「タイムトラベルができるからって「最後の最後にドッキリ」は隠れていません。素敵なロマンチックコメディを存分にどうぞ。」アバウト・タイム　愛おしい時間について　栗太郎さんの映画レビュー（感想・評価）

タイムトラベルができる特殊能力をもつ青年ティムは、おなじ能力をもつ父にアドバイスを受けながら、何度も過去へもどってやり直す。なのにちっともＳＦチックじゃないので、変に構えずに安心して観られる。コメディ的な場面も、イギリス人らしいユーモアで温かい気持ちになれる。コーンウォールとロンドンの街も、劇中に流れる音楽も、イギリスらしい魅力たっぷりだった。
ティム、メアリー、父親、ほかのちょっと一癖ある人たち、みな愛すべき人々ばかり。
最後にティムは、能力をつかうことの素晴らしさと、つかわないことの素晴らしさを知る。
そう、そんな能力などない僕でさえも、気持ちの持ち方の「秘訣」にさえ気がつけば、すばらしき平凡な毎日を送ることができるのだ！
二時間ばかりの映画だったのに、すごく中身の詰まった映画だった。僕は頬を濡らしながら、うれしい感情でいっぱいになった。

先日、「もしも、ドラえもんのどこでもドアかタイムマシンのどちらかがあるとしたら、どっちが欲しい？」と聞かれた。
今なら、「どちらもいらないよ」と笑って答えられるかもしれない。

超、オススメです。