同情する。
誰かを救おうと奔走すれば、必ずや自分の運命に支障をきたす
というオマケ付きのタイムトラベルは、彼を幸せにも不幸にも
陥れる。しかし彼がまったくめげずに人生をやり直せる理由は、
もちろん傍らに愛する彼女(のちに妻)や家族がいるからであり、
この温かいファミリーから、今作は片時も離れることがない。
冒頭から、(例え彼女がいないのなんのと言ったってさ)
こんな温かい家族に囲まれて幸せじゃないのよアンタ♪である。
初恋はタイムトラベルを推しても無残に終わったものの、
次の本命は必ずや手に入れる!と再挑戦を繰り返す主人公の
いたいけな努力シーン、何度も初エッチを繰り返してみせる
オトコの行動と、洋服選びに何時間もかけるオンナの癖など、
要所要所で見せるコミカルな行動が共感を呼んでは笑わせる。
恋に一生懸命な男女が、やがて親になり家族を持って直面する
子育てや家庭の問題。時間移動は少しのタイミングで子供の
出生にも影響することを学んだ青年は、やがて父親の死を境に
ある決断をする。親子の会話と感動シーンが展開する後半では、
まさに涙が溢れること請け合い。この親子は(いやご先祖様も
おそらく)自身の今までの人生に感謝し続けてきたに違いない。
(おそらく過去に戻っても、私はまたこの人生になる予感が^^;)