「主人公って本当に成長した?」アバウト・タイム 愛おしい時間について takoさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公って本当に成長した?
同監督の『ラブ・アクチュアリー』がとても良かったので、視聴。
エンドロール見ながら「……は????」となったのは久しぶりです。
(いや視聴中からなってたか…)
最初から最後まで主人公を好きになれなかった…タイムリープを使えることに胡坐をかいて生きてる感じがずっと気に障る。最初のうちは笑えたし、後から成長するんだろうなーと思ってたからそれでもよかったんだけど、いつまでもそんな感じでその場しのぎで生きていく。
主人公、ストーリー上での成長が見られない。(ナレーションで成長を説明するのは論外)
中盤、キットカットの事故を無くすためのタイムリープを取り消す(?)理由が「子供が別人に変わってしまうから」なのとか、ウーンとなった。(他にもいくつか理由あるけど…)
確かに子どもは大事だろうけど、それならそれでもっと子供(一人目の子)との絆をたくさん描いていれば共感しやすかったかな。
子供を持つ親になった男としての成長を描くなら、その辺も言葉でさらっと流すのではなくちゃんと描いてほしい。
その辺の納得感がないまま観ると、終始利己的なように感じてしまう。
タイムリープして死んだお父さんと会うエピソードも、描き方によれば涙できそうなのに、あんまり響かなかった。
父の死を受け入れられない→タイムリープで会う→父の死を受け入れ、前に進む
って言う明確な成長の流れが欲しかった。
最後、子供のころに戻るシーンでは全力でツッコんでしまった。それ、する意味ある?
子供姿の主人公、無邪気そうに遊んでるけど中身は今の主人公の意識のままなんでしょ?
それと遊ぶ父、どんな気持ちなの?
というかそんな、子が消えるかもしれないリスク犯してまで過去に戻る主人公、ブレブレすぎる。
子ども大事じゃないの?こういうところでも気になってしまう。
結局主人公は、タイムリープできるから戻ろ!→他がうまくいかないなあ→じゃあなしで…
みたいな繰り返し。それは成長ではない。
恵まれてる凡人(彼女は欲しい)がタイムリープを通してほしいものを手に入れ、なんだかんだあって現状に満足したので、タイムリープやめて日常を過ごしていくだけの話。
☆その他
・主人公、やり直し効くからって問題発言多すぎる。
メアリーの編集の仕事に対して「読書が仕事ってこと?すごい。呼吸が仕事って言ってるようなもんでしょ」的な発言するのどうなんだろう。
(このシーンでフラれてまた時間戻してやり直すんだろうな〜って思ってたらメアリー全然脈アリで「え!???いいのこの男で!??」となった)
・設定があやふや。
最初に父親が過去にタイムリープすることしかできない的なこと言ってたのに、途中から未来に戻れるようになってる…?
一度過去に戻ったらそこからはまた同時間を過ごさなければならないと思って観てたので、普通に戻れてびっくりした。
あと他の人も過去に連れていけるとか初耳なんですけど!?
設定に関しては初めにちゃんとした説明が欲しかった。タイムリープものって色んなパターンあるから!
良かったのは、偏屈劇作家が可愛いところ。
主人公の娘の誕生日に小さいクマのぬいぐるみ買ってきたところとか、最後ゴミ箱にシュート決めて一人でガッツポーズ決めてるところとか最高。
そこだけでした。(その分の0.5点)