「永遠の時を生きて」アバウト・タイム 愛おしい時間について レントさんの映画レビュー(感想・評価)
永遠の時を生きて
何度でも自由に時間を遡ってやり直しがきく人生。そう聞くとその人生に失敗はないように思える。おそらく本人が失敗を認めて諦めてしまわない限り。
好きな相手との恋愛を成就させたければ失敗を糧にしてその相手が振り向くまで何回でもやり直せばいい。こんなうまい話はない。そして主人公のティムはお目当ての彼女との恋を成就させる。この能力がある限り人生は安泰だ。
タイムリープ能力は過去にしか行けないが、過去を書き換えることで新たな可能性の未来が生まれるので思い通りに未来をも変えることができる。しかし、制約もあり自分の子供が生まれる前にまで遡ると生まれてくる子供が入れ替わってしまう。受精する精子の違いから別の子供が生まれてくる可能性が出来てしまうから。
ここでティムはタイムリープの限界を感じる。そしてもう一つは父のガンによる死だ。おそらく父も何度も時間を遡りガンに罹患しない可能性を探ったのだろうが、そうすると息子が生まれてくる前までに遡る必要が生じてそれを断念したのだと思われる。
本作は時間を遡行することで何度でも人生のやり直しがきく主人公を描いているが、次第に主人公はタイムリープをするのをやめるようになる。
いくらでもやり直しがきく人生、それは裏を返せば何度でもやり直しがきくのならその時その時の一瞬を大切にしなくなる。一度しかない限りある一瞬だからこそ大切にしたいということをタイムリープを繰り返してきたことで学んだんだろう。
何度でも繰り返せる人生、永遠に生きられるなんて逆にそんな人生の価値は薄れてしまうんだろう。命は一度きり、人生は一回きり、だからこそ尊い。
父ももしかしたら何回も人生をやり直して人より何倍もの長い人生を生きて、最後にはそれを悟り死を受け入れたのかもしれない。
永遠に生きることも可能な時間遡行。しかし、一瞬を生きることは永遠を生きることよりも尊い。その時その時の一瞬を永遠のものと感じるように生きられたらそれでいい。
本作はタイムリープを扱ってはいるが、がちがちのSF映画ではなく、あくまでもラブコメファンタジーとして観るのが正解なんだろう。SFオタクの自分としては物足りない気がしないでもない。
出来たらタイムリープを封印した主人公が人生最後のタイムリープの選択を迫られるような展開も見てみたかった。
たとえば愛する妻が病気で亡くなる。その現実を受け入れられないので彼女が死ぬ前に戻り何度も人生を繰り返す。やがて妻は彼に言う、もう時を遡らず前を向いて生きてほしいと。
ハッピーエンドもいいけどこんな切ないラストも見てみたいな。
いやいや浅はかだなんてそんなことないですよ。色々ありがとうございます。私は同じ作品でも自宅で鑑賞するよりも映画館で鑑賞した方が感動し評価が上がります。作品と過ごす時間もかけがえのない時間なので(映画は大親友なので)本当はもっと劇場に行きたいです。
表向きはハッピーな描き方ですが、裏テーマは哲学的なのでずっと考えさせられてしまいました。タイムリープをテーマにする作品があとを経たないのは、それだけ人間は今を生きられていないのかもしれませんね。若者でも老後の話で持ちきりです(これは政治が悪いんです)実際はタイムリープなんて夢物語なのでだからこそ、「今」なんですよね。コメント嬉しかったです。ありがとうございました😊
僕は人との「別れ際」という時間が大好きで、その濃密な名残惜しさのひと時をその人の目を見ながら過ごします。
この何にも代えがたい大切な一瞬を、そう、いつも終わりの時だけでなく出合いの最初から意識して持つ事が出来たら良いのだと気付きました。
楽しい映画なのですが、意外や意外、哲学的でもあり観る側の新しい生き方をサジェストしてくれる特異な一本だと思いましたね。
共感ありがとうございました😊
共感ありがとうございます。
主人公は父の運命を何とか受け入れますが、妻や子について悲劇が待っているとすれば激しく動揺したでしょうね。過去を変えても動かないゴール、パート2が出来る余地がありますね。
おはようございます。共感有難うございます。
最近、有難いことに多くの方から共感を頂くのですが、その度に他のレビュアーさんの昔のレビューを読みます。
皆さん、素敵なレビューを書いていらっしゃるんですよね。
”命は一度きり、人生は一回きり、だからこそ尊い。”
私も、この作品は主人公の青年が、このことに気が付く事が重要ではないのかな、と思ったモノです。では。