物語る私たちのレビュー・感想・評価
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ハイセンス
開けっぴろげでハイテンションな母が墓場まで持って行った秘密。
観る前は母親の秘密を暴く悪趣味な内容かも…とちょっと不安だったけど、全く違った。
編集も演出も映像もセンスが良くて、不思議と爽やかな感じで観終わった。
家族間の信頼関係が成せる業。
人生を愛すること
まず、この話を「映画」にしようと思ったサラが素敵。
こういうテーマって湿っぽくなったり感動的に仕立て上げられてしまうことが多そうだけれど、こんなに優しく、あたたかく、遊び心があって、キラキラした映画に出来るのは、彼女のセンスだからこそ。
サラ・ポーリーの作品が以前から大好きだったけど、この作品で彼女の人間性や家族まで大好きになってしまった。
静かに挟まれる音楽も心地いい。
事実は小説より奇なり って言うけど、本当だ。だから人間って面白い。
またDVDが出たら部屋でゆっくり観たいな…。
知らない人のよその国のよその家のはなし、のはずが…
サラ・ポーリーとは誰かしらというくらいの空気で見たこの映画。
みんななんてフランクなのかしら。なんでもしゃべってしまうわ。でもちっともずけずけしすぎていないし、不愉快なシーンがない。
信頼関係が見えてくるよう。
お父さんの語りの声がなんとも言えないほどやさしくて深い声であるし、読み上げる文章がまた魅力的だ。
再現ドラマの役者たちはどうやって選ばれたのだろう…?
撮影秘話もぜひ聞いてみたい。サラ・ポーリーっていったい何者?と気になって、なにやらわくわくしてしまいます。
もし、大人になった今、実は自分だけ父親が違う事を知ったらどうする?
サラ・ポーリーの父親探しのセルフドキュメンタリー。
母、ダイアンはサラが11歳の時に若くして亡くなっている。
小さい頃から兄、姉にサラだけ似てないとからかわれていた。
父、マイケルはサラにたっぷりの愛情を注いで2人の絆は強かった。
ダイアンの印象は語る人達によって少しづつ異なるけど、タペストリーを紡いでいくように観ている私達にもダイアン像が浮かび上がってくる。
そして、意外にもあっさりと本当の父親が見つかる。
実の父はサラの存在を知りつつ、ダイアンの家庭を壊さないように身を引き、ダイアンは秘密をマイケルや子供たちに話さず、墓まで持っていった。
実の父親との再会を喜ぶ反面、育ての父、マイケルにどう伝えようか悩み、苦悩するサラ。
家庭や子供たちの事をとても大切にするけど、奔放で恋多きダイアン。
そんな彼女が見えてくる。
育ての父、マイケルと実の父親の両方のサラに対する愛情を強く感じる。
一見、悲劇になりそうなテーマだけど、明るく喜劇にし柔らかい感動を与えたサラの手腕が素晴らしい作品!
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