劇場公開日:1983年6月4日
解説・あらすじ
松田優作扮する三流大学の7年生という風変わりな家庭教師が、高校受験生を鍛え上げる様をコミカルに描く。音楽なしの誇張された効果音、テーブルに横一列に並び食事をするという演劇的な画面設計など、新しい表現が評判となった森田演出が冴えるホーム・コメディの傑作。
1983年製作/106分/G/日本
劇場公開日:1983年6月4日
劇場公開日:1983年6月4日
松田優作扮する三流大学の7年生という風変わりな家庭教師が、高校受験生を鍛え上げる様をコミカルに描く。音楽なしの誇張された効果音、テーブルに横一列に並び食事をするという演劇的な画面設計など、新しい表現が評判となった森田演出が冴えるホーム・コメディの傑作。
1983年製作/106分/G/日本
劇場公開日:1983年6月4日

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2014年7月20日このような家庭崩壊状態が、この時代のひとつの社会問題であった。
父親は仕事にのみ没頭し、子育ては放置。母親は、夫に魅力を感じなくなり、無関心。子供は親をうっとうしく思う――そんな状況である。
そこに登場するのが、この破天荒な主人公だ。
しかし彼は彼なりに節度を守っており、この家庭の中でまずは押さえつけて“改造”を試みたりはするものの、多少の抵抗を受けたり、彼自身も最低限の常識は持っていた。
だから私はこの作品を観ていて途中まで、かなりフラストレーションがたまっていた。
「これはこのまま、社会問題を扱った作品として終わるのかな?」と思っていたのだ。
だが――なんといっても、この映画の良さは“そこから”だ。
それまでわざと観客にフラストレーションを溜めさせておき、最後に大・大・爆発を起こして、観客をスカッとさせてくれる。その爆発の起こし方が本当に見事で、まさにこの監督とこの俳優ならでは。
これは、この時代において最も上手くいった日本映画のひとつだろう。
河川沿いの高層団地に住む沼田家は、デキの悪い次男の高校受験成功のために家庭教師を雇うことにする。そして風変わりな家庭教師の吉本が沼田家にやってくる・・・‼️この作品ほど、そのビジュアルや構図、演出にこだわって製作され、それが成功した作品はないでしょう‼️テーブルに横一列に並んで食事をする家族を正面から捉えた構図‼️勉強机からの視点から見た家庭教師と教え子のささやき声による会話‼️目玉焼きの黄身だけをチュウチュウしながら食べる父親‼️音楽を一切使わず、ヘリコプターの音などの効果音のみで魅せる森田芳光監督の演出‼️ワンカットごとに工夫されたそれらのアイデアは40年以上経った今観てもホントに斬新でワクワクさせられます‼️そしてやはり松田優作さん‼️「最も危険な遊戯」や「野獣死すべし」でアクション・スターとして、当時絶大な人気を誇った彼を吉本役にキャスティングした時点で、今作は既に成功している‼️いつも植物図鑑を持ち歩き、河川沿いの沼田家にわざわざ船でやって来る、いや襲いかかってくる‼️そして勉強だけでなくケンカの仕方まで次男に教え、家族を静かに攪乱、まるでメフィストのようにふるまう大学7年生の吉本‼️ホントに最高すぎるキャラですね‼️吉本が父親と息子の成績が上がるごとに、特別の報酬をもらう契約を交わすシーンは特に印象的ですね‼️私はアクション・スターとしての松田優作はリアルタイムではないので、今作以降の松田優作さんのキャリアが特に印象に残ってます、「それから」とか‼️そんなこんなで次男は高校受験に合格、今度は長男を一流大学に入れてやってくれと頼まれるも、「一流大学の受験生を三流大学の学生が教えられるはずがない」と断った吉本は、沼田家で大暴れして終幕‼️なんというつかみどころのない作品‼️でもそのつかみどころのなさが今作の最大の魅力‼️一見普通に見えて、どこかズレてる家族間のエゴがラストでコテンパンにぶちのめされる‼️そんな風変わりなホームドラマを描きながら、"家族"、"教育"、"受験"、"いじめ" といった現代にも通じる日本の社会問題を、お遊び(ゲーム)感覚でこんな傑作に仕立て上げた森田芳光監督の才気に乾杯したい気分ですね‼️
嫌に近い密すぎる距離感の割に噛み合わない会話と空気感。お互いが相手に期待している内容や答えは生々しいくらいに見える表情や仕草を強調した演技なのにまったく通じあってる感じがしないのがもの凄く不快で違和感を感じさせる。
実に気持ち悪い。分かっちゃいたけど胸糞だ!どうしよーと思ったけれど最後の食事シーンにこれまでの家族関係を圧縮したうえでギャグして落としてくれた事で溜まった気持ち悪さを引きずらずに済みました。
お金で雇われた分の面倒はみるが家族の事は家の中で解決しろと言わんばかりのシーンで外から来た何者だか分からない人間に家族の問題を任せてしまう希薄な愛情と家庭のあり方を象徴しつつも、振り返ると家庭教師も自分の事には余り向き合えていない様だったので人間誰しも建前やよそ見をする方法にばかり目を向けがちなもんだよな。と、
登場人物はみんな短絡的で直線的なありふれた思考をしているけれど、言葉を投げた先に受け取り手がいない事。伝えるべき言葉を言わずに一般社会で思っていたとしても絶対伝えたりしない様な言葉をあえて受け取りたくなくなる様な台詞で伝える事。
違和感を煮詰めて煮詰めて、日常的に小さな不快音が大きく耳に付いてくるように積み重ねて何ともスッキリさせずに緊張感とストレスを山積みにしていくやり方にうわーっと思いながらもつい最後まで見てしまった。
全体な映像も結果や場面だけを突きつけてきて、間の流れや交流を見せない断片的なシーンの連続でそれに拍車をかけているし、そこに登場人物の関係性だけが分かりやすい構図が抒情的にも見える面白さがあってなんとも。
(結果だけで話たがる人って一見するとミステリアスだけど長く付き合うとだいぶイラつくのに似てる)
そんなこんなで最後の若干ファンタジーな説明の薄い終わり方にまで想像させる余白が生まれて落とし所が上手すぎると感心してしまいました。