劇場公開日 2014年4月12日

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「【1965年。インドネシア、スカルト大統領がスハルト少将のクーデターにより失脚した際に右派勢力により共産党員が大虐殺された事件に関与した者達に当時の行為を演じさせたドキュメンタリー映画。】」アクト・オブ・キリング NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【1965年。インドネシア、スカルト大統領がスハルト少将のクーデターにより失脚した際に右派勢力により共産党員が大虐殺された事件に関与した者達に当時の行為を演じさせたドキュメンタリー映画。】

2025年8月15日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 1965年。9月30日事件で共産党員を虐殺したのは、今作によると、「プレマン」(ならず者)と呼ばれる民間の兵士らの手によるものだったそうである。
  ジョシュア・オッペンハイマー監督が、彼らに当時の行為を演じてくれと頼むと、皆、誇らしげに当時、行った殺害行為を演じていく。

  だが、後半、中心人物であった老人が”殺される共産党員”を演じた際に、彼は”ちょっと、待ってくれ。”と演技を止め、明らかに態度が変わって行くのである。

  その後、別の場所では彼は激しく嘔吐しながら、演じようとする・・。

  今作は、同民族でありながら殺し合った人たちの、【殺した側】の人達が、当時の様を演じる模様を捉えたドキュメンタリー映画である。

<一番恐ろしいのは、【殺した側】の人達が、今でも何の罪にも問われずにのうのうと生きている事であろう。
 今作は、人間の狂気性を描いた気持ちの悪いドキュメンタリーである。
 途中で態度が変わった老人が言うように、虐殺に加わった者達は、【地獄に堕ちるであろうな】と思った作品でもある。>

NOBU